著者
富山 栄子
出版者
ロシア・東欧学会
雑誌
ロシア・東欧研究 (ISSN:13486497)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.30, pp.96-111, 2001 (Released:2010-05-31)
参考文献数
59

With the transition to a market economy, Russia became a significant market for Japanese manufacturers in the 1990s. In the same period, Japanese companies began to enter the Russian market themselves. There is, however, little existing research into entry strategies used by those companies for their entry procedure. In this paper I have selected Canon as a case study and investigated the unique features of the marketing environment in Russia as well as the impact these features have had on entry strategies used in the region. The purpose of the paper is to assess whether entry strategies, theory and practice developed in Western free-market economies is being used to help guide the Russian market, to analyze how Japanese companies have responded to those markets and the kind of entry strategies they have adopted thus far.In 1997 Canon set up the Moscow office of its Finnish corporation ‘CANON NORTH-EAST OY’ and began exporting directly to Russia. Canon's entry mode to establish its subsidiary outside Russia cannot be explained under existing theories. Why, when it began to export directly, without using Japanese trading companies, did it establish its subsidiary in Finland and not in Russia? Takeda's Entry Model argues that a company begins by exporting, then establishes a sales subsidiary in the actual market, ultimately establishing its own production subsidiary. However, Canon chose to establish its sales subsidiary in Finland primarily because it was too great a risk for them to use the target country. The company claimed that they could not predict how corporate tax would change because the legal system in Russia was so unstable. Subsidiaries have to abide by local law. It was therefore, risky for Canon to undertake operations in Russia. In addition, the key merit of establishing subsidiaries is that a company will be able to realize the “completion of sales”. However, in Russia, if a Canon subsidiary based in Moscow imported directly to Russia and did not use local distributors, it would not be able to compete with those Canon products imported by independent local distributors. Consequently Canon chose Finland. The established market entry modes are applicable in Russia, but must be modified in relation to the specific features of the Russian market. If the foreign market is not ruled by law, as in Russia, a company may decide to establish a sales subsidiary offshore.
著者
若井 絹夫 富山 栄子
雑誌
事業創造大学院大学紀要 (ISSN:24369977)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.61-75, 2022-04

地域通貨の発行に関わる中心主体は、かつてのNPOや商店街などの市民団体から企業や地方自治体へと移っている。本稿においては、「あがのポイント」と「だっちゃコイン」の事例をもとに、地方自治体が関与する地域通貨の目的と運営からその特徴を明らかにし、地域通貨の仕組の変化を考察した。その結果、地方自治体が関与することで発行目的は地域の課題を取り込み複合化し、発行形態も発行目的の変化に対応するために併用化し、発行媒体は複雑化する運営を支えるためにアプリ型へ移行していること、および、電子地域通貨を導入することで地域通貨はモジュール化し、レイヤー構造へと変化し、プラットフォーム化が進んでいる可能性を確認した。
著者
若井 絹夫 富山 栄子
雑誌
事業創造大学院大学紀要 (ISSN:21854769)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.99-114, 2021-04

国内の地域通貨は、町井・矢作[2018]によれば、地域商店街の活性化の方策として各地で取り組まれるようになった経済的効果を目的とするものとコミュニティの再生や人のつながりを目的に市民団体が主体となって取り組んだものの2つの流れがある。2005年から新たな発行主体による電子地域通貨の発行が増えている。本稿では飛騨信用組合の導入した「さるぼぼコイン」と気仙沼地域戦略の「気仙沼クルーカード」の事例から地域の課題と密接に関連する事業主体が導入した電子地域通貨の目的と運営及び機能の変化を明らかにし、2 つの地域社会の資金流通と電子地域通貨の役割について考察した。その結果、金融機関と地方自治体が発行主体となることで、地域の課題解決が地域通貨の目的となり独自の工夫や顧客情報の活用を行っていることを確認できた。さらに地域の資金流通の構造と電子地域通貨の運営に整合性があること、利用者数と利用額の推移から電子地域通貨の効果について確認した。
著者
若井 絹夫 富山 栄子
出版者
事業創造大学院大学事業創造研究科事業創造専攻
雑誌
事業創造大学院大学紀要 (ISSN:21854769)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.99-114, 2021-04

