著者
岡野 好伸 水谷 照一 高塚 昌宏 藤澤 伸悟
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.69, no.12, pp.J328-J337, 2015 (Released:2015-11-25)
参考文献数
21

ハイビジョン放送(HD-TV)サービスでは,放送衛星(Ku-バンド)の他,地上波(UHF-バンド)も搬送波として利用されている.これらの搬送波は,周波数が大幅に異なるため,既存の自己共振型アンテナでは,一元化が極めて困難である.そこで本論文では,衛星放送受信用アンテナのパラボラ反射器に着目,これをUHF-バンド用アンテナ素子として利用することを試みた.具体的には,パラボラ反射器の収束性能に与える影響を低く抑え,かつUHF-バンドでアンテナ素子として利用可能となるように,スロットを開口した.さらに,衛星放送波と地上波の到来方向の不一致を許容できるように,パラボラ反射器背面に付加素子を付与し,地上波に対して提案アンテナが緩指向性を示すようにする技術の開発を行った.
著者
岡野 好伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.85, no.8, pp.1426-1433, 2002-08-01
被引用文献数
15

本論文では,ループアンテナの有する広帯域性や利得の優位性を保ちつつ,複雑な無給電素子の装荷や高価な整合器を用いることなく,同軸線路の特性インピーダンスと整合可能な板状ループアンテナを提案する.具体的には,外形を変えることなくループ内側の開口部形状を変形させることを試みた.これにより,入力インピーダンスのコントロールが可能となり,VSWR≦2となる帯域がTV用UHF帯の中心周波数620MHzに対して約40%に達することを示した.また,反射板を装荷し単方向指向性としたアンテナを試作し実験とFDTDによる解析の両面で検討し,VSWR≦2となる帯域が620MHzに対して約50%にまで達することを確認した.更に,動作利得に関しては,UHF帯の全域にわたり7.6〜8.2dBiと極めて安定した利得を達成し,地上波ディジタル放送用アンテナとしての有用性を示した.