著者
市川 徹子 松原 友子 原 武史 藤田 広志 遠藤 登喜子 岩瀬 拓士
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.87, no.1, pp.348-352, 2004-01-01
参考文献数
15
被引用文献数
13

乳腺の集中を伴う構築の乱れ領域の検出手法を提案する.本手法の乳腺集中を伴う症例に対しての真陽性率は84% (37/44), 1画像当りの偽陽性数は1.8個(81/44)であり,提案する手法の原理的な有効性が確認できた.
著者
松本 綾希子 梁 太一 澤泉 雅之 前田 拓摩 棚倉 健太 宮下 宏紀 岩瀬 拓士 五味 直哉
出版者
一般社団法人 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
雑誌
Oncoplastic Breast Surgery (ISSN:24324647)
巻号頁・発行日
vol.1, no.2, pp.64-74, 2016-12-26 (Released:2016-12-26)
参考文献数
19

シリコーン乳房インプラント (SBI) による乳房再建後には, 定期的な画像検査を行うことが推奨されている。今回われわれは, SBI による乳房再建および対側豊胸術後3年以上経過し無症状の SBI 829個に対して破損スクリーニング検査として超音波検査を実施し, 10個に明らかな破損を, 17個に軽微な破損を疑う所見を認めた。明らかに破損した症例では, 被膜と外殻の分離および内部シリコーンゲルの高エコー化がおもな超音波検査所見であった。また, 内部の液体貯留所見や外殻のわずかな破綻などの軽微な所見であれば, 注意深い経過観察が必要であると考えられた。明らかに破損した症例については SBI 入れ替えが推奨されるが, 軽微な所見であれば経過観察し, 適切な時期に交換を行って患者の QOL を損なわないように努めるべきである。また, 専門施設のみならず検診施設においてもスクリーニングが可能となるよう, 異常所見を周知する必要がある。
著者
小石 彩 岩瀬 拓士 堀井 理絵 秋山 太
出版者
特定非営利活動法人 日本乳癌検診学会
雑誌
日本乳癌検診学会誌 (ISSN:09180729)
巻号頁・発行日
vol.24, no.3, pp.342-345, 2015 (Released:2018-06-15)
参考文献数
26

乳癌検診で発見される病変のうち,悪性の可能性が否定できない病変に対しては穿刺による組織生検がしばしば行われる。しかし,その病理結果においても良悪性の鑑別が困難な症例をときに経験する。そのような場合に,臨床医がどのように対応すべきか明らかにすることを目的として,当院における検診後の鑑別困難症例を抽出し,病理学的所見で分類,その転帰を調べた。 2006年1年間に当院病理で針生検の診断を行った952件のうち,良悪性の鑑別が困難と診断された病変の数は30病変,そのうち検診で発見されたものは23病変であった。検体が少ない,あるいは変性しているため,確定診断が困難であったもの2例と良性病変内にDCIS が入り込んでいた1例を除外した20例(2.1%)が境界病変に相当した。その20例を病理学的に分類し,その転帰をカルテ上で調査した。境界病変のうちFEA(flat epithelial atypia)に相当する平坦型病変8例からは2例,ADH(atypical ductal hyperplasia)に相当する過形成型病変7例からは4例が後に癌と診断された。いずれもDCISか微小浸潤癌だった。境界病変からのちに癌の診断にいたる症例は確かに存在するが,慎重な経過観察をして,マンモグラフィや超音波検査で変化が出現したときに再生検すれば,早期癌の状態で診断できると思われた。
著者
山下 晃徳 吉本 賢隆 岩瀬 拓士 渡辺 進 霞 富士雄
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.2726-2731, 1994-11-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
18
被引用文献数
5 4

われわれは嚢胞内乳癌の臨床病理学的特徴をあきらかにする目的で,嚢胞内乳癌と嚢胞内乳頭腫の鑑別診断の可能性,嚢胞内乳癌の嚢胞周囲の乳管内進展を含めた病理組織学的特徴について検討した. 嚢胞内乳癌と嚢胞内乳頭腫との鑑別の可能性は,嚢胞内乳癌31例,嚢胞内乳頭腫23例を年齢,腫瘍径,超音波像などについて比較してみた.嚢胞内乳癌の乳管内進展については, 5mm幅の全割病理組織切片を作成して,癌の広がりをマッピングした. 嚢胞内乳癌は嚢胞内乳頭腫に比べ高齢者に多く, 60歳以上の嚢胞内腫瘍は癌である場合が多かった.また超音波像での両者の鑑別には,嚢胞内の腫瘤の辺縁の形状が大切で,辺縁の不整なものは癌に多いことが分かった. また嚢胞内乳癌は非浸潤癌が多く,腋窩リンパ節への転移も少ないが,乳管内の進展についてみると,約4割の症例が嚢胞壁より2cm以上乳管内を進展していた.
著者
岩瀬 拓 船橋 茂久 杉村 和之 米山 裕康 尾原 秀司
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
年次大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2006, pp.437-438, 2006
被引用文献数
1

