著者
大谷 武史 木村 大輔 平松 佑一 海部 祐史
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.11871, (Released:2021-03-15)
参考文献数
38

【目的】脳出血後に希に生じる人格変化と依存的行動を呈した症例に対し,目標設定ツールを用いた理学療法を実施し良好な結果が得られたので報告する。【症例】症例は背内側核を中心とした右視床出血を呈した60 歳台の女性である。ADL 自立の阻害因子であった依存的行動の背景には人格変化と高次脳機能障害の影響が考えられ,加えて不安と自己効力感の低下を認めた。【方法】行動変容を促すためGoal Attainment Scale を用いて段階的に目標設定し,結果を2 週間毎に共有した。行動変容の背景要因を明確にするために目標達成度,自己効力感,神経心理学的検査,運動機能を評価した。【結果】自己効力感,神経心理学的検査,運動機能が改善し退院時目標を達成した。一方で,一部の改善を認めたものの人格変化は残存した。【結論】行動の計画や実行に目標設定ツールを用いて達成経験を共有したことが自己効力感を高め依存的行動の変容につながったと考えられた。
著者
大谷 武史
出版者
北海道地理学会
雑誌
北海道地理 (ISSN:02852071)
巻号頁・発行日
vol.1999, no.73, pp.57-68, 1999-04-30 (Released:2012-08-27)
参考文献数
26
著者
宮脇 裕 村井 昭彦 大谷 武史 森岡 周
出版者
一般社団法人 日本基礎理学療法学会
雑誌
基礎理学療法学 (ISSN:24366382)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.50-55, 2022 (Released:2022-10-17)
参考文献数
25

運動主体感(Sense of agency)とは,自分が自分の運動を制御しているという感覚を指す。この感覚は,運動の感覚フィードバックに対しフィードバック制御を駆動する役割をもち,感覚入力と運動出力を紐付けるMediator の役割を担っていると考えられている。運動主体感の誘起には,運動に伴う内的予測などを含む感覚運動手がかりと,運動に直接関連しない知識や信念などの認知的手がかりが関与する。手がかり統合理論によると,状況に応じたこれら手がかりの信頼性に基づき,運動主体感への貢献度を決める重み付けが変化する。この理論に基づき,我々は運動制御時に感覚運動手がかりと認知的手がかりがどのように利用され運動主体感が導かれるのか,その重み付け変化(i.e., 手がかり統合戦略)の実態について検証を進めてきた。これらの研究成果を中心に,本稿では,運動主体感について運動制御との関係性を概観し,手がかり統合理論の観点からそのメカニズムを議論する。
著者
大谷 武司 木村 康子 阪口 雅弘 井上 栄 飯倉 洋治 安枝 浩
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.411-417, 1992
被引用文献数
4

最近開発された特殊防ダニ布団(TR社)を, 喘息児とその家族(23組)に普通の布団(コントロール)と一緒に約2年間実際に使用し, 布団のダニ数と, ダニ抗原量(Der I, Der II)を測定しその効果を検討した. 1. 2年間, 延べ124組の布団のダニ数の結果は, 防ダニ布団は平均6.4匹(SD±8.8)であり, コントロール布団の70匹(SD±99)にくらべ約1/10であり有意に少なかった(p<0.001). 2. ダニの追跡調査を約2年間(使用後3, 6, 9, 12, 27力月)おこなったが, いずれも, 防ダニ布団のダニ数はコントロールに比べ, つねに1/10かそれ以下であった(p<O.01). 3. 2年間使用した布団の中綿についてDer IとDer IIのダニ抗原量を測定した. 防ダニ布団のダニ抗原量はコントロールに比べ平均で約1/24であった. 4. 布団たたきをし空中ダニ抗原量(Der I, Der II)を測定した. その結果, 防ダニ布団とコントロールのダニ抗原量の比は1:22〜264であった. 以上の結果から, 防ダニ布団は普通の布団に比べ, ダニの繁殖を常に1/10かそれ以下に防止し, しかも, 布団の中綿と浮遊するダニ抗原量はさらに少ないという結果であった.

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著者
大谷武一 著
出版者
目黒書店
巻号頁・発行日
1941
著者
大谷 武司 衣川 直子 飯倉 洋治 星 房子
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.33, no.8, pp.454-462, 1984
被引用文献数
4

ダニアレルギーのある小児気管支喘息児の家庭について, 家屋塵, 床材, 寝具, 家具, 玩具などのダニについて調査した.結果:1)家屋塵(床塵)0.5g当り, 平均393匹のダニが検出された.ヤケヒョウヒダニ(D.p)とコナヒョウヒダニ(D.f)が優占種であり66%を占めた.2)家屋では, カーペットのある家屋と古い家屋にダニが有意に多かった.3)床材では, カーペットにダニが多く, 板の間が少なかった(1畳当りのダニ数は, カーペット418匹タタミ131匹, 板の間27匹であった).4)布製のソファー・イス・ぬいぐるみから多数のダニが検出された.5)フトン, マットは1枚当り(上面)238匹のダニが検出された.以上より, 喘息児の家屋でダニが多く問題となるのは, 床材ではカーペット, 家具では布製のソファー, 玩具ではぬいぐるみであり, これらの家庭内からの撤去が望ましい.
著者
井上 和子 大谷 武司 荒木 盛雄 丹後 俊郎 倉科 周介 木谷 信行 乾 宏行 品川 洋一 飯倉 洋治
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー
巻号頁・発行日
vol.34, no.12, pp.1063-1071, 1985

1981年に筆者らが気管支喘息と診断した182名の喘息児の2年間の臨床経過と, その影響因子をアンケート及び現地診察を行い調査した.同時に, 喘息発症の原因検索として, 喘息児家庭の家塵中のダニの種類と数を, また, 布団敷前後の空中浮遊細菌数の変動を検索した.その結果, 2年間の臨床経過では, 悪化8.3%, 不変24.6%, 改善51.7%, 無症状15.2%であった.予後に対する影響因子では, 血清IgE値と, 家塵とダニに対するIgE抗体が高値の者, また, 現在湿疹がある者の予後が不良であった.喘息児家庭内の家塵0.5gm中のダニ数は, 平均539匹と東京のそれよりも多く, 種類はD.p.31.1%, D.f.9.5%で, ササラダニが多く検出された.喘息児寝室内の布団敷前後の空中落下細菌は, 血液寒天培地上のコロニー数で比較したところ, 布団敷後が約3倍にも増加していた.