- 著者
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山田 剛太郎
- 出版者
- 一般財団法人 日本消化器病学会
- 雑誌
- 日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
- 巻号頁・発行日
- vol.96, no.4, pp.377-384, 1999-04-05 (Released:2008-02-26)
- 参考文献数
- 18
慢性肝炎の新しい組織分類として本邦では新犬山分類が,欧米ではDesmetらの新ヨーロッパ分類ともいうべき新しい分類が相次いで発表されている.C型肝炎ウイルスの血清学的診断が確立され,B型,C型慢性肝疾患のほぼ全経過が明らかにされ,さらには抗ウイルス剤を中心とした治療が広く実施されるようになるとともに慢性肝炎における肝生検の診断的意義も大きく変化してきた.このような時代に即した分類として,いずれの新分類も病変の進展度を線維化のstagingで,壊死・炎症の活動度をgradingに分けて評価する新しい診断基準となっている.診断基準の詳細を紹介するとともに,臨床応用として自験例を用いた若干の検討を供覧した.