著者
木村 妙子 木村 昭一 自見 直人 倉持 利明 藤田 敏彦 駒井 智幸 吉田 隆太 田中 隼人 岡西 政典 小川 晟人 小林 格 小玉 将史 齋藤 礼弥 清野 裕暉 片平 浩孝 中野 裕昭 吉川 晟弘 上野 大輔 田中 正敦 大矢 佑基 前川 陽一 中村 亨 奥村 順哉 田中 香月 Kimura Taeko Kimura Shoichi Jimi Naoto Kuramochi Toshiaki Fujita Toshihiko Komai Tomoyuki Yoshida Ryuta Tanaka Hayato Okanishi Masanori Ogawa Akito Kobayashi Itaru Kodama Masafumi Saito Masaya Kiyono Yuki Katahira Hirotaka Nakano Hiroaki Yoshikawa Akihiro Uyeno Daisuke Tanaka Masaatsu Oya Yuki Maekawa Yoichi Nakamura Toru Okumura Junya Tanaka Kazuki
出版者
三重大学大学院生物資源学研究科
雑誌
三重大学大学院生物資源学研究科紀要 = The bulletin of the Graduate School of Bioresources Mie University
巻号頁・発行日
vol.45, pp.11-50, 2019-09

Preliminary results of the deep-sea faunal survey conducted from the TR/V Seisui-maru of Mie University in April 2018 are presented. 18 taxonomists and ecologists working on a wide variety of animal taxa participated in this survey. Surveyed areas included the Kumano Sea (off Mie Prefecture) and south of the Kii Strait (off Tanabe Bay, Wakayama Prefecture), at depths of 80-821 m. Sampling gears employed were beam trawl and biological dredge. The collection is represented by macrobenthos and meiobenthos from 11 animal phyla, including arthropods, echinoderms, annelids and molluscans. The number of phyla occurring in each station varied from 3 to 7. The station with most diverse fauna at the phylum level was St. 3B (south of the Kii Strait, 421-543 m depth, sandy mud bottom). Meiofauna includes priapulids and small arthropods, such as ostracods, tanaidaceans, isopods, cumaceans and acarus. In addition to free-living species, parasitic crustaceans, platyhelminthes, acanthocephalans, annelids and cnidarians were also collected from fishes, ascidians, urchins, holothurians, crustaceans and polychaetes. Preliminary identifications are given for Ostracoda, Cirripedia, Amphipoda, Decapoda, Asteroidea,Ophiuroidea, Holothuroidea, polychaetes, Echiura, Mollusca and Xenoturbellida.
著者
日比野 友亮 中村 亨 木村 清志
出版者
日本動物分類学会
雑誌
タクサ:日本動物分類学会誌 (ISSN:13422367)
巻号頁・発行日
vol.42, pp.48-53, 2017-02-28 (Released:2017-02-28)
参考文献数
9

A specimen of the tilefsh, Hoplolatilus fourmanoiri Smith, 1964 was collected from off Amitori Bay, Iriomote Island, Yaeyama Islands of the Ryukyu Islands, Japan. It represents the northernmost record for the species and the first record of the species from Japan. Hoplolatilus fourmanoiri can be distinguished from its congeners by the following combination of characters: caudal fin not forked; pointed spines located at corner of the preopercle and the mid-posterior margin of the opercle; maxillary broad, its maximum depth almost equal to diameter of pupil; ctenii of scales prominent; a large dark blotch located at posterior tail to caudal fin; a yellow band running from head to shoulder. The present specimen has a slightly deeper head (69.7% of head length vs. 62–68%) and more scales below lateral line (42 vs. 34–41) than other specimens, but these differences are insignificant. The dark posterior blotch of the present specimen is paler and more yellowish than the previous report, however the body coloration of the Japanese specimen is paler, which we feel is due to the condition of the specimen. The shape of the caudal fin of H. fourmanoiri was formerly described as truncate with dorsal produced. We described it as shallow double truncate. A new standard Japanese name “Hotarubi-sango-amadai” is proposed for the species.
著者
中村 亨 小山 謙二 西尾 修一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.1996, no.73, pp.25-32, 1996-07-26
被引用文献数
2

