著者
鳥井 亮 山口 雄大 畑 亮輔 樵田 千洋 樋口 周人 中元 洋子 吉井 千春 矢寺 和博
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.273-276, 2023-04-28 (Released:2023-04-28)
参考文献数
10

症例は74歳男性.3年前に労作時呼吸困難が出現し,当院を受診した.慢性閉塞性肺疾患(COPD)と診断し,長時間作用性抗コリン薬(LAMA)/長時間作用性β2刺激薬(LABA)配合薬による治療を開始した.しかし,徐々に自覚症状の悪化,呼吸機能の低下や労作時低酸素血症を認めたため,在宅酸素療法導入も検討された.COPDに対する呼吸リハビリテーション(呼吸リハビリ)としてケア・トランポリンを用いた音楽運動療法を毎週1回,9ヵ月間行ったところ,労作時呼吸困難は軽減し,mMRCは2から1,CATは22点から13点と改善を認めた.肺機能検査にてFEV1は 1.59 Lから 1.78 L,VCは 3.45 Lから 3.85 Lまで増加した.また,1日平均歩数は,4,000歩以上改善し,6分間歩行時の最低酸素飽和度は85%から91%と改善し,在宅酸素療法を導入しなくても日常生活が送れるようになった.
著者
山口 雄大 進 訓央 兼川 雄次 松浦 恒明 圓尾 明弘
出版者
西日本整形・災害外科学会
雑誌
整形外科と災害外科 (ISSN:00371033)
巻号頁・発行日
vol.69, no.1, pp.96-100, 2020-03-25 (Released:2020-04-30)
参考文献数
5

脛腓骨骨折術後感染再燃にiMAP(intra-medullary antibiotics perfusion)が有効であった1例を経験したので報告する.症例は61歳男性.階段を踏み外した際に左足を捻ってついて受傷.エックス線写真で関節面に骨折線のある脛腓骨遠位骨幹部骨折を認め,locking plateとK-wireによる固定を行った.術後1か月時に創部より排膿を認め経静脈的抗菌薬投与開始,症状軽快し以降は血液検査上CRP陰性であった.術後10か月時に創部より排膿再発し,皮膚欠損も認めた.深部感染を併発したと判断し,抜釘・掻爬自家骨移植・一期的に髄内釘に置換し,脛骨にiMAP-pinを2本と皮下にセイラムサンプチューブを留置した.ゲンタマイシン40mg/50ml生理食塩水/dayを3箇所から持続注入し,創部より持続陰圧を行った.2週間後にiMAP-pin抜去し,アンピシリン/スルバクタム点滴投与を2週間継続したところ,創部は徐々に閉鎖していった.以降感染再燃所見は認めず,疼痛なく歩行可能で経過している.圓尾らが開発したiMAP-pinは従来使用されていた東北大式骨髄針よりも抜けにくい構造となっており,骨接合術後の感染に対する治療法として有効であった.
著者
大島 直樹 山口 雄大 デシルバ ラビンドラ 岡田 美智男
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.288-300, 2014-05-01 (Released:2014-04-04)
参考文献数
17

Understanding why people treat simple geometric animations like real agent which has intention to interact with people even if its geometry is artificial thing will aid the `agency' problems of human-agent interaction. This paper explores effects of treating simple geometric animations as a real participant to facilitate multi-party conversation in social interaction. Observational study was conducted with groups of two or three persons using simple circle (sociable spotlight) which moves based on dynamic information in the current multi-party conversation, with the goal of discovering how participants are utilizing the behaviors of sociable spotlight as an other party for organizing the conversational sequences in talk-in-interaction. In addition, we motivated to explore how the sociable spotlight is embedded within the organization of conversation and how the user's behaviors are changed according to the sociable spotlight's behaviors by investigate through conversation analysis of a video-recording. Finally, we conclude how the agency of artificial things constructed in multi-party conversation from minimal designing point of view.
著者
大島 直樹 山口 雄大 デシルバ ラビンドラ 岡田 美智男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. HCS, ヒューマンコミュニケーション基礎 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.111, no.190, pp.33-38, 2011-08-19

多人数会話の流れの中で,光の照射する位置を調整するスポットライト型のクリーチャ(Sociable Spotlight)は,人と人との社会的な相互行為にどのように織り込まれていくのだろう.本発表では,多人数インタラクションに参加する参与者たちがスポットライトの動きを一つのリソースとして取り込みながら相互行為を組織する様子を観察したビデオデータの例を手掛かりに,社会的相互行為の組織化の基底にある「場」に対する構成的な理解に向けた一つの方法について議論する.