著者
宮崎 信次
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム (ISSN:13487116)
巻号頁・発行日
no.17, pp.227-234, 2004-08-25
被引用文献数
2 3

Several mouse emulator devices are commercially available for patients with high-level cervical cord injury (CCI), muscular dystrophy, and rheumatoid arthritis. These include head mounting pointers which linearly convert the 2-dimensional deviation of head motion to the 2-axis movements of the cursor. Limitations of inherent accuracy of the neck movement controllability restrict the use of these pointers to people with a good range of motion of the trunk and neck. Other mouse emulators utilize a miniature 2-dimensional position sensor which can be activated by mouth, then convert the information to the cursor movements. When the transformation is from 2-dimensional deviations to the position of the cursor, a problem similar to the head mounting pointers arises. When the 2-dimensional deviation is converted to the velocity of the cursor, the problem is solved. However, the currently available devices of this last type have other problems, e.g., overshoot and drift of the cursor during no input. The purpose of this study was to develop an inexpensive mouse emulator device utilizing a mini joystick and analog pressure sensor, and to test its clinical utility in shortterm experiments and middle-term field tests conducted by volunteer monitors. The study also aimed to combine this mouse emulator with commercially available automatic Japanese voice recognition software to enable those who cannot use their fingers for striking keyboards. The new mouse emulator, named "Joystick," converts the 2-dimensional angular deviation nonlinearly, i.e., stepwise parabolically, to the velocity of the cursor, and also provides a dead movement zone and automatic tracking of mechanically neutral position to prevent drift of the cursor during a resting state. A thorough investigation was made to find the automatic voice recognition software best suited for the present purpose. Japan IBM's Via Voice with ATOK15 was selected. Four CCI patients and four healthy subjects participated in the short-term evaluation of the device. The first task was to control the movement of the cursor around the monitor, and to drag and drop certain portions of the text. The second task was to activate Word, define text format, input predetermined text, revise it, and store it as a file with a name. The performance of each subject using the new device was compared with the performance of one C4 CCI subject using a conventional mouth stick and a track ball. The results were promising. Twelve volunteer monitors participated in the mid-term field evaluation of the device, and 6 out of 9 monitors wanted to buy the device after the 2- to 4-week monitor period, which proved that the device is useful for a large part of the subject population at which the present study was aimed.
著者
宮崎 樹夫 伊藤 武廣 岩永 恭雄 両角 達男 小口 祐一 茅野 公穂
出版者
信州大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

I 教師・子供用ホームページの作成教師用ホームページで,教師がディジタルコンテンツを,3次元動的幾何ソフトを利用したカリキュラムに基づく授業用として閲覧できるとともに,単元「空間図形」の授業に応じダウンロードできる。また,子供用ページでは,3次元動的幾何ソフトのファイルと,ソフトの利用の仕方が示された動画が教師用のページとは別の構成で位置づけられている。これは,子供が授業や家庭などで空間図形を自ら学習することを支援するとともに,学校の授業では扱いきれない発展的な内容にふれる機会を提供し,空間図形に関する興味・関心を一層高めるためでもある。なお,ディジタルコンテンツは次の4種類である:単元『空間図形』(全14時間)の展開(HTMLファイル),3次元動的幾何ソフトを利用する授業(計6時間)の指導展開(HTMLファイル),授業で利用される3次元動的幾何ソフトのファイル,3次元動的幾何ソフトの利用の仕方が示されたフラッシュムービーホームページのアドレス:www.schoolmath3d.org/index.htmII 小・中学校・高等学校における"授業レシピ"の作成3次元動的幾何ソフトは,空間図形が関わる学習内容に広く利用できるものである。そこで,小・中学校及び高等学校において,このソフトをいかすことができる学習内容を特定し,その内容に関して,授業をどのように展開すればよいのか,また,その授業のなかで3次元動的幾何ソフトをどのようにいかしていけばよいのかを"授業レシピ"のホームページとして提供している。このページでは,授業のアイデアや具体的な進め方とともに,教師が利用するとよい3次元動的幾何ソフトのファイルや,そのファイルの使い方を示した動画なども配置されている。
著者
宮崎 真悟 櫻井 幸一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.40, no.8, pp.3329-3336, 1999-08-15
被引用文献数
6