円滑なコミュニケーションにとって重要な役割を果たすと考えられる「笑い」に注目し,様々な面からの分析を行っている.今回,大衆的,情緒的なメディアの代表例である歌謡曲を取り上げ,歌詞に含まれる笑いの記述(笑い表現)の調査,分析を行った.対象とした人気歌謡曲1423曲を,演歌系とPOPS系(演歌系以外)の歌謡曲に分類し,笑い表現の出現傾向の比較を行った.対象曲の歌詞から抜き出した各笑い表現を,快,不快,社交の3つの基本的な笑いの要素から構成されるものと考え,その割合をみた.さらに笑い手や語り手など人間関係,笑い手の気持ち,時制などを調べた.また,笑いと対照的な感情表現として泣きの記述についても出現傾向を調べた.This paper reports an analysis of laughs expressed in lyrics of Japanese popular songs. Expressions describing laugh were extracted from lyrics of 1423 songs. Each song was classified as either "Enka" (a popular song with a traditional Japanese melody) or not. Differences in these two categories were investigated in various aspects. Each laugh expression was evaluated by the ratio of three fundamental components: laugh of pleasantness, unpleasantness and sociability. Furthermore, other attributes of laugh expressions, such as the human relations, the feeling of the person laughing, and the tense were also examined.
著者
中村 亨
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.34, pp.1-8, 2000-05-04
被引用文献数
9

自然なおかしさの笑いと作り笑いの表出の差を解明するため, 目と口, 腹部における笑い表出の開始の時間差を分析する実験を行った.ビデオ記録に加え, 眼輪筋及び大頬骨筋の筋電図, 呼吸曲線を記録した.被験者は男性15名, 女性17名で, YG性格検査の得点で社交群と非社交群に分類した.コメディビデオを見せた時の自然な笑い, 面白くないコメディビデオを見せた時の作り笑い, 教示のみによる単純な作り笑いを比較した.その結果, 3種類の笑い間で, 目と呼吸の時間差に有意差がみられた.また, 女性非社交群と男性社交群で, 眼と口の時間差に有意義がみられた.
著者
木村 妙子 木村 昭一 角井 敬知 波々伯部 夏美 倉持 利明 藤田 敏彦 小川 晟人 小林 格 自見 直人 岡西 政典 山口 悠 広瀬 雅人 吉川 晟弘 福地 順 下村 通誉 柏尾 翔 上野 大輔 藤原 恭司 成瀬 貫 櫛田 優花 喜瀬 浩輝 前川 陽一 中村 亨 奥村 順哉 田中 香月 Kimura Taeko Kimura Shoichi Kakui Keiichi Hookabe Natsumi Kuramochi Toshiaki Fujita Toshihiko Ogawa Akito Kobayashi Itaru Jimi Naoto Okanishi Masanori Yamaguchi Haruka Hirose Masato Yoshikawa Akihiro Fukuchi Jun Shimomura Michitaka Kashio Sho Uyeno Daisuke Fujiwara Kyoji Naruse Tohru Kushida Yuka Kise Hiroki Maekawa Yoichi Nakamura Toru Okumura Junya Tanaka Kazuki
出版者
三重大学大学院生物資源学研究科
雑誌
三重大学フィールド研究・技術年報 = Annals of Field Research and Technology Mie University (ISSN:13496824)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.1-29, 2019-11

Preliminary results of the deep-sea faunal survey conducted from the TR/V Seisui-maru of Mie University in April 2019 are presented. A total of 20 taxonomists and ecologists working on a wide variety of animal taxa participated in this survey. Surveyed areas included the Kumano Sea(off Mie Prefecture)and south of the Kii Strait(off Tanabe Bay, Wakayama Prefecture), at depths of 112-775 m. Sampling gears employed were beam trawl and biological dredge. The collection is represented by macrobenthos and meiobenthos from nine animal phyla, including echinoderms, arthropods, molluscans and annelids. The number of phyla occurring in each station varied from seven to eight. The station with most diverse fauna at the phylum level was St. 3B(south of the Kii Strait, 775-661 m depth, mud bottom).Meiofauna includes priapulids, nematodes and small arthropods such as copepods, tanaidaceans, amphipods, isopods and cumaceans. In addition to freeliving species, cnidarians symbiotic on a gastropod and an antipatharian, and crustaceans parasitic on a fi sh and sea urchins were also collected. Preliminary identifi cations are given for Asteroidea, Ophiuroidea, Holothuroidea, Crinoidea, Cyclopoida, Siphonostomatoida, Tanaidacea, Isopoda, Decapoda, Mollusca, polychaetes, Bryozoa, Cnidaria and Nemertea.
著者
前川 陽一 中村 亨 仲里 慧子 小池 隆 竹内 淳一 永田 豊
出版者
日本海洋学会
雑誌
海の研究 (ISSN:09168362)
巻号頁・発行日
vol.20, no.6, pp.167-177, 2011-11-15
被引用文献数
2

