著者
佐藤 豊 サトウ ユタカ Yutaka Sato
雑誌
ICU 日本語教育研究センター紀要 = The Research Center for Japanese Language Education Annual Bulletin
巻号頁・発行日
no.10, pp.1-12, 2001-03-31

This paper summarizes the reviews of Japanese language textbooks for intermediate-level learners. Articles written on this subject, that is, Japanese language textbooks for intermediate-level learners, were collected as part of the on-going project to develop an intermediate-level textbook for learners of Japanese in the Japanese Language Programs, International Christian University. The following aspects of textbook development have been discussed and briefly summarized in this paper: (i) what skills should be emphasized (reading/writing or speaking/listening?), (ii) what kinds of topics are good as reading materials for learners of Japanese, (iii) how are grammatical points incorporated into readings in textbooks on the market, and (iv) what kinds of exercises and activities are there in those textbooks. Finally, an attempt to classify the textbooks into three types, the traditional type, the "new" type and the "geared-to-specific-skills" type, is introduced.
著者
工藤 由理 中野 あずさ 佐藤 厚 今村 徹 佐藤 豊
出版者
社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
リハビリテーション医学 (ISSN:0034351X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.7, pp.463-468, 2005 (Released:2006-09-22)
参考文献数
12
被引用文献数
5 6

Recent authors reported a cerebellar contribution to cognitive functions such as executive function, personality, spatial cognition, language and memory. Middleton and Strick showed the neuroanatomical projection from the dentate nucleus to dorsolateral prefrontal cortex. Patients with cerebellar diseases were reported to have cognitive impairment in their neuropsychological assessments. The present patient with cerebellar hemorrhage showed disorder of executive function and memory disorder in his neuropsy-chological assessments. In his daily living, we found him to exhibit a distractible affection and disinhibition, which often disrupted the rehabilitation processes. A brain MRI showed no lesions in the bilateral frontal areas but SPECT showed a lower blood flow there. To approach these cases, we should recognize the existence of impaired higher brain function, and not only be mindful of motor deficits.
著者
佐藤 豊
出版者
有限責任中間法人日本口腔衛生学会
雑誌
口腔衛生学会雑誌 (ISSN:00232831)
巻号頁・発行日
vol.52, no.3, pp.203-212, 2002-07-30
被引用文献数
1

0歳児から2歳児までの47名(男児26名,女児21名)を対象とし,各種機能発達過程に関してコホート研究を実施した。原始反射の消失時期,体位保持機能,口腔周囲の運動機能,跳躍などの運動能力,言語機能の獲得時期,食事形式の変化と発達時期および歯の萌出時期の各項目について,早期獲得群と運期獲得群とを比較し,各機能の相互関連性を検討した。探索反射,吸綴反射,咬反射の消失時期の早い小児では,早期に首がすわり,座位をとり,這いずりができていた。また,早期に口を閉じて液体を飲み,口唇捕食や口唇および目角を複雑に動かし,下顎を上下運動させ,舌で食物を押しつぶして食べることができ,さらに手づかみで食べる機能獲得も早く,喃語の出現も早期に認められた(p<0.05)。しかし,走る,その場で跳躍する,片足で立つなどの機能との間に関係は認められなかった。早期に首がすわり,座位をとり,這いずりや歩行ができた小児では,口を閉じて液体を飲む口唇捕食,口唇の複雑な運動,口角の左右対称な運動,下顎上下運動,舌での押しつよし食べ,歯槽堤での咀嚼および手づかみで食べるなどの機能が早期に獲得されていた(p<0.05)。原始反射消失が早い小児では,体位保持機能,口腔周囲機能の獲得が早期にみられたが,食事形式,言語機能,運動機能については早期に獲得されていない領域も認められ,特に摂食機能や言諸機能については,発達段階に即した日常の育児のなかでの適切な学習プログラムが重要であると思われた。
著者
佐藤 豊展 近藤 健男 柴本 勇 出江 紳一
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.3-10, 2021-04-30 (Released:2021-08-31)
参考文献数
28

【はじめに】舌挙上は舌骨上筋群の筋力を強化する訓練として適用されることが報告されている.筋力を強化する際,運動負荷量を適切に設定する必要があるが,舌骨上筋群の筋力を強化するための舌圧の強度は明らかになってはいない.そこで本研究は,健常若年者と健常高齢者を対象に,1)舌圧と舌骨上筋群の筋活動の関連性,2)舌骨上筋群を筋力強化するための舌圧強度について明らかにすることを目的に行った.【方法】対象は健常若年者15 名(27.1±2.6 歳,平均±標準偏差;以下同様),健常高齢者12 名(76.0±3.0 歳)とした.測定課題は頭部挙上と舌挙上の全6 課題とした.舌挙上は最大舌圧,舌圧80%,舌圧60%,舌圧40%,舌圧20%の5 課題を行った.測定装置は舌圧測定器と表面筋電図を使用した.被験筋は舌骨上筋群とした.統計解析は舌圧と舌骨上筋群の筋活動の関連についてピアソンの積率相関係数を行った.また,舌骨上筋群を筋力強化するための舌圧強度について,線形単回帰分析を行った.【結果】健常若年群と健常高齢群ともに,舌圧と舌骨上筋群の筋活動に強い正の相関を認めた.健常若年者では65%,健常高齢者では50% の強度で舌圧発揮を行うと,頭部挙上時の舌骨上筋群の筋活動と同程度の筋活動が得られた.【考察】健常高齢者において,50% の強度で舌圧発揮を行うと,舌骨上筋群の筋力を強化できる可能性が示唆された.今後,持続時間や頻度などの運動負荷量,舌前方部や舌後方部などの位置について検討が必要と考えられる.
著者
佐藤 豊三 小野 剛 田中 和明 服部 力
出版者
日本微生物資源学会
雑誌
日本微生物資源学会誌 = Microbial resources and systematics (ISSN:13424041)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.163-178, 2016-12

