著者
小川 雄一 Momin Md. ABDUL 倉本 誠 河野 靖 椎木 友朗 山本 一哉 近藤 直
出版者
一般社団法人 レーザー学会
雑誌
レーザー研究 (ISSN:03870200)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.255-261, 2011-04-15 (Released:2015-09-03)
参考文献数
12
被引用文献数
7 7

The fluorescent substances in citrus fruit peels were investigated by NMR analysis and excitation, and
著者
小川 雄太 宮本 行庸
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.32, no.2, pp.252-259, 2022-05-28 (Released:2022-07-01)
参考文献数
17

本研究では全盲の視覚障害者がテレビゲームを楽しむための必要な支援について,スーパーファミコンを用いた実践を通して明らかにした.3つのソフトについて具体的に検討したところ,構成や付加されている音声情報によっては支援がほとんど無くとも,全盲の視覚障害者がプレーできることが分かった.また,晴眼者からの必要最小限の支援によって全盲の視覚障害者と晴眼者が共に楽しめる可能性を見出すことができた.
著者
小川 雄太 宮本 行庸
出版者
情報知識学会
雑誌
情報知識学会誌 (ISSN:09171436)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.416-419, 2022-12-18 (Released:2023-01-27)
参考文献数
8

本稿においては共生社会の実現に資するため,全盲の視覚障害者とテレビゲームを楽しむ際に晴眼者に求められる認識について,スーパーファミコンを使った実践を通して考察を行う.盲学校に所属する教員の晴眼者であっても全盲の視覚障害者とテレビゲームの繋がりをほとんど認識していなかったが,全盲の視覚障害者とテレビゲームで遊ぶ体験がその認識を大きく変化させた.また,全盲の視覚障害者が格闘ジャンルのスーパーストリートファイターⅡ ザニューチャレンジャーズに対応できていたことを踏まえて,激しいゲーム展開が予想される他のジャンルもプレーできるという期待を持つに至った.したがって,全盲の視覚障害者とテレビゲームを楽しむため,晴眼者には全盲の視覚障害者もテレビゲームができるという先入観のない認識が必要である.
著者
小川 雄一
出版者
一般社団法人 日本物理学会
雑誌
日本物理学会誌 (ISSN:00290181)
巻号頁・発行日
vol.49, no.11, pp.887-892, 1994-11-05 (Released:2008-04-14)
参考文献数
12

磁場閉じ込め核融合のための次期実験装置として,自己点火プラズマの実現を目指した国際熱核融合実験炉を建設しようという設計作業が,国際協力により精力的に推進されている.この様な次期大型装置のプラズマサイズは,現在までに得られたプラズマ実験の実績をベースとして決定されているが,それはどのような物理的・工学的条件で決まっているのか,またどの程度の信頼性があるのか,について紹介する.さらにはより装置の小型化に向けての研究がどのようになされているのかについても簡単に紹介する.
著者
小川 雄一
出版者
農業食料工学会
雑誌
農業食料工学会誌 (ISSN:2188224X)
巻号頁・発行日
vol.76, no.2, pp.112-116, 2014-03-01 (Released:2017-03-27)
参考文献数
21
被引用文献数
1
著者
遠山 濶志 吉田 善章 小川 雄一 井上 信幸 篠原 俊二郎
出版者
東京大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1993

