著者
安藤 陽子 片山 哲哉 野口 孝俊 久保 善司
出版者
一般社団法人 セメント協会
雑誌
セメント・コンクリート論文集 (ISSN:09163182)
巻号頁・発行日
vol.71, no.1, pp.448-455, 2018-03-30 (Released:2018-03-30)
参考文献数
14

第二海堡は戦時中、首都東京への敵艦隊の侵入を防ぐための要塞として東京湾に作られた人工島である。第二海堡に使用されたコンクリートの耐久性について建設後100年以上が経過した北側護岸の被覆コンクリート(1889年建造)とカノン砲台を囲う円形周壁のコンクリート(1907年建造)の圧縮強度の測定を行った結果、現在は25N/mm2を超える値であった。15N/mm2程度に想定されていた時代において非常に高い値である。これは水和活性の低いⅡ型ビーライトからなる竪窯焼成の粗粒なセメント粒子を多く含むため、ゆっくりと水和が進行することで徐々に強度を発現してきたことが原因と考えられ、中性化深さが小さいことも同様の原因と考えられる。'
著者
小野 一晃 土井 りえ 安藤 陽子 大塚 佳代子 柴田 穣 尾関 由姫恵 佐藤 秀美 増谷 寿彦 小林 留美子 柳川 敬子
出版者
日本食品微生物学会
雑誌
日本食品微生物学会雑誌 = Japanese journal of food microbiology (ISSN:13408267)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.151-155, 2004-07-31
参考文献数
21
被引用文献数
3

2003年3月8日に埼玉県内の焼き鳥屋で喫食した友人4名全員が11日夕方 (16時頃) から12日朝 (8時頃) にかけて, 下痢・腹痛・発熱などの食中毒様症状を呈した.当初の検査で患者からすべて異なる血清型菌が分離されたことから, 5℃ 保存便について繰り返し検査したところ, 分離菌株の型 (血清型・PFGE型) に変化がみられた.一方, 患者から分離された<I>C.jejuni</I>および<I>C.coli</I>の5℃ 保存生理食塩液中での生存性に差はみられなかった.<BR>また, 本事例では食品から患者と同じ型のカンピロバクターも分離されたが, 同一検体でも直接法とMPN法で分離菌株の型が異なる場合がみられたことから, 両法の併用により菌分離を行うことが望ましいと考えられ
著者
広野 真一 安藤 陽子 大代 武志 鳥居 和之
出版者
一般社団法人 セメント協会
雑誌
セメント・コンクリート論文集 (ISSN:09163182)
巻号頁・発行日
vol.67, no.1, pp.441-448, 2014-02-25 (Released:2015-02-25)
参考文献数
11
被引用文献数
2

北陸地方では深刻なアルカリシリカ反応(ASR)が発生し、現在でも収束していない。地域の事情を考慮したASR抑制対策としては、フライアッシュセメントの使用が最も有効である。分級フライアッシュと高炉スラグ微粉末によるASR抑制効果を、富山県の代表的な反応性骨材に対し、JIS A 1146とデンマーク法により検証した。その結果、分級フライアッシュ15%置換は高炉スラグ42%置換よりも優れた効果を発揮したが、JIS A 1146で特に優位であった理由として、SEM-EDSで確認された微細な粒子周囲の反応相増大と0.9程度の低Ca/Si比のC-S-Hの生成によるアルカリ吸着がもたらす細孔溶液のOH-減少の効果が最も大きいと推察された。