5 0 0 0 知の論理

著者
小林康夫 船曳建夫編
出版者
東京大学出版会
巻号頁・発行日
1995
著者
小林 康夫 吉川 修身
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.294-299, 2009-05-15 (Released:2009-06-18)
参考文献数
22

右肩関節制動術予定患者に全身麻酔下に神経刺激装置を用いて斜角筋間ブロックを行った. 途中, 首を左右に振る動きがあった以外に異常筋収縮はなかった. ブロック直後に両側瞳孔散大を伴う血圧低下をきたしたため, 全脊麻と判断し急速輸液と昇圧薬投与で対処した. 術後の意識および自発呼吸の回復は速やかで右上肢以外に麻痺を認めなかったが, 翌朝になっても右上肢麻痺が回復せず左上肢のしびれも訴えた. 頸髄MRIではC2~7に右側優位のT2高信号病変を認め, 梗塞性脊髄損傷が疑われた. 斜角筋間ブロックは, 短い針を用い尾側に明確に傾けるなど椎間孔に進入させない工夫が必要で, 神経刺激法を用いても全身麻酔下には行わない方が安全である.

1 0 0 0 OA telについて(II)

著者
ドルヌ フランス 川口 順二 小林 康夫 六鹿 豊
出版者
日本フランス語学会
雑誌
フランス語学研究 (ISSN:02868601)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.22-42, 1985-06-01 (Released:2017-09-13)

Dans cette partie de l'étude sur tel qui fait suite à la première parue dans le numéro 18 de cette revue, on examine d'abord les constructions N1 tel (que) N2 (III), et ensuite la construction N tel que+proposition (IV). En III, on propose l'hypothèse que N1 tel (que) N2 change de nature suivant qu'il y a absence (III. 1) ou présence (III. 2) de que, quoique l'emploi dit d'exemplification donne à tort l'impression que les deux emplois précédents se confondent complètement (III. 3). La nature de chacun des emplois est analysée à l'aide de critères de différents ordres tels que la nature de N1 et de N2, le type de détermination de ces deux N, la façon dont intervient le prédicat dont N1 est un argument, et on fait ressortir la différence entre tel N2 et comme N2. On notera qu'un des concepts théoriques élaborés en II concernant la construction Tel est Nx, à savoir celui de "type", aide à cerner les emplois N1 tel (que) N2 (emplois "comparatif" et "délimitatif"), et qu'un autre, celui de classe / membre, se combine avec le premier pour rendre compte de l'emploi N1 tel que N2 (emploi délimitatif), et qu'enfin l'emploi "exemplification" se situe dans le prolongement des deux, participant et de l'un et de l'autre quoique ceux-ci gardent dans une certaine mesure leur caractère respectif. En IV qui clôt notre enquête, on essaie de jeter quelque lumière sur la construction N tel que+proposition (P1). A travers différentes contraintes syntactico-sémantiques et lexicales, on montre qu'il convient de distinguer nettement trois espèces, à savoir : (i) le N tel que+P2 avec reprise anaphorique de N en P2 ; (ii) un N tel que+P2 ; (iii) emploi "intensif" (ou "de consécution"). Les emplois (i) et (ii) ont un tel cataphorique, alors que (iii) présente, au moins c'est notre hypothèse, l'opération d'auto-repérage source de la valeur intensive. La description des emplois (i) et (ii) nous a conduits à raffiner le concept de sous-classe utilisé en I dans l'analyse de la construction un tel N, et à proposer le concept d' "espèces de propriété". Dans la conclusion, en reprenant quelques points cruciaux de nos analyses au niveau des concepts descriptifs et théoriques, on prépare le terrain pour un débat futur.
著者
小林 康夫 小林 元雄 KOBAYASHI M.
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2001

前年度の研究を基に英文モノグラフの草稿作成を主とし、新たに下記のトピックを研究した。1.明治30年代小説が前景化した「社会」「家庭」とそれをめぐるドラマを国民国家生成に関連づけ、そこに固有の主体形成に関わる物語として分析した。近代文学史的枠を外し、尾崎紅葉、広津柳浪、川上眉山等、代表的文壇作家の小説を同じメディア空間に現れた、徳富蘆花、菊地幽芳、村井弦斎等の非文壇的「流行」小説と対比し、関連づけた。特に、弦斎の『日之出島』、蘆花の『黒潮』に注目した。2.20年代「美文」と近代紀行文成立との関係を、表象としての「自然」の生成過程として考察した。さらに、30年代の蘆花、子規の写生文との関連を探った。背景に明治初頭以来の近代地理学的知の移入、『日本風景論』に至る国粋保存的地政学言説の勃興、そして近代的「地誌」の「民俗誌」への変成という歴史過程がある。この背景も含めて「日本」というトポスがいかに形成され機能したかを考察した。『自然と人生』等の詩的自然風物誌に対象化された「自然」、そして同時代小説で他者として表象される「地方」はこの「日本」を共通の背景として生成する。3.出版資本の発達に伴う想像の共同体の成立は、知のパラダイム転換として理解されているが、文学がナショナリズムに関わるいま一つ重要な様式は、声、物語の共有に基づく情念の共同体の形成である。大衆小説の原型とされる講談落語そして歴史小説における、「実録物」的物語の再説話化は、活字化されても、声の共同体の記憶をひきずっており、そのことで大衆的道徳感情に訴える。明治20年代に勃興する新派劇、浪花節は、このメカニズムを内包しており、講談落語の速記出版、歴史小説の流行とも相関関係にある。この視角から、村上浪六、村井弦斎等の大衆歴史小説に焦点を当て、近世的世俗道徳理念を国民国家の情緒的共同性のエトスとして転位させる説話構造を探った。
著者
浦 雅春 石光 泰夫 小林 康夫 杉橋 陽一 河合 祥一郎 高橋 宗五
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

本研究は既存の国や文化の枠を超えてますますクロスオーバー化する現代の演劇の諸相を歴史的淵源にさかのぼって分析するとともに、近年著しい成果をあげているインターディシプリナリーな分析装置を手がかりに多角的に演劇の表象システムを再検討することを目指したものである。年度ごとの研究成果を記せば、以下の通りである。平成9年度においては、まず研究の端緒として広くヨーロッパ近代演劇の成立にかかわる各国の演劇理論を再検討し、個々の演劇理論が具体的にどのような舞台表象とつながりの中で発展してきたかを解明した。平成10年度には、「身体論」と「空間論」の観点から演劇の表象システムを考究した。おのおの文化に固有な身体観や空間意識がいかなる形式を演劇に与えるか、また逆に演劇という表象システムが演劇固有の身体や空間を形作ってきたか、その相互のダイナミズムを理論化した。平成11年度には、精神分析の立場から演劇に分析を加えた。たんに戯曲というテクストを精神分析的に解剖するのではなく、演劇と精神分析がきわめて類似した表象システムであることを分析し、演劇の中でヒステリー的身体がいかに抑圧され、また解放されてきたを歴史的に解明した。最終年の平成12年度には、これまでの研究成果の取りまとめの段階として、演劇という表象システムの歴史的変遷を総括した上で、演劇と他のメディアの相互作用、個別身体論や空間論との交叉から演劇のインター・カルチャー的本質を抽出し、演劇理論の新しいパラダイムを構築した。