国内の地域通貨は、町井・矢作[2018]によれば、地域商店街の活性化の方策として各地で取り組まれるようになった経済的効果を目的とするものとコミュニティの再生や人のつながりを目的に市民団体が主体となって取り組んだものの2つの流れがある。2005年から新たな発行主体による電子地域通貨の発行が増えている。本稿では飛騨信用組合の導入した「さるぼぼコイン」と気仙沼地域戦略の「気仙沼クルーカード」の事例から地域の課題と密接に関連する事業主体が導入した電子地域通貨の目的と運営及び機能の変化を明らかにし、2 つの地域社会の資金流通と電子地域通貨の役割について考察した。その結果、金融機関と地方自治体が発行主体となることで、地域の課題解決が地域通貨の目的となり独自の工夫や顧客情報の活用を行っていることを確認できた。さらに地域の資金流通の構造と電子地域通貨の運営に整合性があること、利用者数と利用額の推移から電子地域通貨の効果について確認した。
著者
チャン ティ ミン ハオ 富山 栄子
出版者
事業創造大学院大学
雑誌
事業創造大学院大学紀要 (ISSN:21854769)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.203-219, 2018-04

日本の外食企業は海外へ進出しており、ベトナムのような新興国に参入しているのも日系外食企業のグローバル市場戦略の特徴の一つである。発展途上国のベトナムは人口が増加しており、外食市場が大きく、将来性もあると言われている。特に、2015年1 月から外国投資者に対する規制が緩和され、外資100%による外食店経営企業の設立が可能となった。複数店舗を持つチェーン店を開店できるようになり、飲食サービスにおいて日系企業に注目されており、日系外食大手チェーンは次々にベトナムへ参入している。本稿では主要な日系外食企業のベトナム市場参入の動向を概観し、事例として株式会社トリドールの丸亀製麺を取り上げ、その参入様式とマーケティング戦略について明らかにする。そのために、国際フランチャイジングとマーケティング戦略の標準化・現地適応化の理論レビューを行い、参入の際の参入様式やマーケティング戦略の成功の要素を明確にする。
著者
西野 廣貴 富山 栄子
出版者
事業創造大学院大学
雑誌
事業創造大学院大学紀要 (ISSN:21854769)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.143-160, 2019-04

日本の水辺の新しい活用の可能性を創造していくためにミズベリングプロジェ クトが注目されている。市民や企業、そして行政が三位一体となって、水辺とま ちが一体となった美しい景観と、新しい賑わいを生み出すムーブメントが、 2014年のミズベリング東京会議を皮切りに、全国各地で次々と起きている。 新潟市の中心市街地を流れる信濃川の緩傾斜堤防である「やすらぎ堤」では、 行政主導のイベント等による水辺空間の利用から、2016年の都市・地域再生等 利用区域の指定により、企業活動の可能性が大きく拡がったことから、民間事業 者の活動促進による水辺空間の賑わい創出が進められている。本稿では「ミズベ リング信濃川やすらぎ堤」に着目し、企業活動を行う上での条件となる都市・地 域再生等利用区域指定までの道のりや、2016年度から2018年度までの実施状況 を調査し、さらなる魅力的な水辺空間を創造するための方策を検討した。
著者
プラウィタ ナディア ディアー 富山 栄子
雑誌
事業創造大学院大学紀要 (ISSN:21854769)
巻号頁・発行日
vol.12, no.1, pp.63-81, 2021-04

