著者
宮川 洋一 山崎 浩二 名越 利幸 渡瀬 典子 ホール ジェームズ 土屋 明広 田中 吉兵衛 立花 正男 山本 奬 今野 日出晴 川口 明子 田代 高章 藤井 知弘 長澤 由喜子 遠藤 孝夫 MIYAGAWA Yoichi YAMAZAKI Kouji NAGOSHI Toshiyuki WATASE Noriko James M HALL TSUCHIYA Akihiro TANAKA Kichibei TACHIBANA Masao YAMAMOTO Susumu KONNO Hideharu KAWAGUCHI Akiko TASHIRO Takaaki FUJII Tomohiro NAGASAWA Yukiko ENDOU Takao
出版者
岩手大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
岩手大学教育学部附属教育実践総合センター研究紀要 (ISSN:13472216)
巻号頁・発行日
no.14, pp.219-230, 2015

本研究の目的は,4年次後期に必修となった教職実践演習における模擬授業のあり方を検討し,評価基準を策定することにある。そのうえで,ICTを活用して,組織的に評価を行うシステムを構築し,試験的運用を行うことである。「教職実践演習」は,「教育職員免許法施行規則の一部を改正する省令」により,平成22年(2010)年度入学生から導入される教員免許必修科目であり,学生が最終的に身につけた資質能力を,大学が自らの養成教員像や到達目標に照らして最終的に確認することを目的としている。中教審による「今後の教員養成・免許制度の在り方について(答申)」(2006)によると,教職実践演習の授業内容は,①使命感や責任感,教育的愛情に関する事項,②社会性や対人関係能力に関する事項,③幼児児童生徒理解や学級経営に関する事項,④教科・保育内容等の指導力に関する事項を含めること,が適当であるとされている。そして,教職実践演習の実施にあたっての留意事項として,授業の方法は演習を中心とすること,役割演技(ロールプレーイング),事例研究,現地調査(フィールドワーク),模擬授業等も積極的に取り入れることが望ましいこと等が示されており1),極めて実践的・実務的色彩の強い内容となっている。
著者
壁谷沢 万里子 長沢 由喜子 KABEYASAWA Mariko NAGASAWA Yukiko
出版者
日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.39, no.11, pp.p1141-1153, 1988-11

The purpose of this study is to grasp the actual conditions of the use of domestic services, to discover the use-factors, and to clarify the use-structure. Part 1 is a report on the factors which were extracted from the analysis of housewives in their use-tendency according to age, family type, occupation, and education. The results obtained were as follows : 1) Especially in the services relative to food, the controlling factors of use were at work in the older group. 2) The promoting factors of use which worked on the younger group were their tendency to convenience and evaluation of quality. 3) The peculiarities of use-tendency in the single or couple family type were recognized. 4) In the services relative to clothing, the tendency of those working full-time was remarkable. Evaluation of quality in these worked as the promoting factors of use and caused the use-fixation. 5) The economic condition of lower educated group worked as the controlling factor of use. 基本的属性との関連において家事サービスの利用傾向について分析を行った結果, 利用促進および利用抑制要因に関して得られた考察の要約は次のとおりである. 1) 食品関連項目のなかで, とくに新たな加工形態の食品 (冷凍食品・レトルト食品・半調理品など) は51歳以上の高年齢群に利用抑制が強くはたらく事実が確認された. 2) 高年齢群の利用拒否の根強さは, 利用動機からもうかがえ, 家事に対する保守性・利用に対するうしろめたさ・加齢に伴う食嗜好の変化などが抑制要因としてはたらくことによると推察される. 3) 若年齢群の利用促進要因としては, 第1に利便性志向が指摘され, 第2に他年齢群に比較して質評価が高いことがあげられ, とくに家族との外食において顕著である. 4) 高年齢群の単独・夫婦のみ世帯において, 家族人数・経済性・手軽さ・夫の好みなどの点により, 外食より出前を志向する傾向が認められた. 5) 核家族において, 家族との外食に利用促進要因が働く事実が確認され, 雰囲気としての楽しみを求める, 新たな価値意識に基づく質評価が利用定着を誘因している. 6) 勤務者の利用が衣生活関連サービスにおいてきわ立ち, 専業主婦でも質評価をしている場合には利用が高まる傾向が認められたことより, 質評価が時間的拘束度をしのいで利用促進要因として働くことが明らかとなった. 7) 質評価が高い場合には今後の利用意向が高く, 質家事サービスの利用要因に関する構造的分析 (第1報) 評価と利用定着との結びつきが確認され, とりわけこの傾向は高学歴群において顕著である. 8) 低学歴群における経済性が, 家族との外食およびセータークリーニングにおいて利用抑制要因として働くことが認められた. 以上「利用」および「非利用」に分けて利用傾向を検討することにより, 利用傾向の特異性をより鮮明にとらえることができた.基本的属性のなかではとくに年齢が利用と深くかかわっており, それに伴って生活意識とのかかわりの重要性が浮かび上がった.さらに外食の余暇化現象の確認, 高齢者世帯における外食サービスのあり方に関する示唆, 今後の利用を予測する上でのサービスの質と利便性評価のもつ役割など, 新たな生活様式形成予測の手がかりを若干でも得ることができたと考える.家事サービスの利用要因の一部をそのはたらきとしてとらえたにすぎないが, 生活意識との分析を重ねることで, より利用構造の把握に近づくことになろう. なお, 本研究は昭和60年度日本家政学会東北・北海道支部第30回研究発表会および昭和61年度日本家政学会第38回大会においてその概要を発表した.