著者
国宗 翔 岡田 修一
出版者
日本理学療法士学会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.21-29, 2019 (Released:2019-02-20)
参考文献数
39

【目的】障害物への接近,Lead limb とTrail limb の跨ぎ越えという一連の動作を歩行中の障害物跨ぎ動作とし,3 軸加速度計を用いて若年者と高齢者を対象に側方の姿勢安定性について明らかにする。【方法】対象者は14 人の健常若年者と14 人の健常高齢者とした。対象者は自由歩行と歩行中の障害物跨ぎ動作を行った。得られた加速度データから,各区間における側方のRoot Mean Square(以下,RMSML),およびRMS Ratio(以下,RMSRML)を算出した。【結果】RMSRML は自由歩行より障害物跨ぎ歩行の方が有意に大きく,年齢の主効果は認められなかった。RMSML はTrail limb の跨ぎ区間で他の区間よりも有意に大きかった。【結論】年齢にかかわらず,自由歩行よりも歩行中の障害物跨ぎ動作で側方への身体動揺が大きくなり,Trail limb の跨ぎ区間でもっとも姿勢不安定になる可能性が示唆された。
著者
籔根 敏和 岡田 修一 山崎 俊輔 永木 耕介 猪熊 真
出版者
日本武道学会
雑誌
武道学研究 (ISSN:02879700)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.14-25, 1999-05-31 (Released:2012-11-27)
参考文献数
42
被引用文献数
2

The purpose of this study was to explain to the meaning of JU-NO-RI. We examined to ROSHI, SANRYAKU, and literatures on JUJUTSU.The results was as follows.1. The JU in ROSHI is the word which described to the gentle manner, the invisible form, and the behavior never go toward disturbance of MIGHI.The man of JU in ROSHI is man who acquired to the stable and productive personality by counterpoise of opposite facultys in man.2. The JU in SANRYAKU imply the gentle character, and the GO imply the aggressive character. It is valued to combine JU with GO in SANRYAKU.3. The JU in JUJUTSU in the word which described to man's smooth movement nothing clash of forces. The RI in JUJUTSU means the substance which produced to the manner, movement, etc.4. The JU-NO-RI means the substance which acquired the counterpoise opposite facultys in man..
著者
藤松 孝裕 廣田 真史 藤田 秀臣 岡田 修 鈴置 純
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.68, no.673, pp.2534-2541, 2002-09-25 (Released:2008-03-28)
参考文献数
19

The deformation of the interface between a water drop and silicone-oil surface impacted by it was examined in detail. Special attention was directed to the influences of the water-drop diameter dL on the deformation of oil surface and on that of the water drop itself after the impact with the oil surface. The drop diameter was varied from 1.9 mm to 4.1 mm. The influences of dL on the shape of oil cavity at its maximum depth and on the drop shape at its maximum spread were observed conspicuously in case of minimum oil viscosity of vT=5 mm2/s. It was also found that both the maximum cavity depth ratio DM/dL and the maximum diametral deformation ratio dM/dL became smaller as dL was increased. These deformation parameters DM/dL and dM/dL could be well correlated with the impact velocity of drop uL for each oil viscosity. Moreover, in Case B, C and D, DM/dL could be correlated by a dimensionless group ReTLWeTL, and dM/dL was correlated by Re2LOh for highly viscous silicone oil of vT ≥ 5 × 103 mm2/s.
著者
太田 幸志 原田 和弘 増本 康平 岡田 修一
出版者
一般社団法人日本理学療法学会連合
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
pp.12221, (Released:2022-08-05)
参考文献数
40

【目的】他者との運動実施が高齢者の運動継続に望ましい影響を与えるかと,この影響の強さは基本属性や外向性(性格の1側面)によって異なるかを検証した。【方法】神戸市灘区で計3回の質問紙調査(事前,1年後,3年後)を実施した。1年後の運動継続は434名を,3年後の運動継続は380名を分析対象とした。【結果】重回帰分析の結果,事前調査で他者と運動を実施していることは,1年後と3年後の運動継続へ有意に影響していなかった。他者との運動実施と基本属性や外向性との交互作用項のうち,仕事の有無との交互作用が3年後の運動継続へ有意に影響していた。層別解析の結果,統計的に有意でなかったが,仕事をしている者のほうが,他者との運動実施による好影響を受けやすい傾向にあった。【結論】本研究では,仕事状況によって影響の強さは異なる可能性があるものの,他者との運動実施が運動継続に及ぼす影響は限定的であることが示唆された。
著者
河野 一郎 禰占 哲郎 上島 隆秀 高杉 紳一郎 岩本 幸英 岡田 修司 根岸 玲子 鈴木 理司 河村 吉章 石井 櫻子
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2003, pp.E0271-E0271, 2004

【目的】老人福祉施設では、利用者の増加に伴いそのニーズも多様化しており、独自のサービスを工夫し提供している。その一環としてゲームセンター用の業務用ゲーム機を導入している施設もある。ゲーム機には、楽しく夢中になることで自発的に身体を動かす効果が期待されているが、その身体機能改善効果の科学的検証はほとんどなされていない。今回、デイサービス利用者に対するゲーム機導入の有用性について検討した。<BR>【方法】対象は青森県八戸市のCデイサービス利用者のうち、痴呆を有する者を除き、ゲーム機導入時から1年間継続してデイサービスを利用した者27名であり、ゲーム機を継続的に使用した群(ゲーム機群)8名(男2名、女6名、年齢79.1±5.5歳)およびゲーム機を使用しなかった群(未使用群)19名(男1名、女18名、年齢79.4±6.6歳)に分類した。<BR> 両群とも各種体操や集団レクレーション等、一般的なデイサービスのプログラムを受けており、ゲーム機群ではこれに加え各人が自由選択したゲームを週1から3回行った。なおゲーム機群のすべての対象者は右手でゲームを操作していた。<BR> 使用したゲーム機は、namco社製 "ワニワニパニック"(ワニ叩き)、"ドドンガドン"(ボーリング)、"プロップサイクル"(自転車)、"ジャンケン倶楽部"(階段昇降)であった。<BR> 導入前および導入後2ヶ月毎に体力測定を行い、2群を比較検討した。体力測定の項目は、光刺激に対する反応時間(反応時間)、長座体前屈、Functional Reach(FR)、膝伸展筋力(両側)、握力(両側)、10m最大努力歩行(歩行速度)であった。<BR> 統計学的検討は、まずTwo-way ANOVAを行い、次に各群で、導入前と導入後の各月をそれぞれ対応のあるt検定にて比較検討した。<BR>【結果】ANOVAでは、すべての項目において両群間に有意差は認められなかった。しかし、t検定では、導入前に比べて複数の測定月で有意差を認めた。その項目は、ゲーム機群でFR、長座体前屈、左手握力、未使用群で反応時間、両手の握力であった。このうち両群とも握力は低下傾向で、他の項目は改善傾向であった。<BR>【考察】"ワニワニパニック"では出現するワニに対して前下方にハンマーを振り下ろす動作が、"ドドンガドン"では前方の目標物に対してボールを押し出す動作が要求されるため、前方への重心移動を反映するFRと前方への柔軟性を含む長座体前屈で改善傾向があったものと考えられる。また、握力についてゲーム機群の右手のみが有意な低下を示さなかったことは、ハンマーやボールを握ることで握力が維持されたものと考えられる。<BR> 楽しみながら行うアクティビティは内発的動機付けを促し、長期継続の効果が期待できる。今後は症例数を増やしゲーム機使用の効果をさらに明確にすると共に、心理面の評価も加味した研究を実施していく予定である。