本稿はインドネシアのデカコーンで、ライドシェアリング会社であるゴジェック社の成長戦略とビジネスモデルについてリープフロッグ、プラットフォーム、M&Aの研究フレームワークで分析した。その結果、第1 にゴジェック社はリープフロッグ戦略を利用し、ライドシェアリングと電子決済サービスを拡大したことが明らかになった。ゴジェック社のサービスはインドネシアにおける交通機関と金融サービスにリープフロッグ現象を発生させた。第2 にバイクタクシーを利用するライドシェアリングサービスを最初に提供したことで先発優位が見られ、初期段階でエコシステムを成長させたため、プラットフォームの利用者サイドと補完プレイヤーサイドを増加させることができた。次の段階でロイヤリティーを高めるため自社の付加価値としてサービスの拡大に注力した。第3 に新技術の獲得とエンジニア等の人材を強化し、自社を成長させるために、M&Aを戦略的に実施したことが明らかになった。
著者
小山 洋司 富山 栄子
出版者
事業創造大学院大学
雑誌
事業創造大学院大学紀要 (ISSN:21854769)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.1-17, 2019-04

EUの新規加盟国の中でも周縁部のバルト三国とバルカンの加盟国からEU先進 国への人口流出が激しく、それに伴い、国内では過疎化も進行している。本論文 はルーマニアの事例を取り上げ、第二次大戦後の人口動態を概観したうえで、こ の国が開放経済の下で短期間に市場経済移行を実施することは非常に大きな困難 を伴ったと論じた。産業構造は大きく変化したが、国内で十分な雇用を生み出す ことができず、労働者の外国移住を招いた。外国で働く移住者の送金は、経常収 支赤字の縮小や残された家族の消費生活の向上という形でルーマニア経済の発展 に寄与したが、国内の投資拡大には繋がっていない。外国移住は国内の失業率低 下に寄与したものの、頭脳流出という負の側面も見逃せない。農村の過疎化も著 しく進んだが、この点での政府の対策はまったく不十分であったことを論じた。
著者
富山 栄子
出版者
新潟大学大学院現代社会文化研究
雑誌
現代社会文化研究 (ISSN:13458485)
巻号頁・発行日
no.21, pp.249-265, 2001-08

Foreign market entry analyses are important research fields not only in international management, but also in international marketing. There are two categories of foreign market entry analyses. One is used to explain entry modes. It includes (1) a 'modes of foreign market entry' model (MFME model) and (2) a 'process of internationalization' model (POI model). The other is used to explain the relationship between entry modes and marketing activities. This is the foreign market entry model created by Professor S. Takeda. In this paper I will examine each model and indicate my framework for analyzing foreign market entry. My conclusion is that an analysis from both the view point of the marketing dimension and the non-marketing dimension will be needed to analyze foreign market entry.
著者
富山 栄子 塩地 洋
出版者
事業創造大学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

新興国自動車メーカーである、現代自動車のグローバルマーケティングについて、インド、ロシア、中国市場への市場参入方法とマーケティング戦略の比較、および先進国企業との戦略比較を中心に研究を行った。現代自動車のグローバル・マーケティングの「配置」と「調整」では、自社工場の設置は人口が多く将来的に需要が見込める国BRICsを中心に中小型車を投入し、市場の大きさや潜在力に応じて直接進出方式とライセンス方式を使い分けている。4P戦略は、全世界で同一のスローガンによるグローバルな統合の下、プラッットフォームは共有し標準化しながら、地域のニーズや状況にあわせてデザイン等は現地適合化を行い、拠点間でのノウハウの移転・共有を行っていることを明らかにした。また、先進国自動車メーカー(トヨタ)との違いは前者がグローバルモデルの「本国モデル」あるいは「先進国モデル」を基盤とした新興国への転用を原則とし、機能的価値や品質、耐久性など「見えない」点に力を注いでいるのに対し、現代自動車は、国単位でBRICS市場を分割し特定国向けの専用車種を開発投入し、「新興国モデル」を基盤として他の新興国へ横展開し、デザインなどの「見える化」に力を注ぎ、市場環境に応じてフレキシブルな対応を行っていることを明らかにした。