A centrifugal fan for an inner unit of an air-conditioner was designed using a system based on computational fluid dynamics (CFD) and numerical optimization. Commercial CFD software (STAR-CD) with an in-house automatic grid generator was used. A simulated annealing algorithm for numerical optimization was also used to minimize the noise level and to maximize fan efficiency. The predicted noise level was calculated from the relative velocities obtained by CFD. Calculations show that the optimized fan produced low noise and was more efficient than a conventional fan, demonstrating that the system can be used to design silent and highly efficient fan. A further finding was that there was a correlation between specific noise level and fan efficiency. This correlation shows that it is important for designing the fan to uniform distribution of relative velocity.
著者
岩瀬 拓士
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1069, 2014-09-20

マンモグラフィ検診がまだ十分に日本に定着していなかった20年近くも前のことではあるが,当時我々が癌を強く疑って生検した石灰化の写真を,講演で来日したDr. Tabárに診てもらったことがある.一見多形性,区域性に見える石灰化ではあったが,彼は即座に良性と診断し,生検は不要だろうと答えたことを覚えている.生検結果が良性であったことを知る我々にとっては大変な驚きであったが,経験を積んだ今ならその診断理由をよく理解できる.当時の診断能力の差を思い知らされた貴重な経験となっている. 本書は,そうしたマンモグラフィの教育活動を世界中に展開してきたDr. Tabárの有名な著書「Teaching Atlas of Mammography」の第4版を訳したものである.第4版改訂を機に日本語への翻訳と出版が現実のものとなった.
著者
山下 昌宏 澤泉 雅之 前田 拓摩 棚倉 健太 宮下 宏紀 松本 綾希子 岩瀬 拓士 大野 真司
出版者
一般社団法人 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
雑誌
Oncoplastic Breast Surgery (ISSN:24324647)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.25-31, 2016-12-25 (Released:2016-12-26)
参考文献数
10

ティッシュエキスパンダー (以下TE) の留置は, さまざまな要因により延長される場合がある。今回われわれは留置が2年以上経過した症例を長期例とし, 期間, 要因および合併症を検討した。2006年1月から2012年12月の期間に TE を挿入した一次乳房再建例は740例であり, このうち長期例は30例 (4.1%) であった。長期留置30例の関連合併症は破損が4例 (13%) で, いずれも生理食塩水の漏出が緩徐な slow puncture であった。ほかに入れ替えを要する感染等は認められなかった。 長期留置の要因としては, 化学療法の影響やその合併症等が多数を占めたが, 他疾患の合併や患者事情により延期せざるを得ないことがある。その結果, TE の破損率は上昇すると予想されるが, 合併症によって緊急な処置を迫られるものではなく, 患者への IC を含め状況に応じた対応が必要である。
著者
山崎 優大 野里 博和 岩田 昌也 高橋 栄一 何森 亜由美 岩瀬 拓士 坂無 英徳
雑誌
情報処理学会論文誌数理モデル化と応用(TOM) (ISSN:18827780)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.28-37, 2015-03-30

錐制約部分空間法は,非負の特徴ベクトルに対して錐形状の空間を形成することで学習パターンを精度良く表現し,錐との角度を基にパターン認識を行う.しかし,錐形状の空間内では表面付近と中心付近の特徴ベクトルの区別ができないため,錐形状の空間の広がりが大きい場合は,認識性能が低下するという問題がある.そこで本論文では,錐の表面付近の異常を検出するため,錐形状の空間における確率密度を基にした異常検出手法を提案する.提案手法では,錐形状の部分空間の広がり方向を表す空間上において学習パターンの確率密度関数を作成し,確率密度が低い位置に存在する特徴ベクトルを異常として検出する.実験では,乳腺超音波画像の実データを用いて病変検出精度の検証を行い,提案手法の有効性を確認した.