談合による落札価格操作を防止し かつ応札者のプライバシを保護する電子オークション方式を提案する. 本方式では落札額以外のすべての応札価格が一切露呈しない. また公開掲示板に記載された情報を用いて すべての応札者は落札者決定の正当性を検証することができる. 離散対数問題の困難性と一方向性ハッシュ関数の安全性および公開掲示版を仮定することで方式を構築することができる.We propose an electronic auction scheme satisfying that (i) a group of colluded bidders cannot control the contract price freely, and (ii) the privacy of each bidder can be protected. In our scheme, all prices of bidders except the winner are never revealed to anyone. Furthermore, all bidders can verify the validity of process for determining a winner via a public bulletin board. The assumptions required to our scheme are only that the discrete logarithm problem is hard and there exists a secure one-way hash function and a pullic bulletin board.
著者
宮崎 謙一
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

提示された音について音高名以外を答えることが求められる課題や, ピアノ音が聞こえてくる中で記憶する課題では, 絶対音感の保有者は, 求められている課題とは関連がない音高からの妨害を受けて, 非保有者にくらべて遂行成績の低下を示した. この結果から, 絶対音感保有者では音高と音高名が自動化のレベルに達していて, 音高の命名化が不可避的に起こることが示唆された. また指定された音高を歌う形の能動的絶対音感と, 事象関連電位を用いて音高と指の対応づけに関する脳過程を調べる実験を行った.
著者
肥後 芳樹 宮崎 宏海 楠本 真二 井上 克郎
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J93-D, no.9, pp.1727-1735, 2010-09-01

これまでに様々なコードクローン検出手法が提案されているが,ギャップ(不一致部分)を含むコードクローンを検出できる手法は少ない.本論文では,ギャップを含むコードクローンを検出できないコードクローン検出手法の出力結果に対して後処理を行うことで,ギャップを含むコードクローン情報を生成する手法を提案する.提案手法は,グラフマイニングアルゴリズムの一つであるAGMアルゴリズムを用いており,効率的にギャップを含むコードクローン情報を生成することができる.提案手法を検出ツールCCFinderのポストプロセッサとして実装し,複数のオープンソースソフトウェアに対して適用したところ,多数の興味深いコードクローン情報を得ることができた.しかし,提示する必要がないと思われるコードクローンも生成してしまうことがあった.本論文では,この実験の結果について述べ,また,上記の問題に対する解決策についても考察する.
著者
山本 裕二 工藤 和俊 山田 憲政 北原 俊一 平田 智秋 宮崎 真 平川 武仁 木島 章文 奥村 基生 郷原 一寿 門田 浩二 山際 伸一
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究では,様々なスポーツ技能の生成機序を力学系の観点から統合的に理解することを目的とした.その結果,ブランコ漕ぎの協応パタンは振り子の等時性にほぼかなっていること,音に合わせたダンスでは,運動周波数が高い場合でも熟練者は逆相同期を維持できること,卓球では技能水準を切替ダイナミクスのフラクタル次元で評価できること,剣道では二者間距離によって詰め引き速度の相対位相が切り替わること,タグ鬼ごっこでは,学習に伴い両者の詰め引き速度の相対位相が逆相同期になること,サッカーの3対1ボール保持課題における三者の連携パタンは,技能レベルによって環状連結振動子における対称性のホップ分岐理論で予測されるパタンを示すこと,サッカーゲームのパス行動にはベキ則が見られることなどを明らかにした.
著者
勝目 康裕 吉塚 光明 今山 裕康 宮崎 道雄 藤本 淳
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.5, no.4, pp.441-448, 1983-12-01
被引用文献数
4

今回われわれは鈍的打撃後のサル水晶体の後嚢下水晶体線維に生じた限局性混濁が, ヒトの打撲白内障水晶体にみられる混濁のパターンに一致することを臨床的に確認し, 電子顕微鏡により混濁部の観察を行った. 観察の結果, 混濁部に一致する後嚢下水晶体線維の細胞間隙が開大し, いわゆる, "hydropic cell"へと変性していく水晶体線維が認められる一方, 細胞内に糸粒体を始めとする細胞小器官を増加させた水晶体線維もみられた. 以上の結果から, 打撃による鈍的外傷の結果, 水晶体後嚢下の水晶体線維に水分の貯溜が惹起され, 初期の間は水晶体線維が防御的に水分の細胞外移動を行うものの, いずれは "hydropic cell"へと変性していくものと考えられ, 各種自白障同様, 打撲白内障においても,"hydropic cell"の出現が発症に重要な役割を果たすことを確認した.(1983年8月12日 受付)
著者
田中 崇之 菅本 裕介 宮崎 郁美 伊藤 裕太 浜口 昌巳 野田 泰一 小林 達明
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 = / the Japanese Society of Revegetation Technology (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.193-198, 2004-08-31
被引用文献数
1 1

