著者
安藤 藍
出版者
お茶の水女子大学生活社会科学研究会
雑誌
生活社会科学研究 (ISSN:13410385)
巻号頁・発行日
no.23, pp.17-30, 2016-11

本稿は,里親が通常18歳までの満期措置委託期間を過ぎた元里子との関係を\いかに再編・調整し,意味づけているのか,その経験的世界から明らかにする\ことを目的とした.分析には,元里父母10名を対象とした半構造化インタビュー\調査による語りをもちいた.分析の結果,措置委託解除には,責任の終わる区\切りと捉えられる場合がある一方,基本的には今後の関係継続を見越した通過\点という見方がなされていた.本調査において元里親は,元里子との関係調整\にあたり,子どもの経済的・生活や精神的自立を主に基準としており,元里親\たちはそれに至るまで可能な限りの支援をおこなっていた.元里子の現状はさ\まざまであり,元里親子の意向があわず再編のすすまないケースもあった.し\かし元里子の現況にかかわらず,元里親たちは子どもとの間になんらかのつな\がりを感じており,独自の意味づけがみられることを確認した.
著者
岡部 卓 室田 信一 久保 美紀 西村 貴直 新保 美香 安藤 藍 三宅 雄大 杉野 昭博 金子 充 堅田 香緒里 圷 洋一 布川 日佐史 和気 純子 小林 理 乾 彰夫 長沼 葉月
出版者
明治大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2018-04-01

本研究の目的は、貧困・低所得者対策である生活保護・生活困窮者自立支援・関連施策による方策(制度・政策およびソーシャルワーク)が「包摂型社会」構築にどのように寄与しているかを理論的・実証的研究を通じて検証し、今後とりうる方策を検討することである。以上の研究目的設定のもと、本年度は、フィリピン・マニラでの海外調査の実施である。欧米モデルとは異なるフィリピンでの貧困対策・社会的包摂の取組みの実際を検討するべく、St. Mary’s College Quezon CityのImelda Macaraig教授にインタビューした。また、海外での学会参加及び報告を行った。具体的には、福祉レジームと若者の移行に関する研究報告(Welfare Regime and Young people’s Transition to Adulthood: A Frame-work for Five Countties’ Comparasion)をJournal of Youth Studies Conference(オーストラリア、ニューカッスル)で実施した。その他、支援者へのインタビュー調査を次年度以降の本調査に向けてのプレ調査として、貧困、障がい、女性関連の施設職員(支援者)へのインタビュー調査を実施した。フィリピン調査、学会報告は、研究成果として報告書にまとめた。