著者
小山 謙二 河野 泰人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.35, no.11, pp.2338-2346, 1994-11-15
被引用文献数
8

知性と感性がオーバラップした感性情報の評価モデルとして、精緻な論理性を有する詰将棋問題をとり上げる。日本将棋連盟主催の問題創作コンテストの作品(70問題)に対し、問題の好感度に及ぼす予想要因(詰め手順や図式の特徴)を計測し、得点(好感度の集計値)との相関を分析した。さらに、従来作品(12000問題)との差も定量的に解析した。その結果、問題の新鮮さや問題を解く難しさが好感を持たれ、特に詰め上がり図における玉の開放度の大きさ(解放感)が最も好感度に影響していることが分かった。
著者
小山 謙二
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.7, pp.1923-1936, 2000-07-15
参考文献数
15
被引用文献数
1

盤面の駒が玉1枚の裸玉詰将棋問題は,簡素な配置ゆえそれ自身高度な芸術性を持つ論理ゲームである.裸玉問題を解いたり,創作(発見)するのは人間にもコンピュータにも難しい.すべての裸玉問題を体系的に解明することが課題となっている.まずすでに発表されている裸玉問題を検討した.次に,詰む最小持駒集合の定義と性質を述べ,体系的に新作問題の候補を見つけ出す方法を明らかにした.最後に,詰将棋プログラムとコンピュータを援用して,玉の位置が1八の問題を網羅的に探索した.その結果,完備な詰む最小持駒集合を得るとともに,5つの準完全作と1つの完全作を発見した.A "Shogi" mating problem of nakedking, where only a king is on a board, is highly artistic andlogical puzzle. Both solving andmaking (discovering) such problems are difficult for human beings andcomputers. Systematic evaluations of all nakedking mating problems have not been fully done, and it is an attractive research subject for computer science. At first, previously published naked king mating problems are discussed. We formulated and discussed matable minimum "motikoma"s (droppable pieces in mater's hand) and their complete set. For a case study in which the naked king's position is 18, we searched a matable complete set by a computer-aided method, and discovered six perfect (i.e., unique mating sequences) problems.
著者
中村 亨 小山 謙二 西尾 修一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.73, pp.25-32, 1996-07-26
被引用文献数
2

円滑なコミュニケーションにとって重要な役割を果たすと考えられる「笑い」に注目し,様々な面からの分析を行っている.今回,大衆的,情緒的なメディアの代表例である歌謡曲を取り上げ,歌詞に含まれる笑いの記述(笑い表現)の調査,分析を行った.対象とした人気歌謡曲1423曲を,演歌系とPOPS系(演歌系以外)の歌謡曲に分類し,笑い表現の出現傾向の比較を行った.対象曲の歌詞から抜き出した各笑い表現を,快,不快,社交の3つの基本的な笑いの要素から構成されるものと考え,その割合をみた.さらに笑い手や語り手など人間関係,笑い手の気持ち,時制などを調べた.また,笑いと対照的な感情表現として泣きの記述についても出現傾向を調べた.This paper reports an analysis of laughs expressed in lyrics of Japanese popular songs. Expressions describing laugh were extracted from lyrics of 1423 songs. Each song was classified as either "Enka" (a popular song with a traditional Japanese melody) or not. Differences in these two categories were investigated in various aspects. Each laugh expression was evaluated by the ratio of three fundamental components: laugh of pleasantness, unpleasantness and sociability. Furthermore, other attributes of laugh expressions, such as the human relations, the feeling of the person laughing, and the tense were also examined.
著者
小山謙二 河野 泰人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会 AI 研究会 (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
pp.29-42, 1993
被引用文献数
2

