- 著者
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工藤 崇
檀原 徹
岩野 英樹
山下 透
柳沢 幸夫
- 出版者
- 国立研究開発法人 産業技術総合研究所 地質調査総合センター
- 雑誌
- 地質調査研究報告 (ISSN:13464272)
- 巻号頁・発行日
- vol.62, no.7, pp.273-280, 2011
新潟県加茂地域,三条市塩野淵において,中部中新統の七谷層から黒雲母に富むテフラを発見し,塩野淵バイオタイト(Sbi)テフラと命名した.本テフラは灰色を呈する層厚9 cmの結晶質中粒~極粗粒砂サイズの凝灰岩で,七谷層の玄武岩~安山岩火山砕屑岩と明灰色塊状泥岩の間に挟在する.本テフラの構成鉱物は,斜長石(オリゴクレース及びバイトゥナイト組成),石英,サニディン,黒雲母,不透明鉱物を主体とし,微量のジルコンと褐れん石を伴う.本テフラのジルコンFT年代は13.8±0.3 Maであり,微化石層序と調和する.本テフラは,同じく七谷層に挟在し,紀伊半島の室生火砕流堆積物に対比されるKbiテフラと同様な層準にあり,非常によく似た層相を示す.しかし,SbiテフラとKbiテフラは,斜長石組成の不一致,微量に含まれる重鉱物の組み合わせの不一致,ジルコンのウラン濃度の不一致から対比されない.したがって,今後,両者の対比にあたっては注意が必要である.