著者
佐久川 廣
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.14-21, 1992-01-20 (Released:2011-09-07)
参考文献数
20
被引用文献数
2 2

沖縄県の献血者におけるHBs抗原陽性率は3.5%で, 全国平均 (1.5%) の2倍以上を示し, 全国-高い.一方, 肝硬変, 肝癌の死亡率は全国平均の約半分で, 全国で最も低い.今回著者は沖縄県のHBV感染と慢性肝疾患との関連におけるこの疫学的特異性を解明するために疫学調査を含めた臨床的検討を行った.先ず, 血清疫学的調査から次のような成績が得られた.1) 沖縄県の肝硬変, 肝細胞癌患者におけるHBs抗原の陽性率はそれぞれ15.2%, 24.4%で, 全国平均の陽性率 (肝硬変;23.4%, 肝細胞癌;31.4%) より低い.2) 無症候性キャリアにおける年齢別のHBe抗原陽性率は20歳以下の年齢で50%で, 年齢と共にその陽性率は低下し, 20代で15.7%で, 30歳以上では2~3%あるいはそれ以下の陽性率を示した.また, 肝外来を受診した無症候性キャリアの内, 6.3%が慢性肝炎, 1例 (0.2%) が肝硬変であった.一方, HBe抗原陽性B型慢性肝炎24例の検討では, 2年間の観察期間中に56.3%の症例にHBe抗原の自然消失を認め, これらの症例の年間の消失率は25.6%であった.このように, 沖縄県のHBs抗原キャリアにおいて, 若い時期にあるいは慢性肝炎の初期の段階でHBe抗原を陰性化させていることがその予後に良好な結果をもたらし, B型慢性肝疾患の有病率を低下させていると推定された.
著者
阿部 敏紀 相川 達也 赤羽 賢浩 新井 雅裕 朝比奈 靖浩 新敷 吉成 茶山 一彰 原田 英治 橋本 直明 堀 亜希子 市田 隆文 池田 広記 石川 晶久 伊藤 敬義 姜 貞憲 狩野 吉康 加藤 秀章 加藤 将 川上 万里 北嶋 直人 北村 庸雄 正木 尚彦 松林 圭二 松田 裕之 松井 淳 道堯 浩二郎 三原 弘 宮地 克彦 宮川 浩 水尾 仁志 持田 智 森山 光彦 西口 修平 岡田 克夫 齋藤 英胤 佐久川 廣 柴田 実 鈴木 一幸 高橋 和明 山田 剛太郎 山本 和秀 山中 太郎 大和 弘明 矢野 公士 三代 俊治
出版者
The Japan Society of Hepatology
雑誌
肝臓 = ACTA HEPATOLOGICA JAPONICA (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.47, no.8, pp.384-391, 2006-08-25
被引用文献数
18 56

極く最近まで殆んど不明状態にあった我国のE型肝炎の実態を明らかにする目的で,我々は全国から総数254例のE型肝炎ウイルス(HEV)感染例を集め,統計学的・疫学的・ウイルス学的特徴を求めてこれを解析した.その結果,[i]HEV感染は北海道から沖縄まで全国津々浦々に浸透していること;[ii]感染者の多くは中高年(平均年齢約50歳)で,且つ男性優位(男女比約3.5対1)であること;[iii]我国に土着しているHEVはgenotype 3とgenotype 4であるが,後者は主に北海道に偏在していること;[iv]年齢と肝炎重症度との間に相関があること;[v]Genotype 3よりはgenotype 4による感染の方が顕性化率も重症化率も高いこと;[vi]発生時期が無季節性であること;[vii]集積症例全体の約30%は動物由来食感染,8%は輸入感染,2%は輸血を介する感染に帰せしめ得たものの,過半の症例(約60%)に於いては感染経路が不明のままであること;等の知見を得た.<br>
著者
大城 淳一 国吉 孝夫 盛島 浩明 照喜名 重順 城間 健治 新垣 聰 東恩納 厚 新垣 民樹 浦崎 政仁 佐久川 廣 金城 福則 斎藤 厚 Ohshiro Junichi Kuniyoshi Takao Morishima Hiroaki Terukina Shigeyoshi Shiroma Kenji Arakaki Satoshi Higashionna Atsushi Arakaki Tamiki Urasaki Masahito Sakugawa Hiroshi Kinjo Fukunori Saito Atsushi 琉球大学医学部第一内科
出版者
琉球大学医学部
雑誌
琉球大学医学会雑誌 : 医学部紀要 = Ryukyu medical journal (ISSN:02891530)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.28-34, 1989

