著者
糸川 紅子 赤木 郁子 打矢 和子 小川 雅子 川原 明子 新田 純子 Beniko ITOKAWA Ikuko AKAGI Kazuko UCHIYA Masako OGAWA Akiko KAWAHARA Junko NITTA
出版者
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学教育研究開発委員会
雑誌
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学紀要 = Journal of Japanese Red Cross Akita College of Nursing and Japanese Red Cross Junior College of Akita (ISSN:24360384)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.21-27, 2021-03-31

要旨:目的:専門看護師によるコンサルテーションにおける課題の明確化と共有のプロセスに焦点を当て、既存の資料や文献に示された知見を整理し、実践的示唆や今後の課題について検討すること。方法:「専門看護師」「コンサルテーション」「課題」「共有」をキーワードに文献検索し、コンサルテーションの定義や類似する役割、課題の明確化や共有のための働きかけに関する事項を抽出した。倫理的配慮:著作権を遵守した。結果:コンサルテーションの定義は、コンサルタントがコンサルティ課題解決を側面的に援助する過程に総括された。コンサルタントが早期に課題を明確化・共有することはモデルやアプローチの判断を促進し、そのためにインタビューをはじめとする研究的な能力、コンサルティの自己省察や気づきを得るための働きかけが活用されていた。考察:コンサルテーションにおける課題の明確化・共有を推進するためには、コンサルテーションや類似する役割に関する理解の推進、コンサルタントの専門性や研究的な能力を活用することが重要である。結論:コンサルテーションにおける課題の明確化・共有はコンサルタントの研究的な能力やコンサルティの自己省察や気づきを得るための働きかけにより推進されていた。Abstract:Objective: To focus on the process of clarifying and sharing issues in consultation with a Certified Nurse Specialist (CNS), to organize the findings presented in existing materials and literature, and to consider practical suggestions and future issues.Method: A literature review was conducted using the keywords "Certified Nurse Specialist (CNS)," "consultation," "issues," and "share." Items related to the definition of consultation, similar roles, and efforts to clarify and share issues were extracted.Ethical considerations: Copyright compliance.Results: The definition of consultation was summarized as the process by which the consultant assisted the consultee in solving the problem. Early clarification and sharing of issues by consultants facilitate the judgment of models and approaches, and for that purpose, research abilities such as interviews, self-reflection by consultants and efforts to gain awareness are utilized.Discussion: In order to promote clarification and sharing of issues in consultation, it is important to promote an understanding of consultation and similar roles, and to utilize the expertise and research ability of consultants.Conclusion: Clarification and sharing of issues in consultation was enhanced by the consultant's research ability, selfreflection of the consultation, and efforts to gain awareness.
著者
雉子谷 佳男 高田 克彦 伊藤 哲 小川 雅子 永峰 正教 久保田 要 坪村 美代子 北原 龍士
出版者
一般社団法人 日本木材学会
雑誌
木材学会誌 (ISSN:00214795)
巻号頁・発行日
vol.57, no.6, pp.340-349, 2011-11-25 (Released:2011-11-28)
参考文献数
21
被引用文献数
6 6

日本における造林樹種としてのslash pineの有用性を探ることを目的に,南九州で生育した46年生slash pineについて年輪形成と木材材質を明らかにした。slash pineは,スギやヒノキに比べて晩材形成期間においてより活発に細胞分裂をおこなうことがわかった。容積密度数および曲げ性能は,北米産slash pine材とほぼ同じであった。ミクロフィブリル傾角および晩材仮道管長さでは,胸高直径の大きなslash pineにおいて,未成熟材から成熟材への移行がより早い時期におこり,成熟材部での変動が小さかった。日本におけるslash pineでの木材生産は,スギに比べてより効率的に力学的な性質の優れた木材を安定して生産できると考えた。
著者
飯島 準一 光定 誠 小坂 至 澤谷 哲央 小川 雅子 新井 浩士 松浦 篤志 若山 達郎 石川 文隆 田中 道雄
出版者
Japanese Society for Abdominal Emergency Medicine
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 = Journal of abdominal emergency medicine (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.23, no.3, pp.515-519, 2003-03-31
被引用文献数
5

症例は74歳男性。前日朝から増強する腹痛, 腹部膨満感, 嘔吐を主訴として翌朝当院救急外来を受診した。腹部単純X線上イレウス像を呈し, CTにてdouble target sign陽性で, 中央に低吸収域を認めた。超音波検査でも同様の所見で回腸回腸型腸重積と診断した。手術所見: 回腸末端より約40cm口側に回腸重積を認め, 用手整復後に腸管内に可動性良好な有茎性ポリープ状腫瘤を触知した。回腸部分切除術を施行し術後経過は良好で術後14日に軽快退院した。腫瘤は肉眼的に長径7cmの黒色のポリープ状を呈したが, 病理組織学的所見では内翻した真性憩室で出血壊死を伴い, また憩室頂部に異所性膵組織の迷入を認めた。膵組織には腺房細胞, 導管を認めHeinrichII型と診断した。成人例における憩室壊死の報告はわれわれの検索範囲では2例とまれである。