著者
津島 昌弘 浜井 浩一 津富 宏 辰野 文理 新 恵里 上田 光明 我藤 諭 古川原 明子 平山 真理
出版者
龍谷大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2015-04-01

EUの女性に対する暴力被害調査を踏襲した本調査は、近畿圏在住の女性を対象に、2016年に実施された。重大な発見は、日本では、加害者が非パートナーの場合、一定程度の女性が被害を警察に通報しているが、加害者がパートナーの場合、警察に通報した女性は皆無であった(EUでは加害者がパートナーと非パートナーとでほとんど差がない)ことである。これは、日本では、DVや親密圏で起こった暴力は表面化しにくいことを示唆している。家族や地域が弱体化するなか、親密圏で起きた当事者間の紛争解決において、公的機関の介入が不可避となっている。近隣の人が異変を見つけたなら、警察や支援団体に相談することが重要である。
著者
糸川 紅子 赤木 郁子 打矢 和子 小川 雅子 川原 明子 新田 純子 Beniko ITOKAWA Ikuko AKAGI Kazuko UCHIYA Masako OGAWA Akiko KAWAHARA Junko NITTA
出版者
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学教育研究開発委員会
雑誌
日本赤十字秋田看護大学・日本赤十字秋田短期大学紀要 = Journal of Japanese Red Cross Akita College of Nursing and Japanese Red Cross Junior College of Akita (ISSN:24360384)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.21-27, 2021-03-31

要旨:目的:専門看護師によるコンサルテーションにおける課題の明確化と共有のプロセスに焦点を当て、既存の資料や文献に示された知見を整理し、実践的示唆や今後の課題について検討すること。方法:「専門看護師」「コンサルテーション」「課題」「共有」をキーワードに文献検索し、コンサルテーションの定義や類似する役割、課題の明確化や共有のための働きかけに関する事項を抽出した。倫理的配慮:著作権を遵守した。結果:コンサルテーションの定義は、コンサルタントがコンサルティ課題解決を側面的に援助する過程に総括された。コンサルタントが早期に課題を明確化・共有することはモデルやアプローチの判断を促進し、そのためにインタビューをはじめとする研究的な能力、コンサルティの自己省察や気づきを得るための働きかけが活用されていた。考察:コンサルテーションにおける課題の明確化・共有を推進するためには、コンサルテーションや類似する役割に関する理解の推進、コンサルタントの専門性や研究的な能力を活用することが重要である。結論:コンサルテーションにおける課題の明確化・共有はコンサルタントの研究的な能力やコンサルティの自己省察や気づきを得るための働きかけにより推進されていた。Abstract:Objective: To focus on the process of clarifying and sharing issues in consultation with a Certified Nurse Specialist (CNS), to organize the findings presented in existing materials and literature, and to consider practical suggestions and future issues.Method: A literature review was conducted using the keywords "Certified Nurse Specialist (CNS)," "consultation," "issues," and "share." Items related to the definition of consultation, similar roles, and efforts to clarify and share issues were extracted.Ethical considerations: Copyright compliance.Results: The definition of consultation was summarized as the process by which the consultant assisted the consultee in solving the problem. Early clarification and sharing of issues by consultants facilitate the judgment of models and approaches, and for that purpose, research abilities such as interviews, self-reflection by consultants and efforts to gain awareness are utilized.Discussion: In order to promote clarification and sharing of issues in consultation, it is important to promote an understanding of consultation and similar roles, and to utilize the expertise and research ability of consultants.Conclusion: Clarification and sharing of issues in consultation was enhanced by the consultant's research ability, selfreflection of the consultation, and efforts to gain awareness.
著者
鈴木 和男 大川原 明子 佐々木 次雄 山河 芳夫
出版者
国立予防衛生研究所
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

慢性関節リウマチ、全身性エリテマトーデス(SLE)、半月体形成腎炎(CRGN)などの自己免疫疾患において、最近、正常時はほとんど血中に認められない好中球の顆粒酵素のMPOが自己抗原となり抗MPO自己抗体(ANCA)が血中に増加することが問題となっている。これらの疾患において、血中MPO活性と抗MPO抗体との相関関係についてわれわれはすでに報告してしてきている。特に、病初期の血中MPO活性は高値を示し、急性炎症像に類似している。自己免疫疾患の発症機序を明らかにするために、自己抗原となるMPOの蛋白質、活性とその抗MPO自己抗体の3者の測定系を確率する必要があった。昨年度までに、ウエスタンブロットにより半月体形成腎炎の患者血清は、MPOの59 kDaの長鎖と反応し、Endoglycosidase-Hで糖を切断したところ抗MPO血清は強く反応したことから、抗MPO血清はMPOの59 kDaの長鎖の糖結合箇所付近が反応部位と推定した。そこで、本年度は、59kDaの長鎖をいくつかの部分のフラグメントに対応するリコンビナントMPOフラグメントを作成した。当初は、GSTとの融合蛋白質として作成したが、目的のサイズより小さく切断されたフラグメントのみが出来たので、Hisx6と結合したフラグメントとして作成することを試み、目的とするすサイズのリコンビナントMPOフラグメントを検出する。キレートカラムによりリコンビナントMPOフラグメントを精製し、抗ヒトMPO抗体および患者血清を用いウエスタンブロットにより反応することを確認した。