東京湾の人工渚におけるアサリの個体群動態と生残規定要因について2002年から2003年にかけ調査した。春に産卵された浮遊幼生は秋には生殖が可能になり,翌年の春には産卵を行っていると見られた。葛西海浜公園では2002年, 2003年ともに着底後のアサリの個体数減少が見られ,大雨時の河川水の流入に伴う塩分濃度の低下が主な生残規定要因として考えられた。また,幕張の浜では浮遊幼生は供給されているにもかかわらず,稚貝が見られなかったことから,波浪の影響, 青潮の影響が考えられた。これに対し,金沢海の公園,小櫃川河口干潟はアサリの個体数は安定していた。これらのことから,東京湾におけるアサリの生息条件は多様であり,生息地を再生するためには,その場に応じた対処が必要と考えられた。
著者
伊藤 武廣 宮崎 樹夫
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究の成果は,直観幾何の学習と論証幾何の学習の間にある不整合の特定と,直観幾何の学習と論証幾何の学習を接続するためのカリキュラムの開発である。前者については,命題の全称性の認識における不整合と,中学校数学の論証幾何カリキュラムにおける「証明」の定義における不整合を特定した。後者については,内容知での接続のために,中学第1学年図形領域「空間図形」カリキュラムを開発するとともに,方法知「証明・説明」での接続のために,証明の学習の諸相を整理するための枠組みを開発した。
著者
宮崎 大輔 Ammar Mahdi 川上 玲 池内 克史
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.199, pp.25-32, 2008-08-29

近年,バーチャルアースやグーグルアース,マップキューブなど,屋外環境をモデル化して仮想都市を作ったり,そこに他の仮想物体を合成するサービスが盛んに展開されている.本稿では,屋外環境の解析の第一歩として,屋外環境の情報の半分を占める天空光の偏光解析の結果について報告する.太陽光は非偏光であるが,大気中のエアロゾルに太陽光が反射することにより,空が偏光する.本稿では,直線偏光板と魚眼レンズを搭載したカメラで天空を観測し,晴天時および曇天時において太陽の方向を検出した実験結果を示し,その考察を行う.
著者
木村 伸吾 北川 貴士 銭本 慧 板倉 光 宮崎 幸恵
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

ニホンウナギの回遊生態と生息環境の解明を目的として、産卵域が位置する北赤道海流域および代表的な生息水域である利根川水系での調査を中心に研究を実施したものである。その結果、レプトセファルス幼生は表層で懸濁態有機物を摂餌し、同じ形態を有していても種によって摂餌する水深が異なっていること、幼生の輸送過程は大西洋と大きく異なること、成魚は餌生物が多様な自然堤防域を好んで生息することなどを明らかにした。
著者
福田 智子 矢野 環 田坂 憲二 岩坪 健 黒木 香 竹田 正幸 深川 大路 波多野 賢治 南里 一郎 宮崎 裕子 坂田 桂一 藤井 翔太
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

古今和歌六帖』と『源氏物語』を研究対象として校本システムを開発し、平安朝文学の伝本と表現に関する考察をおこなった。和歌用デジタル校本システムについては、伝本の墨付きの現状を、より論理的に表記するタグ付け規則を案出した。また、散文用校本作成支援ツールは、『源氏物語』の伝本4本のデータ処理をほぼ完了し、計算機を用いた異文箇所の数値化、およびSplits Treeによる本文系統の視覚化といった、本文異同を把握する一連の手法を確立した。
著者
下田 正弘 小野 基 落合 俊典 蓑輪 顕量 永崎 研宣 宮崎 泉 鶴岡 賀雄 中村 雄祐 MULLER Albert 苫米地 等流 三宅 真紀 田畑 智司
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

研究成果の概要(和文):知識の蓄積・発信の手段が紙からデジタル媒体へと大規模に移行し、ウェブをとおして知識が世界規模で連結されつつある現在、研究資源と研究成果の双方を適切に継承する知識の枠組みを構築することは、人文社会学における喫緊の課題となっている。本研究は、国内の学会や機関、およびドイツ、アメリカ等で進める関連諸事業と連携して、仏教研究の知識基盤をSATデータベースとして構築し、次世代人文学の研究モデルとして提供するものである。http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT/参照。