球状トカマク、TST(Tokyo Spherical Tokamakの略)が設計、製作された。球状トカマクでは、プラズマの断面形状が自動的に楕円形に変形し、プラズマの体積が大きくなる、高いベータ値のプラズマを安定に閉じ込めできる、電磁流体力学的(MHD)不安定性に対して強い抑制効果を持ち、放電停止に至るようなプラズマの主崩壊を起こしにくくなるなどの通常のトカマク装置よりも優れた点が理論的に予想されている。本研究では、以下の結果を得た。1)球状トカマクTSTを設計、製作した。直径1.8m、高さ1.6mの円筒形の真空容器内にトロイダルコイルの一部とオーミックコイルを設置している。2)トロイダル、オーミック、垂直磁場コイルを設計、製作した。トロイダル磁場は真空容器中心で0.2T、リップルは2%である。オーミックコイルのFlux swingは15mVsである。3)最大プラズマ電流、45kAのプラズマ放電に成功した。プラズマ電流は、オーミックコイル充電電圧、トロイダル磁場に比例する。4)PINダイオードアレイによるプラズマからの放射計測によってプラズマ形状の時間発展を調べた。放電開始から70μsでアスペクト比1.3に達していることがわかった。楕円度は90μsで1.8になっている。5)電流銃による電流駆動の初期実験を行った。電子銃からは1.7kA、1.5msの電子ビームがとれることがわかった。この電子銃をTSTに取り付けた結果ブレークダウンに必要なFlux swingが7分の1に減ることがわかった。
著者
岡野 邦彦 小川 雄一 飛田 健次
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. B, 電力・エネルギー部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. B, A publication of Power and Energy Society (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.130, no.4, pp.395-398, 2010-04-01
参考文献数
7
被引用文献数
2

This paper describes a prospect toward electric power production by the Fusion energy. In the first part of the paper, a principle of TOKAMAK system which is the successful magnetic-confinement-systems for fusion reactors are shown, and then the ITER project based on TOKAMAK and the present status of ITER is reviewed. In the remainder of the paper, a roadmap for fusion energy and conceptual designs of Demonstration reactors are briefly described.
著者
後藤 洋三 池田 浩敬 市古 太郎 小川 雄二郎 北浦 勝 佐藤 誠一 鈴木 光 田中 努 仲村 成貴 三上 卓 村上 ひとみ 柳原 純夫 山本 一敏
出版者
JAPAN ASSOCIATION FOR EARTHQUAKE ENGINEERING
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.15, no.5, pp.5_97-5_117, 2015

東日本大震災の津波避難の実態を分析するため、研究者、技術者の有志が任意参加の連携組織「東日本大震災津波避難合同調査団」を結成し、重複調査を避け調査モラルを向上させるべく連絡を取り合って調査を実施した。本報告はこの調査団発足の経緯を述べたうえで調査団の中核として活動した山田町・石巻市担当チームの調査方法とその実施状況、ならびに住民の避難に関わる背景的事象の調査結果を述べる。収集した被災者の避難データの特性については別途に取り纏め報告する。山田町・石巻市担当チームの調査に対する被災住民の苦情は聞かれず、むしろ信頼関係のもとで避難の実態解明に役立つ情報を多数得ることが出来た。著者等は山田町・石巻市担当チームの調査データとその調査経験が活用されることを期待して本報告を取りまとめている。
著者
村上 ひとみ 中須 正 島村 誠 後藤 洋三 小川 雄二郎
出版者
公益社団法人 日本地震工学会
雑誌
日本地震工学会論文集 (ISSN:18846246)
巻号頁・発行日
vol.15, no.5, pp.5_76-5_96, 2015 (Released:2015-10-21)
参考文献数
17

本研究では、海外における災害避難関係資料・文献を収集するとともに、その内容を分析し、概要を明らかにする。また、特徴的な研究については、レビューを行う。以上から災害からの避難について海外ではどのような研究がされているかを俯瞰する。また研究にとどまらず政策としての避難対応マニュアルや調査するうえで不可欠となるデータベース等、基礎的な情報についても併せて概説する。
著者
小川 雄二郎 永野 裕三
出版者
地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文報告集
巻号頁・発行日
no.5, pp.141-144, 1995-11
被引用文献数
1

