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著者
宮川 繁
出版者
The Linguistic Society of Japan
雑誌
言語研究 (ISSN:00243914)
巻号頁・発行日
vol.152, pp.1-29, 2017 (Released:2017-12-29)
参考文献数
66

Chomsky(1977)は,CPの上にトピックのための特別なポジションがあると議論したが,本論文ではこの考え方をいくつかの観点から考察する。まず第1に,英語,日本語,スペイン語の3言語において,いわゆるAboutness topicがこのポジションに入ることを示す。第2に,このトピック・ポジションは主節では自由に現れるが,従属節ではHooper and Thompson(1973)によって特定されたある種の述語としか共起しないことを示す。Villalta(2008)のスペイン語の仮定法の分析に基づき,トピック・ポジションの従属節における制限を,従属節とそれを選択する述語の意味的特性から説明する。最後に,いわゆるContrastive topicとFamiliar topicの分布が言語によって異なることを示し,この言語間のバリエーションがStrong Uniformity(Miyagawa 2010, 2017)から予測できることを指摘する。
著者
宮川 繁
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.181-185, 2006
被引用文献数
5

E-learningは1990年代後半のドットコムの「興奮」から現在の「失望感」に取って代わった.その教訓はなんであろうか.簡単にいってしまえば,ドットコムの経験は2度と繰り返してはいけないことであろう.しかし,それとは別に,e-learningでなかなか成功できない理由には,いくつか基本的な問題があるのではなかろうか.このような問題はドットコムのような一時的な問題を超えた,e-learningに見られる特有な問題である.まずは,e-learningはソフトウェアであることである.ソフトウェアの開発は,ソフト誤動作や予算超過などの原因により,失敗の可能性が高い.次に,開発チームに必要な人材は,摩擦がおこり安いメンバーで構成される.ソフトウェアの専門家と美的価値にこだわるアーティストタイプ,両方必要であるが,この2つのタイプの人間は,コミュニケーションの上で困難することが多く,仕事が進まなくなる例をよく見る.最後に,e-learningのプログラムは普及させなければ意味がないが,普及に必要な予算などはe-learningの企画には普通つかず,いいものを作っても使われず消えていくことが多い.
著者
福嶌 五月 宮川 繁 澤 芳樹
出版者
一般社団法人 日本臓器保存生物医学会
雑誌
Organ Biology (ISSN:13405152)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.180-185, 2016 (Released:2016-08-31)
参考文献数
13

Regenerative therapy by cell transplantation is the promising treatment for advanced cardiac failure. Therapeutic mechanisms underlying this treatment has been shown to be the paracrine effects, in which the transplanted cells induced a sustained upregulation of a variety of cytokines, predominantly proangiogenic cytokines, in the damaged cardiac tissue to enhance the native regenerative capacity and thus to yield the therapeutic effects. Considering the limitation in cell transplantation therapy, a “shelf-stored” drug, in any, which induce up-regulation of proangiogenic cytokines in the cardiac tissue, would be an ideal solution for widespread application of cardiac regeneration therapy. ONO-1301, which is a synthetic prostacyclin agonist with thromboxane A2 synthase inhibitory activity, has been shown to act as a multiple-cytokine inducer by ligating IP receptor expressed in the endothelial cells, vascular smooth muscle cells or fibroblasts. In addition, ONO-1301 is chemically stable compared to commercialized prostagrandin agonists, such as illoprost or beraprost, and therefore be promised as the drug for chronic pathologies. We developed polymerized form of ONO-1301, YS-1402, as a slow-releasing drug for treating advanced cardiac failure, In this review, we document pharmacological activity of ONO-1301/YS-1402, results of preclinical studies and protocol of following first-in-human investigator initiated clinical study.
著者
宮川 繁
出版者
神田外語大学
雑誌
Scientific approaches to language (ISSN:13473026)
巻号頁・発行日
no.2, pp.241-242, 2003-03-25