詰将棋は思考パズルとしての精巧な論理性と音楽,美術のような感動を与える芸術性を持つ.我々は,詰将棋の傑作とは何かについて解明するために,単なる定性的な評価だけでなく,詰将棋のデータベース(約12000問題)を構築し,従来の作品に関する客観的データの収集,分析,考察を行なってきた.今回,主観と客観を結びつける実験として「将棋世界」誌で行なわれた7手詰・5手詰コンテストを研究題材として選んだ.まず,このコンテストの評価に影響を与えたと思われる項目について定量的に計測し,得点(感性の総合評価)との相関係数や従来作品との差を分析した.たとえば詰め上がり図の閉塞度の小さな問題が高得点に最も貢献していることが明らかになった.さらに詰将棋のルールと感性についても定量的に考察した.
著者
小山 謙二 中村 亨 西尾 修一
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.39, no.7, 1998-07-15
著者
小山 謙二
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.7, pp.1923-1936, 2000-07-15

盤面の駒が玉1枚の裸玉詰将棋問題は,簡素な配置ゆえそれ自身高度な芸術性を持つ論理ゲームである.裸玉問題を解いたり,創作(発見)するのは人間にもコンピュータにも難しい.すべての裸玉問題を体系的に解明することが課題となっている.まずすでに発表されている裸玉問題を検討した.次に,詰む最小持駒集合の定義と性質を述べ,体系的に新作問題の候補を見つけ出す方法を明らかにした.最後に,詰将棋プログラムとコンピュータを援用して,玉の位置が1八の問題を網羅的に探索した.その結果,完備な詰む最小持駒集合を得るとともに,5つの準完全作と1つの完全作を発見した.
著者
小山 謙二 河野 泰人
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.54(1993-ICS-088), pp.29-42, 1993-06-23

詰将棋は思考パズルとしての精巧な論理性と音楽、美術のような感動を与える芸術性を持つ。我々は、詰将棋の傑作とは何かについて解明するために、単なる定性的な評価だけでなく、詰将棋のデータベース (約12000問題) を構築し、従来の作品に関する客観的データの収集、分析、考察を行なってきた。今回、主観と客観を結びつける実験として「将棋世界」誌で行なわれた7手詰・5手詰コンテストを研究題材として選んだ。まず、このコンテストの評価に影響を与えたと思われる項目について定量的に計測し、得点 (感性の総合評価) との相関係数や従来作品との差を分析した。たとえば詰め上がり図の閉塞度の小さな問題が高得点に最も貢献していることが明らかになった。さらに詰将棋のルールと感性についても定量的に考察した。
著者
小山 謙二 河野 泰人
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告知能と複雑系(ICS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1993, no.54, pp.43-55, 1993-06-23
被引用文献数
4

詰将棋データベースの統計解析結果について述べる。我々は実戦型問題を中心に12697問からなる詰将棋データベースを作った。データベースに格納された問題を、駒の個数、玉の位置、玉の回りの閉塞度 (静的側面)、着手の頻度、捨て駒と取り駒、着手選択率、評価関数の評価と先読みの有効性 (動的側面) の観点から分析する。これらの解析結果は詰将棋の感性評価に役立ち、またコンピュータプログラムが詰め将棋をより効率的に解くためにも有用である。This paper describes the results of analyzing the database of Tsume-shogi (mating problems of Japanese chess), which consists of 12697 Tsume-shogi problems with solutions. We analyze the problems from the viewpoint of static aspects (e.g. the number of pieces on the board, the position of Gyoku (King), and the closedness around Gyoku), and of dynamic aspects (e.g. the frequency of moves, sute-goma (sacrificed pieces for mating), the choice of moves, evaluations of scoring functions). These results are useful for evaluating of quantity of impression, and effective methods for solving Tsume-shogi problems are obtained.
著者
小山 謙二 宮地 充子 内山 成憲
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J82-A, no.8, pp.1212-1222, 1999-08

楕円暗号の数理について,その主要なトピックスについて解説する.
著者
西尾 修一 小山 謙二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. A, 基礎・境界 (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.80, no.8, pp.1316-1318, 1997-08-25
被引用文献数
31

笑いの表情の動画像を顔の3次元モデルを用いて合成して被験者に呈示し, 笑いの種別を分類させる実験を行った. この結果, 目と口の動きの開始時点の違いから笑いの種類を分類する規準を見出すことができた.