著者
宮原 隆成 赤羽 順平 村元 美帆 山中 美和 上原 魁 上原 剛 山田 響子 横関 万里
出版者
特定非営利活動法人 日本呼吸器内視鏡学会
雑誌
気管支学 (ISSN:02872137)
巻号頁・発行日
vol.42, no.5, pp.392-397, 2020-09-25 (Released:2020-10-16)
参考文献数
15

背景.線毛を有する腫瘍は一般に良性とされている.症例.33歳男性.当院人間ドック胸部CTにて,右上葉に9 mm大の結節影を指摘された.胸部CTでの経過観察15か月後,腫瘍径は変わらなかったが,気管支鏡検査を行った.線毛を有する気管支上皮を認め,基底細胞様細胞が増生し乳頭状構造を形成していた.線毛性粘液結節性乳頭状腫瘍が疑われ,人間ドック33か月後,胸腔鏡補助下右肺S3区域切除が施行された.切除標本における免疫染色では粘表皮癌との鑑別も困難であったため,粘表皮癌に特有のMAML2遺伝子検索を行い,遺伝子異常を認めたため,粘表皮癌と診断した.結語.亜型が存在する腫瘍では時に診断が困難である.免疫染色のみならず遺伝子検査の併用が診断に有用である.
著者
原田 貴弘 宮原 隆 中嶋 直敏 栗原 和枝
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子論文集 (ISSN:03862186)
巻号頁・発行日
vol.59, no.12, pp.792-799, 2002-12-25 (Released:2010-03-15)
参考文献数
30

チミン (T) およびアデニン (A) を末端に有する両親媒性分子を用いて, 雲母基板上に核酸塩基を表面に有する単分子膜を調製した. 水溶液中 (pH4~10) において, 調製した核酸塩基表面間に作用する力を, 表面力装置 (SFA) を用いて, 表面間距離の関数として測定した. (i) T-TおよびA-A表面間では, 核酸塩基の酸解離を反映して, それぞれ, pH7以上またはpH4以下において電気二重層斥力が観察された. また, A-Aの場合, pH8以上でも斥力となり, 水酸化物イオンの吸着による電気二重層斥力と考えている. それ以外のpH領域では, 90nmに及ぶ長距離引力が作用した. これは主に核酸塩基の疎水性による引力と考えられる. (ii) 相補的なT-A表面間においては, pH4~10の領域においてつねに長距離から引力が観察され, 特に純水中においては, 60nmの長距離から引力が観察された. 生理的pH条件下において, 相補的な核酸塩基間にpKaと疎水性の最適化が起こっていると考えられる. (iii) 接着力は, T-A表面間でもっとも強く, 特に中性のpH領域で接着力は極大となった. この事実は, 生理的pH条件下で, 相補的な核酸塩基対がもっとも効果的にその分子認識能を発現していることを示している.
著者
宮原 隆史
出版者
日本インターンシップ学会
雑誌
日本インターンシップ学会大会収録集
巻号頁・発行日
no.1, pp.35-46, 2001-04-27

論点: 欧米諸国のインターンシップ事例では、学生はインターンシップの派遣にあたり、企業にスムーズに入りこみ、職員と遜色なしに仕事をこなしているそうです。日本の場合、派遣する学校及び担当先生はインターンシップが終了して学生が帰って来るまで心配でたまらない。その違いは何か。調査目的: 学生が仕事という社会的行為を社会人と一緒にするにあたって、学生の未熟さの問題を「学生の社会人としての育成」、「仕事に対する姿勢の教育」等の各国の違いを調査測定方法: アンケートA4用紙1枚質問紙による自己報告法評定項目数は5点法中間に判定者を置くリカーと法フェイスは無記名質問数は13問検定方法はt検定調査項目: 「仕事につくにあたってのあなたの考え」「仕事と学校の関係」「職業についての考え」の調査標本数: 日本創価大2年次男18人、女32人21から22歳英国カレッジ6学年男1人、女12人17から18歳タイ国サマンサート大ユニバーシティ1〜4学年男12人、女31人18から22歳調査結果: 全般的に、日本の学生はタイ国の学生より英国の学生と似た傾向をもっている。ただ、日本の学生と英国の学生の際立った違いは、仕事をこなす自信が日本はないということです。その違いは日本の学生には夢がないということがいえます。また、成熟化社会のわが国、英国と、数十年前の活気にあふれたわが国のような経済発展の途上にあるタイ国とでは、まったく逆の結果が出ているという結果が出ております。経済の活気がうせるとともに、学生たちの職業社会理解が欠けてきたといえます。日本の学生は他の国の学生に比べて、インターンシップに対する対応の甘さがあります。これは、職業に対する甘さにもつながっています。
著者
小山 省三 羽二生 久夫 宮原 隆成 芝本 利重 重松 秀一
出版者
信州大学
雑誌
重点領域研究
巻号頁・発行日
1997