Weak islands are called "weak" because they don't block extraction of arguments but they do block extraction of adjuncts. (1) a. What do you wonder [whether to fix t]? b. Why do you wonder [what to fix t]? Does this mean that argument extraction is not affected at all? It is well-known that a weak island bars an interpretation otherwise available with argument extraction, that of pair-list (Longobardi 1985, Cresti 1995). (2) What do you wonder [whether everyone will buy t]? This example only has a single-pair interpretation ("I'm wondering whether everyone will buy a new coat"), Using Relativized Minimality (Rizzi 1990) as a guiding principle, and extending Aoun and Li's (1989) general approach, I will argue that the effects we can observe with weak islands are part of a general property of quantification, (3) All quantification is local, If Quantifier X c-commands Quantifier Y, Y cannot take "inverse" scope over X. A weak island is a form of quantification, because it is headed by such an element as a wh operator. It thus prohibits any scope-bearing item, either an argument or an adjunct, from taking proper scope above it. I will show that the reason why argument extraction appears to be possible is due to a covert resumptive pronoun strategy (cf. Cinque 1990, Postal 1998, Stroik 1992). I will formally characterize the locality of quantification using Beck's (1996) Quantifier-Induced Barrier (QUIB), making a subtle but crucial revision in her definition to incorporate a much wider range of data. Weak islands, as we will see, are simply a subset of QUIBs. This also explains a mystery noted by Hoji (1986) that in Japanese, an example such as the following lacks a pair-list interpretation. (4) Nani-o daremo-ga t katta no? what-ACC everyone-NOM bought Q 'What did everyone buy?' Independently, we can see that the universal quantifier in Japanese is a QUIB (cf. Hoji 1985). The lack of pair-list in this example is exactly the same as the lack of this interpretation in the English weak-island example in (2). Time permitting. I will also explore the issues that naturally arise with inverse scope in English, as in the example, "Someone loves everyone.
著者
宮川 繁 ミヤガワ シゲル Shigeru Miyagawa
雑誌
メディア教育研究
巻号頁・発行日
no.12, pp.1-8, 2004

高速通信をベースにした双方向メディアが普及するにしたがって、「パーソナル・メディア」の出現という現象が起こっている。「パーソナル・メディア」は、「マスメディア」とは対照的に、ユーザーが双方向な場に、まさに双方向参加することで形成されるものであり、メディアの生産者と消費者の間に引かれた境界線が曖昧になってゆくような視点をもたらしてくれる。本論では、私がMITで製作した「スターフェスティバル」(starfestival.com)というプログラムを通じて、「パーソナル・メディア」のいくつかの特徴を解説する。「スターフェスティバル」では、プログラム内に準備されたモデルをベースにして、ユーザーは自分自身の視点を見つけ、自分だけのストーリーを作り出してゆくことができる。また、それをするために、様々な他のメディアの流用をすることもできる。このような自分のストーリー作りや、流用といった視点は、「パーソナル・メディア」が持つ重要な特徴である。
著者
宮川 繁
出版者
放送大学
雑誌
メディア教育研究 (ISSN:13441264)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.1-8, 2004

高速通信をベースにした双方向メディアが普及するにしたがって、「パーソナル・メディア」の出現という現象が起こっている。「パーソナル・メディア」は、「マスメディア」とは対照的に、ユーザーが双方向な場に、まさに双方向参加することで形成されるものであり、メディアの生産者と消費者の間に引かれた境界線が曖昧になってゆくような視点をもたらしてくれる。本論では、私がMITで製作した「スターフェスティバル」(starfestival.com)というプログラムを通じて、「パーソナル・メディア」のいくつかの特徴を解説する。「スターフェスティバル」では、プログラム内に準備されたモデルをベースにして、ユーザーは自分自身の視点を見つけ、自分だけのストーリーを作り出してゆくことができる。また、それをするために、様々な他のメディアの流用をすることもできる。このような自分のストーリー作りや、流用といった視点は、「パーソナル・メディア」が持つ重要な特徴である。
著者
宮川 繁:著 高木 和子:訳
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.46, no.12, pp.797-803, 2004
被引用文献数
1 1

マサチューセッツ工科大学は2001年にそのすべての授業資料をWeb上のオープンコースウエアに無料で公開すると発表し,2003年にはそこで提供されるコース数が500を超えるまでになった。MITがオンライン教育をどのように作り出し,提供できるか,財政面での実行可能性,持続可能性,プログラムの目標をもとに検討し,次にe-ラーニングの展望,市場調査とビジネスモデルの作成,などを研究するなど,オープンコースウエア(OCW)の実現までの過程を述べた。そしてOCWの資金調達,それへの教員の参加,オンライン授業教材の知的所有権の問題,OCWの利用者,OCWのコースについて紹介する。
著者
宮川 繁:著 高木 和子:訳
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
情報管理 (ISSN:00217298)
巻号頁・発行日
vol.46, no.12, pp.797-803, 2004 (Released:2004-03-01)
被引用文献数
1 1

マサチューセッツ工科大学は2001年にそのすべての授業資料をWeb上のオープンコースウエアに無料で公開すると発表し,2003年にはそこで提供されるコース数が500を超えるまでになった。MITがオンライン教育をどのように作り出し,提供できるか,財政面での実行可能性,持続可能性,プログラムの目標をもとに検討し,次にe-ラーニングの展望,市場調査とビジネスモデルの作成,などを研究するなど,オープンコースウエア(OCW)の実現までの過程を述べた。そしてOCWの資金調達,それへの教員の参加,オンライン授業教材の知的所有権の問題,OCWの利用者,OCWのコースについて紹介する。