著者
小川 雄二郎
出版者
東京都立大学都市研究センター
雑誌
総合都市研究 (ISSN:03863506)
巻号頁・発行日
no.29, pp.p13-22, 1986-12

本研究は文化遺産保存において都市的災害をどのように位置付けて,災害対策をおこなうべきかを検討したものである。文化遺産の保存における都市的災害に対する取組は保存担当者と防災専門家の狭間にあって不充分である。文化遺産保存の現状把握,過去の災害事例調査から問題の所在を検討し、文化遺産の災害対策のありかたを災害危険の把握と災害敏感性の観点から提案するものである。
著者
谷口 仁士 小川 雄二郎
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文報告集
巻号頁・発行日
no.4, pp.391-398, 1994-08

地震と震度 1994年6月6日、15時47分(現地時間)ごろ、コロンビア南部のカウカ県パエス村近くを震源とするマグニチュード6.4(Richter Scale)の地震が発生した。コロンビア国立観測所(Colombia National Seismological Network)によって求められた震源位置は、北緯2.9度、西経76.08度、震源深さ10kmの比較的浅い地震であった。この地震によってコロンビアのほぼ中央域が有感地域となった。各地の震度(MM震度階)は震央から40km以内で6〜7、震央距離100km付近のカリ、ポパヤン、ネイバ市で5〜6である。また、震央から約300kmに位置するボゴタ市域でも地震を感じた。著者らは6月18日より現地に入り被害調査を行ったので、ここにその被害概況を速報として報告する。被害の概要 地震当時、コロンビアは雨期で降り続く降雨によって地盤は完全に飽和状態となっていたため、被害のほとんどは斜面崩壊とその土石流による災害であった。被害が発生した地域はネバド・デル・ヴィラ火山(標高:5,750m)の南から南下するパエス川に沿った地域である。斜面崩壊と土石流による物的被害 ネバド・デル・ヴィラ火山山頂付近の万年氷が地震動で崩壊しパエス川に流下するとともに震源地域のいたるところで斜面崩壊が発生した。これらの土砂は土石流となってパエス川を流下し、この流域に点在する村々を襲い多くの家屋と人命を奪い、マグダレナ川のベタニア(Betania)にあるダムサイト付近まで達した。特に甚大は被害を被った震央付近の卜エス村ではこの土石流によって村全体が消滅した。地震動および土石流による家屋被害は、倒壊・流失家屋:620戸、被災家屋:2,400戸となっている。また、パエス川流域の道路や橋梁は斜面崩壊や土石流によっていたるところが被災し、特に、土石流によって流出した橋梁は10ヶ所にもおよんでいる。震央から約140kmに水力発電ダムがあるが、このダムに直接被害は発生していない。しかし、土石流による流木や土砂がダムサイトまで到達しているため、ダムの貯水機能障害など間接被害が発生している。今後も土砂の流下・堆積によってこの機能障害はますます増大する危険性がある。人的被害 当初の新聞報道による1,200人の死者・行方不明者の多くは高台に逃げ、最終的には死者200人、行方不明100人となっている。また、ホームレスなどの被災者は14,000人にのぼっている。
著者
樋川 暁 小川 雄平 森 雄一郎 山口 高平
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.27, 2013

我々はこれまで,目的の異なる複数のオントロジーを関連付けすることにより,知識,振舞い,身体性,組込みソフトウェアの次元の異なる領域を統合し,対話と動作の連携,および異機能ロボット連携によるHRIを実現してきた.本研究では,より意味的な関係性に基づくHRIを実現するために,聴覚・言語情報に加え,人間の振舞いに表れる非言語情報を利用した,マルチモーダルオントロジーロボットの実現を目的とする.
著者
日渡 良爾 岡野 邦彦 朝岡 善幸 時松 宏治 小西 哲之 小川 雄一
出版者
社団法人プラズマ・核融合学会
雑誌
プラズマ・核融合学会誌 (ISSN:09187928)
巻号頁・発行日
vol.81, no.11, pp.903-916, 2005-11-25
被引用文献数
1 3

The present study reveals forthcoming break-even conditions of tokamak plasma performance for the fusion energy development. The first condition is the electric break-even condition, which means that the gross electric power generation is equal to the circulating power in a power plant. This is required for fusion energy to be recognized as a suitable candidate for an alternative energy source. As for the plasma performance (normalized beta value β_N, confinement improvement factor for H-mode HH, the ratio of plasma density to Greenwald density fn_<GW>), the electric break-even condition requires the simultaneous achievement of 1.2<β_N<2.7, 0.8<HH, and 0.3<fn_<GW><1.1 under the conditions of a maximum magnetic field on the TF coil B_<max>=16 T, thermal efficiency η_e=30%, and current drive power P_<NBI><200 MW. It should be noted that the relatively moderate conditions of β_N〜1.8, HH〜1.0, and/fn_<GW>〜0.9, which correspond to the ITER reference operation parameters, have a strong potential to achieve the electric break-even condition. The second condition is the economic break-even condition, which is required for fusion energy to be selected as an alternative energy source in the energy market. By using a long-term world energy scenario, a break-even price for introduction of fusion energy in the year 2050 is estimated to lie between 65 mill/kWh and 135 mill/kWh under the constraint of 550 ppm CO_2 concentration in the atmosphere. In the present study, this break-even price is applied to the economic break-even condition. However, because this break-even price is based on the present energy scenario including uncertainties, the economic break-even condition discussed here should not be considered the sufficient condition, but a necessary condition. Under the conditions of β_<tmax>=16 T, η_e=40%, plant availability 60%, and a radial build with/without CS coil, the economic break-even condition requires β_N〜5.0 for 65 mill/kWh of lower break-even price case. Finally, the present study reveals that the demonstration of steady-state operation with β_N〜3.0 in the ITER project leads to the upper region of the break-even price in the present world energy scenario, which implies that it is necessary to improve the plasma performance beyond that of the ITER advanced plasma operation.