Sulfasalazine and corticosteroids have been used for the treatment of ulcerative colitis. Recently, it is investigated to use metronidazole for treatment of ulcerative colitis. We tried to use metronidazole for three patients with ulcerative colitis , to whom neither sulfasalazine nor corticosteroids were effective. In case 1 the patient was 37-year-old female,to whom conticosteroids had been ineffective. After treatment by metronidazole together with corticosteroids, the symptoms were improved. In case 2 the patient was 74-year-old female, who had relapsed during treatment with sulfasalazine. Treatment with metronidazole alone resulted in the remission of disease. In case 3 the patient was 32-yearold female, to whom the treatment with sulfasalazine and corticosteroids enema had been ineffecitve. By use of metronidazole together with sulfasalazine, she had remission. It seems that metronidazole is useful for the treatment of ulcerative colitis, especially in patients who did not respond to other drugs.
著者
中村 正治 平良 勝也 大野 惇 平良 雅克 佐久川 廣 高橋 和明 三代 俊治
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.161-162, 2006 (Released:2006-11-24)
参考文献数
6
被引用文献数
9 9

We investigated for HEV-RNA in serum samples obtained from 15 wild boars in the Iriomote Island of Okinawa Prefecture, and 2 of 15 (13.3%) were positive for HEV-RNA. Sequence analysis of a part of ORF1 region (326 nt) indicated that the 2 isolates from the Iriomote's boars (wbOK126 and wbOK128) were fairly remote from known strains: none of known sequences showed a nucleotide similarity greater than 90%. In phylogenetic tree analyses, however, the wbOK126 and wbOK128 isolates segregated to genotype 4, and formed a cluster with Chinese strains, rather than with Japanese ones interestingly. Regarding the geographical situation of the Iriomote Island (i.e., nearer to China than to Japan's main lands), our present results provide a clue to the origin of Japan-indigenous HEV strains.
著者
柴田 大介 新垣 伸吾 前城 達次 佐久川 廣 青山 肇 植田 玲 外間 昭 藤田 次郎
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.677-682, 2014-11-20 (Released:2014-12-03)
参考文献数
10

症例は23歳女性.成長ホルモン分泌不全症の既往がある.2010年8月から肝機能障害の悪化が認められ精査目的に当科に紹介となった.肥満は認められなかったがCTで著明な脂肪肝が認められ,成長ホルモン分泌の指標であるinsulin like growth factor-1(IGF-1)が25 ng/ml(基準値119-389 ng/ml)と低値であった.肝生検を行いAdult growth hormone deficiency(AGHD)によるnon-alcoholic steatohepatitis(NASH),Bruntの分類Grade 1,Stage 1と診断した.治療として成長ホルモンの補充療法を行い,肝機能の改善が認められた.AGHDのNASHでは通常の生活習慣病にともなうNASHと違い成長ホルモンの補充療法が重要な治療の選択肢の一つであると考えられた.
著者
高良 武博 大湾 知子 加藤 種一 上原 勝子 津波 浩子 佐久川 廣美 備瀬 敏子 久田 友治 新里 敬 健山 正男 比嘉 太 佐久川 廣 草野 展周 斎藤 厚
出版者
Japanese Society of Environmental Infections
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.267-273, 2004-05-10 (Released:2010-07-21)
参考文献数
13
被引用文献数
5