2009年4月と10月の2回にわたって,勢水丸を潮岬周辺に派遣して,詳細な海況の観測を実施した。串本・浦神の検潮所間の水位差は,しばしば黒潮流路が直進路をとっているか,蛇行路をとっているかの指標として用いられる。従来にない密な観測点を設けることによって,この水位差は串本・浦神の間で緩やかに起こっているのではなく,潮岬の沖,東西約6kmの幅で集中的に生じていること,また,その水位差のほとんどは,僅か150m深までのごく表層の海洋構造によって作り出されたものであることが示された。黒潮本流の流速場を支配している温度躍層以深の水温・塩分構造が直接関係するのではなく,振り分け潮のような現象によって黒潮表層水が紀伊半島南西岸にもたらされるかどうかによって水位差が生じていることをより詳細に示すことができた。
著者
佐々木 宏 中村 亨
出版者
高知大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

本計画は、「10Hzから10kHzまでの帯域で高感度を持つ電極タイプの深海底用電波アンテナシステムの開発と深海底のELF帯電波環境の情報を得ること。」を研究目的として平成10年度より3年計画で実施した。今回開発した電極タイプのアンテナは、その帯域を10Hz以上10kHz(ELF帯)までに置き、DC帯域では問題となった海水と極板との化学反応によるドリフト(最小でも3μV/day)を回避するシステムを考案し、実用化し、最小検出感度0.1μV/mを達成した。研究期間内での観測において、「1000m級の海底でのCOSEISMICな電磁信号の検出を目指す」としたが、浮上装置の電池の液漏れに起因する超音波送受信回路の故障により、50m水深(ロープによる海底装置の引き上げ限界)までのデータ取得とその解析になってしまった。しかし、沿岸部から約6kmでの測定から、千m以深での測定の可能性について推定できる結果を得た。以下に、得られた結果をまとめる。1.ステンレス板を用いた深海底用極板アンテナの開発に成功した。(極板と海底ケーブルとの繋ぎ、利得10万倍増幅器系(帯域10〜10kHz))。しかし、長期間観測用の記録系の開発は予算の関係もあり今回は見送った。2.海洋科学技術センター委託研究(研究課題「室戸沖南海トラフ域における海底変動と生物物質循環システムに関する基礎調査」)の観測航海にあわせてより深海での予備観測を実施した。900m水深で開発した電極アンテナシステムが故障なく稼動する事を確かめた。3.20m水深での結果から、海水を含まない岩石層内部で、対象とする信号の振幅が100mV以上であれば、今回開発したシステムで観測が可能な事を示した。50m水深のデータからは、大気中の信号振幅が1V以上なかったので、同様の可能性を示せなかった。しかし、FWT法による信号処理の見通しを付ける事が出来た。
著者
小山 謙二 中村 亨 西尾 修一
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.39, no.7, 1998-07-15
著者
月橋 こずえ 中村 亨弥 木竜 徹 岡田 正彦 斉藤 義明
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス
巻号頁・発行日
vol.97, no.371, pp.35-42, 1997-11-07
参考文献数
11

本研究では生体信号を遠隔で収集し, 在宅医療を支援するためのシステムについて報告する. 提案するシステムは受診者用PC, 医師用PC, そして両者のPCの中間にあるコミュニケーションサーバで構成される. 保管データは心電図データと血圧データである. 通常, 各受診者宅にアクセスするためには, それぞれの受診者用PCに個別にアクセスしなければならない. そこで, 本システムでは, 各受診者用PCにJavaで分散サーバを立ちあげることにより, コミュニケーションサーバから受診者用PCにアクセスして保管データを取得することを可能とした. さらに, 連続実験を行い, 本システムの動作を確認した.
著者
山本 義春 北島 剛司 佐々木 司 森田 賢治 吉内 一浩 中村 亨
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2014-04-01