本研究は1995年1月17日に発生した阪神大震災によって企業の防災意識がどのように変化したかを考察する研究である。企業の防災意識の変化を把握するために地震後7ヵ月を経過した8月末に東京証券取引所第1部上場企業に対してアンケート調査を実施した。地震被災地域である兵庫県、大阪府、京都府(近畿と呼ぶこととする)地方の企業と車京の企業のを比較するため、東京都、兵庫県、大阪府、京都府に本社をおく932社を対象にアンケート調査を実施した。アンケート有効回答数は191であり、回収率は20.5%であった。本稿は調査の概要速報として取りまとめている。 被害の有無 阪神大震災によって被害を受けたかを聞いたところ直接的な被害を受けた企業は近畿の方が東京よりおおく、間接的な被害については近畿、東京ともあまり違いはない。 防災対策の対象とする災害 地震については震度5以下と震度6以上に分けて聞いたところ、阪神大震災以前から震度6以上の地震に対して防災対策を考えていた企業は近畿では17%に過ぎなかった。また震度によらず地震を対象としていなかった企業は近畿では55%であった。この地震を契機に震度6以上の地震を対象とすることにした企業は東京では35%、近畿では79%であり、その結果現在では震度6以上を対象とする企業は、東京では86%、近畿では93%となっている。 防災対策の変化 企業が取り組んでいる肪災対策について、以前から行っていたか、阪神大震災を契機に取り組んだかを聞いた。これまではあまり取り組まれなかった対策のうち大震災を契機に多くの企業が取り組んだ対策は災害後の復旧手順の策定と災害時従業員行動マニュアルであることがわかった。災害後の復旧手順の策定は近畿では24%から72%に跳ね上がった。災害時従業員行動マニュアルは近畿では24%から79%に跳ね上がった。防災費用の予算化もこの範躊にいれることができる。近畿では29%から57%に上がった。従来からもかなり行われてきた対策で、阪神大震災でさらに進んだ対策では役員への緊急連絡網がある。役員への緊急連絡網は近畿では60%から83%に上がった。従来から低く、阪神大震災によっても進まなかった対策は地震保険への加入と自治体と災害時援助協定である。地震保険への加入は16%から21%へ、自治体と災害時援助協定は12%から14%である。ハードな対策では耐震診断・耐震補強が高い増加を示している。耐震診断・耐震補強は、近畿では19%から64%lこ跳ね上がり、全体では27%から61%となっている。38万棟に及ぶ建物被害をもたらした阪神大震災は、企業にとっても建物の耐震性という入れ物の安全性を確認する重要性を強く認識したことがわかる。しかしガラスや屋外広告等の落下肪止は、37%から46%とそれほど増加していない。通信回線等のバックアップは以前は36%からであったのが62%となっており、今回の大震災で災害後の情報の重要性が認識されたためであろう。それに対して電力・ガスのバックアップは以前は通信回線のバックアップと同程度であったが、大震災後もあまり増加していない。 まとめ 阪神大震災を契機として、企業の防災対策は大きく姿を変えつつある。それは近畿の企業の6割、東京の企業の3割が何らかの直接被害を阪神大震災によって受けたことから、すべての面での防災対策をより推進していく必要性を強く感じていることが調査から読み取れる。すなわち大規模地震を防災対策の対象とする災害に取り込んだ企業は著しく多くなったこと、及び取り組みつつある防災対策の特機は、経験に碁づいて実際に必要なことを優先的に行っていく方向が見られる。
著者
清水 浩 小川 雄之亮
出版者
The Japanese Society of Intensive Care Medicine
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.5, no.3, pp.193-201, 1998-07-01 (Released:2009-03-27)
参考文献数
54

肺サーファクタントの絶対的欠乏による新生児呼吸窮迫症候群(respiratory distress syndrome; RDS)に対する人工肺サーファクタント補充療法は,未熟児の救命率を飛躍的に向上させた。一方,肺サーファクタントが機能的に阻害された病態(胎便吸引症候群,肺炎,急性呼吸窮迫症候群,肺出血)に対しても,この補充療法が検討されている。また肺低形成では,RDS類似の肺の未熟性がみられ,出生後早期に人工肺サーファクタントを投与することによって,呼吸機能の改善が期待できる。最近,人工肺サーファクタント投与による免疫系細胞の機能抑制の問題が明らかにされており,また親水性肺サーファクタント蛋白質の肺局所免疫としての役割がクローズアップされて,次世代の人工肺サーファクタント開発にあたっての問題点を提起している。
著者
小川 雄司 丸岡 伸洋
出版者
一般社団法人 日本鉄鋼協会
雑誌
鉄と鋼 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.100, no.4, pp.434-444, 2014 (Released:2014-03-31)
参考文献数
92
被引用文献数
8 15