2011~2014年,小笠原諸島において採集した約300点の樹木等の罹病部や寄生生物から菌類を分離し,DNAバーコード塩基配列および形態により分類同定を行った結果,286菌株が124種に同定され161菌株が属まで同定された。これらのうち少なくとも37種は日本新産,20種・1亜種は小笠原新産であり,57菌種について延べ80種の新宿主が明らかとなった。新宿主には19種の小笠原諸島の固有種が含まれていた。一方,固有植物から分離された他の50菌株以上が37属に同定されたが,DNAバーコードを用いたBLAST検索などの結果では種まで特定できなかった。これらは新種の可能性も含めて分類学的所属を明らかにする必要がある。また,国内初確認13種および小笠原諸島新産菌1種は,熱帯・亜熱帯産の宿主から分離され,菌自体も熱帯・亜熱帯分布種であった。以上および既報から,小笠原諸島の菌類相には熱帯・亜熱帯要素が含まれていることが改めて認められた。
著者
小林武 佐藤豊著
出版者
研文出版
巻号頁・発行日
2011
著者
佐藤 豊展 近藤 健男 柴本 勇 出江 紳一
出版者
一般社団法人 日本摂食嚥下リハビリテーション学会
雑誌
日本摂食嚥下リハビリテーション学会雑誌 (ISSN:13438441)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.12-19, 2018-04-30 (Released:2019-03-07)
参考文献数
28

【はじめに】頭部挙上訓練は,舌骨上筋群の筋力強化訓練として広く用いられているが,胸鎖乳突筋の筋活動が高く,早期に筋疲労を起こすことから施行することが困難な場合が多い.舌挙上は頭部挙上訓練に代わる喉頭挙上の訓練として有用であることが報告されているが,健常若年者を対象とした報告であり,健常高齢者を対象とした報告は筆者らが検索しうる限りみられない.そこで本研究では,舌挙上が喉頭挙上の改善を目指した訓練として用いることができるか,表面筋電図を用いて検討した.【方法】対象は健常若年者 15名(27.1±2.6歳),健常高齢者 12名(76.0±3.0歳)とした.測定課題は,最大舌圧での舌挙上,頭部挙上,メンデルソン手技とした.表面筋電図を使用し,舌骨上筋群,舌骨下筋群,胸鎖乳突筋の電位変化を記録した.【結果】舌骨上筋群の筋活動は,健常若年者,健常高齢者ともに舌挙上が頭部挙上,メンデルソン手技より有意に高かった(p< 0.01).舌骨下筋群,胸鎖乳突筋の筋活動は,舌挙上が頭部挙上より有意に低かった(p< 0.01).【考察】舌挙上は頭部挙上と比較して,胸鎖乳突筋や舌骨下筋群の筋活動が低く,舌骨上筋群をより効果的に活動させることができ,健常高齢者においても喉頭挙上の改善を目指した訓練として用いることができる可能性が示唆された.
著者
友松 伸允 町田 奈美 中久木 康一 佐藤 豊 山城 正司 原田 清
出版者
社団法人 日本口腔外科学会
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.60, no.3, pp.142-146, 2014-03-20 (Released:2015-05-19)
参考文献数
12
被引用文献数
1

Amyotrophic lateral sclerosis (ALS) is an incurable, progressive, and neurodegenerative disease specifically affecting both upper and lower motor neurons. It induces dysphagia, reduction of respiratory function, and limb muscle weakness, leading to aspiration pneumonia and respiratory insufficiency. ALS can be detected at dental visits on the basis of early oral symptoms such as dysphagia. However, there are few reports describing ALS in dental journals. We describe a man aged 59 years who visited our department because of functional changes, including decreased swallowing ability. Imaging studies demonstrated no tumor lesions, but tongue fasciculations were present. Videofluorographic evaluation revealed incorrect swallowing (aspiration) and food remaining in the larynx. We consulted the department of neurology in our university hospital. Because needle electromyography and other examinations ruled out other possible diseases, the patient was given a diagnosis of ALS. We made a palatal augmentation prosthesis to maintain deglutition function and followed up oral function. Oral symptoms of ALS are sometimes observed in its early stage. Therefore, oral surgeons and dentists need to possess adequate knowledge about this disease.
著者
富岡 啓介 森 充隆 佐藤 豊三
出版者
日本植物病理學會
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.65, no.6, pp.620-623, 1999-12-25
参考文献数
9
被引用文献数
2

1999年3月,香川県の施設で栽培中のラナンキュラス(ハナキンポウゲ;Ranunculus asiaticus L.)に灰色かび病の典型的な症状を呈する病害が確認された。葉,茎および花に,初め水浸状の不整形病斑が現れ,病斑はしだいに褐変・乾燥しながら拡大・癒合し,それら器官が腐敗して株全体が早期枯死に至る。病斑上には肺&sim;灰褐色のビロード病の菌体が観察され,その出現は多湿条件で促進された。この菌体では典型的なBotrytis属菌の分生子柄と分生子がみられ,本菌を主にその形態的特徴からB. cinerea Person:Friesと同定した。本菌分離菌株の分生子を健全宿主に接種した結果,原病徴が再現されるとともに接種菌が再分離され,同菌の病原性が確認された。本病はすでに記録のあるラナンキュラス灰色かび病と思われた。しかし,病徴とともに病原菌の同定根拠および病原性に関する報告がない。本研究はその科学的根拠を示すものである。