著者
金 明蘭 樋口 孝之 宮崎 清
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.59-68, 2006-05-31

韓国では1990年から地域の象徴通りとして「文化通り」での整備が進んでいる。本研究では、「文化通り」の街路空間特性の考察、ならびに、完工済みである「文化通り」の現地調査と自治体管理者へのインタビュー調査から舗装面の物理的形態と通りの利用特性について解析を行い、「文化通り」のフットスケープデザインについて総合的な考察を行った。現状では、ローリング工法であるアスファルト舗装と経済的なセメントブロック舗装が大部分を占めており、歩車共存、施工の容易性、経済性が優先されている。美的配慮や地域特性の表現、環境親和へ配慮がなされたフットスケープデザインは少ない。一方で、「文化通り」は地域の要所に設定され人通りも多く、半数の箇所でイベントも開かれていることが確認された。「文化通り」のフットスケープデザインおいては地域のアイデンティティの表現が強く求められ、ブロック舗装をはじめとした多様なパターン展開を容易とする舗装を積極的に活用することが有効である。
著者
児玉 英一郎 佐藤 究 宮崎 正俊
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.5, pp.1276-1289, 2000-05-15

次世代の人とコンピュータの相互作用系を考えた場合,自然言語を中心とした知的なコンピュータ利用環境は必須なものである.本論文では,マルチメディアコンテンツ作成のためのレイアウトや関連性などを日本語で記述した文章を理解,実行する自然言語を用いた知的なマルチメディアコンテンツ作成環境の実現手法およびモデルを提案する.また,このモデルに基づいたプロトタイプシステムACORNS(Advanced Communication-Oriented Real Native System)の構築について報告する.このシステムでは,マルチメディアコンテンツ作成のためのレイアウトや関連性を日本語で記述した文章を自然言語処理により解析し,マルチメディア情報をオブジェクト指向に基づきモデル化したメディアオブジェクトの操作プログラムに変換して実行できる.また我々は,このシステムACORNSの評価を通して我々の提案する手法とモデルの有効性について検証を行った.Considering the next generation of human-computer interaction, it is necessary an intelligent environment oriented to the natural language. In this paper, we propose an approach and a model to construct an intelligent environment for making multimedia contents. In this environment, the text that describes a layout and relation of the multimedia contents in Japanese can be understood and executed directly.As an application of the proposed model, a system called ACORNS (Advanced Communication-Oriented Real Native System) is implemented. In this system, the text that describes a layout and relation of the multimedia contents in Japanese can be parsed.And it can be translated into an executable program of a media object, and executed.The performance study of ACORNS is performed. The results of the performance study show that the proposed approach and model are robust.