Progress of hot metal treatment technology in Japan and scientific researches which supported the technology are outlined.To meet the increasingly severe customer requirements for steel properties, integrated steelmakers developed technologies for purifying molten steel, centering on the divided refining process, consisting of hot metal treatment, BOF decarburization and secondary refining. The hot metal treatment processes were put into practice at almost all steelworks in the 1980 s.Since the 1990 s, all companies have improved and restructured the hot metal treatment facilities, aiming at not only improvement of refining efficiency so as to achieve a higher degree of purity steel with higher productivity at lower cost, but also reduction in slag volume with the environmental problems taken into consideration.The directions in which hot metal treatment technology is to be pursued in the future are also commented briefly.
著者
井上 克己 島田 誠 斎藤 克幸 小川 雄一郎 松原 英司 林 圭一郎 松本 祐樹
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 = Acta urologica Japonica (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.61, no.11, pp.441-443, 2015-11-30

A 49-year-old female presented complaining of gross hematuria. Cystoscopy and magnetic resonance imaging revealed a papillary tumor on the bladder dome. At biopsy pathology the tumor was diagnosed as adenocarcinoma. We diagnosed the tumor as urachal adenocarcinoma and performed partial cystectomy of bladder dome with en-bloc resection of the urachal ligament up to the umbilicus. In surgical pathology, the tumor had invaded to the fat tissue around the urachal ligament with metastasis to the lymph node. Therefore the tumor was diagnosed as a stage IVA (Sheldon’scategory) urachal adenocarcinoma. After surgery, 6cycles of chemotherapy with TS-1 and cisplatin (CDDP) were performed. There has been no relapse 5years after surgery. This is the first report of successful adjuvant chemotherapy with TS-1/CDDP for advanced urachal adenocarcinoma.
著者
愉 彦樺 小松 雄士 文野 優華 堤 拓朗 小川 雄大
出版者
北海道大学 高等教育推進機構 オープンエデュケーションセンター 科学技術コミュニケーション教育研究部門(CoSTEP)
雑誌
科学技術コミュニケーション (ISSN:18818390)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.17-28, 2020-03

研究者が社会に対して,自らの研究内容や科学について説明する機会が増えており,科学技術コミュニケーションの重要性が指摘されている.自らが大学で行っている研究内容を分かりやすく社会へ伝える方法を身につけると同時に,アウトリーチ活動の経験を積むことを目的として,北海道大学Ambitious リーダー育成プログラム所属の博士後期課程学生⚕名による実験教室を企画実施したので,これを報告する.沖縄科学技術大学院大学(OIST)にて開催された2018 年度サイエンスフェスタに出展し,実際に大学で研究している紙デバイスを応用したpH 測定実験を行った.本報告を通して,大学で研究している内容や科学をわかりやすく伝える技術や安全性を考慮した実験設計の重要性を学び,また参加した125 名の小中学生を対象にアンケートを実施することで,普段科学技術コミュニケーションに親しみの無い大学院生が専門を活かしどの程度小中学生に科学に対する興味・関心をもってもらうことができるのかを示した.これらの結果および考察は,大学の学生や若手研究者がアウトリーチ活動をする際の一助となることが期待される.
著者
青木 志保 島田 誠 井上 克己 永田 将一 斎藤 克幸 小川 雄一郎 松原 英司 前田 智子 菅原 基子 林 圭一郎 松本 祐樹
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.58, no.6, pp.287-290, 2012-06

We report a case of vesical endometriosis that worsened during the early pregnancy period. A 37-yearold woman had been under treatment for endometriosis (including vesical endometriosis) by a gynecologist during the past 10 years. She was treated for sterility 1 year ago, and became pregnant through in vitro fertilization. In her 8th gestational week, she complained of gross hematuria at our hospital. Cystoscopic findings revealed some tumors that appeared worse than the last findings two years ago. In order to deny malignancy, transurethral resection of the bladder tumor was performed in her 12th gestational week. The pathologic diagnosis was endometriosis. She was able to stay pregnant, and delivered a girl. After delivery, cystoscopic findings revealed reduction of tumors. In most cases pregnancy cures endometriosis ; however, in this case symptoms became worse during the early stage of pregnancy. The reason for this contrary event is discussed.
著者
小川 雄太郎 清水 琢也 横井 俊昭
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第33回全国大会(2019)
巻号頁・発行日
pp.3Q3J1304, 2019 (Released:2019-06-01)