MRSA分離患者が多かった病棟において, 看護行為前後の手指衛生行動としての手洗いと手指消毒を経時的に参与観察し, 接触伝播に対する防止対策を検討した.看護行為全体に対する直接看護行為の割合は46%で, 診療・治療の介助が16.2%, 排泄ケアが9.8%と高く, 手指衛生行動の実施率は排泄ケア前後が46.6%と最も高かった. それらの行為後では流水による手洗いが多く, 実施場所はナースステーションが多かった. 手指衛生行動の必要場面の実施率は行為前より行為後が高く, 診療・治療の介助前が12.5%, 介助後が30%, 排泄ケア前が11.1%, ケア後が55.6%であった. しかし, MRSA患者に対しては排泄ケア, 入浴介助時の手袋着用率は高いが, 取り外し後の手指衛生行動の実施率は低かった. 手指衛生行動の関連要因では, 直接看護行為後に必要な手指衛生行動の実施率は看護経験年数と正の相関を認めた. 以上の結果より, 手指衛生行動の教育・啓発活動としては, ケア前後及び手袋取り外し後の手指衛生行動の遵守強化, 連続看護行為時の手指消毒の推奨, 手洗い設備としては, 看護行為場所から手洗いシンクへの移動時の接触伝播防止として, 各病室の手洗いシンクへの石鹸やペーパータオルの設置が必要である. 今後, 手指衛生行動の評価には看護行為実践時の経時的観察が必要であり, 看護行為及び手指衛生行動を経時的かつ迅速に評価できる観察・評価表を考案した.
著者
高良 武博 大湾 知子 加藤 種一 上原 勝子 津波 浩子 佐久川 廣美 備瀬 敏子 久田 友治 新里 敬 健山 正男 比嘉 太 佐久川 廣 草野 信周 斎藤 厚
出版者
Japanese Society of Environmental Infections
雑誌
環境感染 (ISSN:09183337)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.267-273, 2004-05-10
被引用文献数
13

MRSA分離患者が多かった病棟において, 看護行為前後の手指衛生行動としての手洗いと手指消毒を経時的に参与観察し, 接触伝播に対する防止対策を検討した.看護行為全体に対する直接看護行為の割合は46%で, 診療・治療の介助が16.2%, 排泄ケアが9.8%と高く, 手指衛生行動の実施率は排泄ケア前後が46.6%と最も高かった. それらの行為後では流水による手洗いが多く, 実施場所はナースステーションが多かった. 手指衛生行動の必要場面の実施率は行為前より行為後が高く, 診療・治療の介助前が12.5%, 介助後が30%, 排泄ケア前が11.1%, ケア後が55.6%であった. しかし, MRSA患者に対しては排泄ケア, 入浴介助時の手袋着用率は高いが, 取り外し後の手指衛生行動の実施率は低かった. 手指衛生行動の関連要因では, 直接看護行為後に必要な手指衛生行動の実施率は看護経験年数と正の相関を認めた. 以上の結果より, 手指衛生行動の教育・啓発活動としては, ケア前後及び手袋取り外し後の手指衛生行動の遵守強化, 連続看護行為時の手指消毒の推奨, 手洗い設備としては, 看護行為場所から手洗いシンクへの移動時の接触伝播防止として, 各病室の手洗いシンクへの石鹸やペーパータオルの設置が必要である. 今後, 手指衛生行動の評価には看護行為実践時の経時的観察が必要であり, 看護行為及び手指衛生行動を経時的かつ迅速に評価できる観察・評価表を考案した.
著者
大城 淳一 国吉 孝夫 盛島 浩明 照喜名 重順 城間 健治 新垣 聰 東恩納 厚 新垣 民樹 浦崎 政仁 佐久川 廣 金城 福則 斎藤 厚 Ohshiro Junichi Kuniyoshi Takao Morishima Hiroaki Terukina Shigeyoshi Shiroma Kenji Arakaki Satoshi Higashionna Atsushi Arakaki Tamiki Urasaki Masahito Sakugawa Hiroshi Kinjo Fukunori Saito Atsushi 琉球大学医学部第一内科
出版者
琉球大学医学部
雑誌
琉球大学医学会雑誌 : 医学部紀要 = Ryukyu medical journal (ISSN:02891530)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.28-34, 1989

Sulfasalazine and corticosteroids have been used for the treatment of ulcerative colitis. Recently, it is investigated to use metronidazole for treatment of ulcerative colitis. We tried to use metronidazole for three patients with ulcerative colitis , to whom neither sulfasalazine nor corticosteroids were effective. In case 1 the patient was 37-year-old female,to whom conticosteroids had been ineffective. After treatment by metronidazole together with corticosteroids, the symptoms were improved. In case 2 the patient was 74-year-old female, who had relapsed during treatment with sulfasalazine. Treatment with metronidazole alone resulted in the remission of disease. In case 3 the patient was 32-yearold female, to whom the treatment with sulfasalazine and corticosteroids enema had been ineffecitve. By use of metronidazole together with sulfasalazine, she had remission. It seems that metronidazole is useful for the treatment of ulcerative colitis, especially in patients who did not respond to other drugs.