著者
伊東 哲代 安藤 孝雄 市川 邦介
出版者
The Japan Society of Home Economics
雑誌
家政学雑誌 (ISSN:04499069)
巻号頁・発行日
vol.19, no.3, pp.170-173, 1968-06-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
8

甘藷の加熱処理法と糖生成量との関係を求めるため、甘藷の擂砕物、搾汁および粗酵素を用いて検討した結果は次のごとくであった。1 甘藷の擂砕物および搾汁においては、基質でんぷんのα化とも関連して、80℃附近において糖生成量が最大となった。またその糖化は、100℃に達するまでの時間が10~20分間あれば十分である。2 予め、基質をα化した場合、糖化は60℃附近において最も大であった。
著者
坂本 薫 岩城 啓子 岸田 恵津 池田 ひろ 入江 一恵 平田 由美子 三崎 勝 太田 初子 岡本 佳子 安藤 孝雄 口羽 章子 金谷 昭子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, pp.399-406, 2001-11-20
被引用文献数
1

今後の炊飯方法や炊飯意義を探る研究の一環として,無菌包装米飯に焦点を当て,無菌包装米の利用状況や意識などに関するアンケート調査と代表的な3社の製品に対する食味評価を行なった。アンケート調査では,持ち帰り米飯に対する回答と比較し、以下の結果を得た。1.無菌包装米飯を知っている者は77.2%,そのうち,使用したことがある者は50.8%であった。中高年男性群に無菌包装米飯を知らない者が多い傾向が見られ,若年女性群との間に有意差(p<0.05)が認められた。2.無菌包装米飯と持ち帰り米飯を利用する理由は,両者とも「すぐ食べられるから」を挙げていたのに加え,無菌包装米飯には「保存できるから」が特徴的な理由として挙げられていた。無菌包装米飯の利用後の感想は,「満足」と「まあまあ」をあわせると84.4%となり,8割以上の者がほぼ満足していると考えられた。3.無菌包装米飯を今後利用したいか否かに対しては,「積極的に利用したい」あるいは「ときに利用したい」とした者は40.1%,「できれば利用したくない」は53.9%であった。利用したくない理由としては,「ご飯は家で炊くべきだから」,「おいしくないから」が多かった。4.3社の製品の食味評価は,普段食べている米飯とほとんど差がないと評価された製品もあったが,製品により評価に著しい差が見られた。また,香りに対する評価が,総合評価に影響を及ぼしている可能性が示された。5.テクスチャーについては,B,C社製品はコシヒカリに比較的近いかたさと付着性を示す結果となった。以上,白飯の無菌包装米飯は,製品によりテクスチャーや食味評価に差があり,香りが総合評価に影響を及ぼす要因であると示唆された。よい評価を得た製品は,普段食べている米飯と食味上遜色はなく,常温保存できるという特徴から,今後さらに需要が伸びる可能性があるものと思われる。
著者
水野 千恵 四谷 美和子 北山 英子 山田 克子 荻野 正子 山本 由美 内田 真理子 梶田 武俊 安藤 孝雄 生野 世方子 芥田 暁栄 山下 英代 山野 澄子 川内 由美 奥田 展子
出版者
一般社団法人日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会誌 (ISSN:13411535)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.275-280, 2002-08-20
被引用文献数
2

ガスコンロを用い,ガス加熱の条件設定について検討した。1. 都市ガス13Aはガス圧を1.50kPa,6Cは1.00kPa,プロパンガスは2.00kPaとなるようにガス流量を一定にし,水を被加熱体として3段階の火加減における昇温速度,ガス消費熱量の再現性を検討した。ガスの種類が同じ場合,異なった測定場所においても昇温速度,ガス消費熱量に高い再現性が認められた。2. ガスの種類が異なった場合,ガス圧を微調整することにより,昇温速度,ガス消費熱量に再現性かつ普遍性のある加熱条件を設定することができた。3. 設定した基準にしたがってあずきを加熱した場合,水加熱と同様に,いずれの火加減においても昇温速度の再現性があり,あずきの加熱に伴う煮汁の蒸発量,重量と容積の増加においても再現性が認められた。最後に本研究にあたり,終始ご懇切なご指導とご鞭撻をいただきました同志社女子大学名誉教授故林淳一先生に心から感謝を捧げます。