流体シミュレーションは製造業などの製品設計フェイズで重要となるCAE (Computer Aided Engineering) のひとつである. より最適な設計を実現するうえで流体シミュレーションの計算時間短縮は重要な課題のひとつであり, 近年は機械学習を使用した高速化手法の試みが盛んになりつつある. 本研究では流体シミュレーション手法のひとつMPS法 (Moving Particle Semi-implicit) に着目し, MPS法の一部を機械学習モデルに置き換え高速化する手法を提案する. 具体的にはナビエ・ストークス方程式の圧力勾配項を求める際に, MPS法では陰解法形式になっている圧力計算部分を, 10種類の特徴量からなる入力と勾配ブースティング回帰木による回帰モデルに代替し, 流体シミュレーションを高速化する. 最後に提案手法の定性的挙動を流体シミュレーションのトイプロブレムであるダム崩壊問題の数値計算で確認し, 提案手法の結果が従来手法と同様の挙動を示すことを示す.
著者
高妻 洋成 降幡 順子 脇谷 草一郎 福永 香 佐野 千絵 吉田 直人 犬塚 将英 小川 雄一 大谷 知行 林 伸一郎 水野 麻弥
出版者
独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

ミリ波およびテラヘルツ(THz)波を用いた文化財の非破壊非接触診断技術の開発研究をおこなった。THz波については種々の材料のTHz分光スペクトルを取得し、材料分析のための基礎データを作成した。彩色文化財に対してTHz波イメージングおよびミリ波イメージングを応用するための基礎実験をおこなうとともに、木製彩色文化財および漆喰壁画に対してイメージングを実施した。ミリ波およびTHz波は文化財の表層にある程度侵入して、その内部構造を可視化することが可能である。さらにTHzイメージングでは、パルス波を用いることで、時間領域分光法により断面構造や任意の深さにおける平面的なイメージングも可能である。障壁画などの彩色層下にあってある程度の厚みをもつ下地漆喰などの状態や表具や額装などの絵画の構造について、従来、得ることのできなかった情報を非破壊で知ることが可能となった。
著者
小川 雄司 川上 博士 鈴木 実平 尾崎 仁志 沓名 宗春 井上 裕喜 齋藤 清隆
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
生産加工・工作機械部門講演会 : 生産と加工に関する学術講演会
巻号頁・発行日
vol.2014, pp.265-266, 2014

Indirect laser peening is a new laser peening technique and modifies the mechanical properties of the surface of the substrate. Metal sheet protects the substrate surface from heat affect by a plasma with laser irradiation. Because the metal sheet absorbs laser energy and reduces the peening efficiency, the features of indirect laser peening for several aluminum alloys were investigated in this study. The changes of mechanical properties by indirect laser peening were discussed by the comparison to the mechanical properties of as-received state.
著者
橋本 衛 小川 雄右 池田 学
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.269-276, 2011-09-30 (Released:2012-10-13)
参考文献数
18
被引用文献数
1 1

前頭側頭葉変性症 (FTLD) は, 著明な人格変化や行動障害を主徴とし, 前頭葉・前部側頭葉に病変の主座を有する変性性認知症を包括した疾患概念である。われわれは FTLD の行動障害の背景にある心的機能の障害として「抽象的態度 (abstract attitude) の障害 ; 与えられた刺激の具体性にしばられて, その刺激の持つ一般的, 抽象的属性を洞察できなくなる」に注目した。FTLD 患者, アルツハイマー病 (AD) 患者それぞれ 13 例を対象に, われわれが作製した抽象的態度を評価する 3 つの課題 (概念化課題, 概数見当課題, 状況想像課題) を実施した。結果は, FTLD 患者は 3 つの課題の成績がいずれも AD 患者よりも有意に低かった。さらに課題の成績と常同行動の評価尺度である SRI スコアとの間に有意な相関を認めた。これらの結果から, FTLD では抽象的態度が障害されていること, 抽象的態度の障害が認知の側面のみならず意思決定にも影響しその結果常同行動のような FTLD に特徴的とされる行動障害が引き起こされることが明らかとなった。