うつ病の予防を目指した日常生活下における行動・心理動態のモニタリングシステムを構築するとともに、疾患発症・病態変化に伴う行動・心理動態の変容を評価・予測する客観的・定量的指標の開発を行った。さらに、行動・心理動態の変容とその移現象に関わる背後の生体システムの動力学的構造をデータ駆動型で推定することにより、開発指標の動力学的意味付けを行った。また、疾患発症・病態遷移の早期検知に資する動力学的機序に関する知見を得た。
著者
中村 亨 坂野 雄二
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.934-938, 2017 (Released:2017-09-01)
参考文献数
2

2015年12月より実施されたストレスチェック制度の中で臨床心理士や産業カウンセラーなどの心理職の担う役割は限定的であるものの, 実務を行うにあたって, ストレスチェックにおいて高ストレスと判定された労働者に対する医師による面接指導に先立つ情報聴取を目的とした面接を, 心理職が行うことが考えられる. このため, 心理職は, 医師面接の位置づけを含むストレスチェック制度やストレスチェックの際に用いられる検査について学ぶとともに, 個人情報の保護を考慮した面接の進め方を身につける必要がある.本ワークショップではストレスチェック制度と標準項目となっている職業性ストレス簡易調査票について概説するとともに, 医師による面接指導前の情報聴取を目的とした面接のポイントを整理した.
著者
木村 妙子 木村 昭一 自見 直人 角井 敬知 冨岡 森理 大矢 佑基 松本 裕 田邊 優航 長谷川 尚弘 波々伯部 夏美 本間 理子 細田 悠史 藤本 心太 倉持 利明 藤田 敏彦 小川 晟人 小林 格 石田 吉明 田中 颯 大西 はるか 締次 美穂 吉川 晟弘 田中 正敦 櫛田 優花 前川 陽一 中村 亨 奥村 順哉 田中 香月 Kimura Taeko Kimura Shoichi Jimi Naoto Kakui Keiichi Tomioka Shinri Oya Yuki Matsumoto Yu Tanabe Yuki Hasegawa Naohiro Hookabe Natsumi Homma Riko Hosoda Yushi Fujimoto Shinta Kuramochi Toshiaki Fujita Toshihiko Ogawa Akito Kobayashi Itaru Ishida Yoshiaki Tanaka Hayate Onishi Haruka Shimetsugu Miho Yoshikawa Akihiro Tanaka Masaatsu Kushida Yuka Maekawa Yoichi Nakamura Toru Okumura Junya Tanaka Kazuki
出版者
三重大学大学院生物資源学研究科
雑誌
三重大学フィールド研究・技術年報 = Annals of Field Research and Technology Mie University (ISSN:13496824)
巻号頁・発行日
vol.16, pp.1-32, 2018-10

In this study, we had investigated the benthic deep-sea fauna using the dredge and beam trawl in the region from the continental shelf to the continental slope of the Sea of Kumano, Mie Prefecture, during the No.1722 research voyage of the training ship Seisui-Maru of Mie University. The survey was carried out at 16 stations covering a depth range of 113-1059 m. The results of the survey, 14 phyla had been confirmed. Arthropod, echinoderm, annelid and molluscan macrobenthos were collected from all of the stations. The phylum number of each station was in the range from 4 to 11. The largest number of phyla had been confi rmed at St.10D of boulders bottom(768-800 m depth). Meiobenthos confi rmed in our sample were kinorhynchs, nematodes, tardigrades, loriciferans and small arthropods such as tanaidaceans, copepods and cumaceans. In addition to free-living species, parasitic copepods, isopods, platyhelminthes, acanthocephalans and nematodes had been found in fish, crustaceans and polychaetes.
著者
中村 亨 山本 義春
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.123-134, 2013-09-05 (Released:2013-10-29)
参考文献数
24

