- 著者
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田中 早苗
山田 智子
- 出版者
- 大阪大学大学院 大阪大学・金沢大学・浜松医科大学・千葉大学・福井大学連合小児発達学研究科
- 雑誌
- 子どものこころと脳の発達 (ISSN:21851417)
- 巻号頁・発行日
- vol.11, no.1, pp.62-70, 2020 (Released:2020-09-24)
- 参考文献数
- 44
自閉スペクトラム症(ASD)の特性を持つ人は,自分や他者に対する理解や相互的なコミュニケーションのやり方がユニークであるがゆえ,様々な社会的な適応場面において困難な状況に直面することが多い.中でも学校という大きな集団の中で,同年代のクラスメイトや仲間との関わりにおいて,友だち作りや友だちとの良好な付き合いを継続することが難しく,孤立しがちである.多くの子どもたちが友だちを作り,社会的な交流を活発に行う際には,友だち作りが成功するための方法,法則があり,またそうするためのモチベーションが存在する.その法則を,ASDの人の学び方に合わせた工夫を盛り込んで共に考え身につけるトレーニングプログラムPEERSがカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で開発され,世界中で実践され,本邦においてもその有効性が実証されている.プログラムの実施方法や参加者が何を学ぶかを筆者らの実践とともに詳説し,今後の展望をまとめた.