複合材料は人などの生活空間に用いる際には勿論のこと、腎不全、心不全、肝不全等の生体の機能不全を改善する目的で利用されるさいには、これらの複合材料による生体側の防御反応としての、免疫アレルギィー反応を含めた炎症反応の出現の有無が、それらの素材開発と応用に重要な要因となることは当然のことである。しかしながら、それらの複合材料を受け入れる生体側での反応性に関して古典的であるにもかかわらず炎症防御反応の根源的な検討が、同一施設において、比較検討された報告は少ない。本研究では、各種のピッチ状活性炭(FL-1)をマウスの皮下に埋没し、6ヵ月間にわたって免疫リンパ球の変動並びに病理組織学的な反応形態の変化を検討し、複合素材としての活性炭の生体防御系に対する妥当性についてアスベストと比較検討した。実験には4週齢系統std:ddYマウスを3群に分けた。実験に用いた活性炭はピッチ系活性炭繊維のうち直径が通常のものの約10分の一である極細系のFC-1を用いた。またアスベストを比較材料として用いた。本年度成績ではアウベストの生体適合性は極めて悪く、皮下に埋没後1ヵ月後にはすでにラングハンス細胞の出現や慢性炎症所見を示すとともに、免疫担当血液細胞のバランスもすでに1ヵ月後には変化していた。さらにこの慢性炎症所見は時間の経過とともに進行性であり、生態的合順応とは逸脱した生体反応を時間変遷とともに発現していることが推察される。すなわち、また、新規な炭素素材であるFC-1の生体適合性を検討したが、6ヵ月間の観察経過で組織炎症反応の発現は究めて軽度であり、進行性の慢性炎症所見はいずれの期間においても認め難いことが特徴的な所見であった。今後、予想することができる生産から廃棄までの生産者側の環境要因、また不確定多数の利用者側の状態要因に対応した生体適合性の検討が逐一なされるべきであることを本年度研究のまとめとして指摘しておきたい。
著者
宮川 明子 清木 康 宮原 隆行 北川 高嗣
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.41, no.1, pp.1-10, 2000-02-15
被引用文献数
2

画像データなどのメディアデータを対象としたデータベースシステムの実現において,検索者が求めるメディアデータを適切かつ高速に抽出することは重要である.本論文では,意味の数学モデルを拡張した意味的画像連想検索を対象とした高速化アルゴリズムの実現方式を提案する.意味の数学モデルは,文脈あるいは状況に応じて動的に変化するデータ間の意味的な関係を計算するモデルである.本論文で提案するアルゴリズムは,指定された時間内の限られた計算回数で有効な検索結果を得ることを目的としたものである.このアルゴリズムによる意味的画像検索の実験を行い,実験の結果よりその有効性を明らかにした.In the database system design for multimedia database, it is important to develop a correct and fast retrieval method for media data(e.g. image, music). This paper proposes a fast algorithm and its implementation method for semantic associative image search based on our mathematical model of meaning. This model has been designed for computing semantic relation between data items dynamically accoding to context and situation. The objective of this algorithm is to obtain the available and correct retrieval results within the given limited time in the semantic associative search. This paper also shows some experimental results of semantic image search to clarify the feasibility and effectiveness of the proposed algorithm."