著者
金 信琴 勝浦 哲夫 岩永 光一 下村 義弘 井上 学
出版者
日本生理人類学会
雑誌
日本生理人類学会誌 (ISSN:13423215)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.9-16, 2005-02-25 (Released:2017-07-28)
参考文献数
32

This study measured and analyzed the amount of saliva and the taste threshold in response to lighting conditions (illuminance and color temperature) in different ethnic groups. Ten Japanese and ten Chinese healthy non-smoking male college students participated in the study. According to the results of repeated-measure ANOVA, the effect of illumination on the amount of saliva was significant in the Japanese students, and the Chinese students showed same tendencies regarding their saliva response, but not significant. On the other hand, the effect of illuminance on the taste threshold was considered significant in both these groups. Regarding the effect of color temperature, this study found significant changes in taste threshold only for Chinese. It is interesting to note that significant differences in the taste threshold regarding a salty taste were seen between the subject groups. The results of the present study indicated that the lighting condition could be considered an important parameter of taste sensation.
著者
川瀬 貴晴 中山 茂樹 岩永 光一 宗方 淳 吉岡 陽介
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

室内環境とそこに在室する人の知的生産性に関して国内外の文献によるデータベースを作成した。また、知的生産性を把握するための主観および客観評価手法の開発として、それぞれの調査手法を対象とする環境要素を様々に組み合わせた実験を実オフィスや実験室および模型を対象として実施し、それぞれの手法の適用性についての知見を得た。
著者
中西 美和 比嘉 裕介 岩永 光一
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.58, no.1, pp.17-24, 2011-05-31 (Released:2017-08-31)
参考文献数
18
被引用文献数
3

仮想三次元空間を体験する際、ユーザに与えられる視点は、大きく分けて二通りある。主人公の視点が再現される主観視点(First Person View)と、主人公を第三者的に見る客観視点(Third Person View)である。本研究では、主観視点と客観視点が持つ視覚的な特性の違いを踏まえて、それらが仮想三次元空間を体験するユーザの振る舞いに変化をもたらすのか、また、もたらすとすればそれぞれの視点においてどのような振る舞いが見られるのか明らかにする。実験では、仮想三次元空間に演出された迷路を二つの異なる視点でユーザに体験させ、その際の振る舞いを複数の観点から詳細に分析した。結果から、主観視点では視覚におけるリアリティが保たれる一方、行動におけるリアリティが損なわれがちであること、逆に客観視点では現実とは異なる視点が与えられる一方、行動におけるリアリティが維持されやすいことを見出した。最後に、上記の結果をもとに、用途や目的に応じた適切な視点の適用について提案した。
著者
李 花子 勝浦 哲夫 岩永 光一 下村 義弘 東 洋邦 一條 隆
出版者
人間-生活環境系学会
雑誌
人間と生活環境 (ISSN:13407694)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.21-27, 2008-05

光は,ヒトの急性な生理的反応や覚醒反応を引き起こす。最近,夜間の光反応に対する波長の依存性が報告されたがこれらの研究は,ほとんどメラトニン抑制や位相変位に関するものである。ヒトの昼間の覚醒水準に及ぼす影響を明確に示した研究はまだ少ない。本研究では,脳波と瞳孔径を測定して昼間の覚醒水準と瞳孔の反応に関する波長の効果を検討した。実験は,男子大学生10名について行なった(23±2.9歳)。単波長光条件は,420,458, 500, 550, 610, 670 nmにピークをもつ6つの干渉フィルタを使用して設定した。AAC(α波減衰係数)は, 240, 550, 610, 670nmより458nmの単波長光においてのAAC変化量が高いことが示された。このことから,昼間の458nmの単波長光暴露時の覚醒水準が高いことが示唆される。瞳孔径は,波長と時間経過の有意な交互作用(p=0.0014)が認められた。そこで,時間経過の区間毎に瞳孔径の変化を比較した結果,単波長光条件暴露16分後に,670nm単波長光暴露時の瞳孔径は458, 500, 550, 610nmのより大きくなることが示された。
著者
井上 学 野口 公喜 戴 倩穎 下村 義弘 岩永 光一 勝浦 哲夫
出版者
The Illuminating Engineering Institute of Japan
雑誌
照明学会 全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
pp.113, 2002 (Released:2003-07-17)

前回の実験により, 被験者の主観的選択から求められたオフィス照明の最適な色温度は自然光に近似した変化を示すことが分かった. 今回は, 求められた色温度変動カーブによるアンビエント照明の制御と一般的な5000K一定の照明要件とを比較して心理·生理的影響の違いを評価した. 机上面照度はいずれも900lx一定とした. 実験は, 調色可能な照明器具が天井に埋設された無窓の部屋を使用した. 実験測定時間は07:30∼12:30及び13:30∼17:30の合計9時間とし, 主観評価, 生理データ(脳波, 心拍変動, 血圧等)を測定した. その結果, 自然光の色温度変化に近似した色温度変動照明要件は一般的な5000K一定の照明要件と比較し, 疲労感や眠気, 精神的な緊張の軽減をもたらす効果のあることが示唆された.