精神行動異常に関する情報は,精神疾患の客観的評価への重要な生体指標となり得ると考えられる.近年,著者らは日常生活下での自発的身体活動の連続計測を行い,身体活動時系列における活動/休息期間の持続時間分布に行動統計則(行動組織化則)が存在することを確認した.これにより,様々な精神疾患における行動異常の特徴を抽出することに成功するとともに,行動統計則の種を超えた普遍性,時計遺伝子変異マウスにおけるヒトうつ病様変化などを報告し,自発的身体活動の生成に関わる行動制御機構の存在とその破綻に関する知見を得た.さらには,確率的優先性待ち行列モデルにより行動統計則とその変化が説明できることを示した.本解説では,これらの研究成果を紹介するとともに,疾患の発症や増悪·軽快といった精神疾患の動的側面を理解するのに有用であると考えられる双極性障害に関する最近の研究成果を報告する.
著者
野村 恵里 木竜 徹 中村 亨弥 飯島 淳彦 板東 武彦
出版者
電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム = The IEICE transactions on information and systems (Japanese edition) (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.89, no.3, pp.576-583, 2006-03-01
参考文献数
17
被引用文献数
14

映像技術が目覚しく発展する一方で,映像酔い等,生体への影響が懸念されており,原因の解明と評価手法の確立が望まれている.本研究では生体影響の中でも特に映像酔いに注目し,生体情報と映像情報との関係から生体に影響を与えていると予想される特徴を動きベクトルで定量的に評価することを目的とした.まず生体信号から,設定した条件に当てはまる生体影響区間を定め,影響を受けたと想定されるトリガ時刻を定義した.その後,トリガ時刻近傍における映像の動きベクトルの時間周波数構造を調べ,単純類似度による評価を行った.更に,動きベクトルからシミュレーション映像(ランダムドットパターン)を制作し,実写映像との比較を行った.その結果,トリガ時刻での時間周波数構造は特定の成分をもち,0.3〜2.5Hzの周波数帯域に0.5以上の規格化パワーをもつ動きベクトルが生体に影響を与えている可能性が示唆された.
著者
前川 陽一 中村 亨 仲里 慧子 小池 隆 竹内 淳一 永田 豊 Maekawa Yoichi Nakamura Toru Nakazato Keiko Koike Takashi Takeuchi Junichi Nagata Yutaka
出版者
三重大学大学院生物資源学研究科
雑誌
三重大学大学院生物資源学研究科紀要
巻号頁・発行日
no.37, pp.45-55, 2011-02
被引用文献数
1

By using the training ship Seisui-maru, we observed of detailed oceanic condition in the vicinity of Cape Shionomisaki, the tip of the Kii Peninsula in April, 2009 and in October, 2009. The sea level difference between Kushimoto and Uragami tide stations is used to monitor the flowing path of the Kuroshio, or to identify whether the Kuroshio is taking the straight path or the meandering path. It is shown that this sea level difference occurs in the narrow portion of about 7 km from off Cape Shionomisaki to off Oshima Island, and that the sea level difference is mainly created by the oceanic condition in the thin surface layer above 150 m. This indicates that the structure of the Kuroshio does not influence directly to the sea level difference between Kushimoto and Uragami. The sea level difference indicates whether warm and light Kuroshio Water is brought into shelf region to the west of Cape Shionomisaki or not, and whether the sea level difference between coastal waters to the west and to the east of Cape Shionomisaki. The success of this elaborated observation owe to improved facilities of the new training ship Seisui-maru2009 年 4 月と 10 月の 2 回にわたって, 勢水丸を潮岬周辺に派遣して, 従来に見られない詳細な海況の観測を実施した。黒潮の流路が直進路をとっているか, 蛇行路をとっているかをモニターするのに串本・浦神の検潮所間の水位差が用いられるが, この水位差は潮岬から大島の沖, 東西 7 km の部分で生じていることが示された。また, この水位差の殆どは, 僅か 100 ~ 150 m のごく表層の海洋構造によって作り出されたものであることが示された。串本・浦神の水位差には, 黒潮本来の構造が直接関与しているのではなく, 振り分け潮にともなう黒潮系水の潮岬西の沿岸域への侵入の有無, あるいはそれに伴って生じる潮岬東西の沿岸水の性質の違いを通してもたらされている。この微細海況観測成功には, 著しく向上した新しい二代目の勢水丸の能力が不可欠なものであった。