- 著者
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佐藤 豊
安井 利一
- 出版者
- 有限責任中間法人日本口腔衛生学会
- 雑誌
- 口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
- 巻号頁・発行日
- vol.50, no.5, pp.751-757, 2000-10-30
- 被引用文献数
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5
摂食機能を身体機能の1つとして捉え,全身の機能発達のなかでの摂食機能獲得時期を明らかにする目的で,0〜5歳児89名を調査,検討した。原始反射,体位保持機能,口腔周囲の運動機能/食事形式,全身の運動機能,言語機能,歯の萌出についてそれぞれ機能獲得時期(発達時期)について,以下の結果を得た。1.咀嚼回数は月齢とともに増加した。2.原始反射の消失時期は,吸啜反射が最も早く,咬反射が最も遅かった。3.体位保持機能の50%通過率は,首のすわりが生後6.5ヵ月,歩行は12.8ヵ月であった。4.歯の萌出前の押しつよし嚥下から萌出後の咀嚼まではほぼ2ヵ月かかっていた。5.1歳前後より手づかみ食べが認められ,その後4〜5ヵ月でスプーンやコップを使用できるようになっていた。6.運動機能発達に関する50%通過率では,「走ることができる」が生後22.5ヵ月,跳躍は30.8ヵ月であった。7.言語機能獲得に関する50%通過率では,喃語を話し,「数語からなる文を話すようになる」のは生後29.2カ月,その後2ヵ月で発音がはっきりとし,3歳頃までに主従文,疑問詞を用いた高度な言語構成力を獲得する状況であった。8.生後9〜10ヵ月で前歯が,また13.9ヵ月で臼歯の萌出が認められた。