著者
沢井 勝三 椎野 瑞穂 木村 明彦 五味 敏明 岸 清
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.165-174, 1993-12-01 (Released:2011-05-30)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

刺鍼の深さを考察するにあたり, 局所における臓器および組織の位置関係を充分把握しておくことは大切である。そのために足の太陽膀胱経を基準とした人体横断解剖標本を作成して, 体表から何mmでどの臓器, 組織に鍼先が到達するかを検索した。前回までは大椎穴 (督脈) より胆兪穴 (足の太陽膀胱経) まで調査した結果を報告した。今回は, 脾兪穴 (足の太陽膀胱経) より気海兪穴 (足の太陽膀胱経) までの5横断面について検索したのでこれを報告する。脾兪穴を基準とした横断面では, 鍼を体表より刺入すると皮膚を5mmで貫き, 皮下組織を4mmで貫いて, 固有背筋群を30mmで貫き第12胸椎横突起に鍼先が達した。体表より第12胸椎横突起まで39mmを計測した。胃兪穴を基準とした横断面では, 鍼を体表より刺入すると皮膚を5mmで貫き, 皮下組織を3mmで貫いて, 固有背筋群を28mmで貫き第1腰椎横突起に鍼先が達した。体表より第1腰椎横突起まで36mmを計測した。三焦愈穴を基準とした横断面では,鍼を体表より刺入すると皮膚を5mmで貫き,皮下組織を5mmで貫いて, 固有背筋群を26mmで貫き第2腰椎横突起に鍼先が達した。体表より第2腰椎横突起まで36mmを計測した。腎兪穴を基準とした横断面では, 鍼を体表より刺入すると皮膚を4mmで貫き, 皮下組織を5mmで貫いて, 固有背筋群を32mmで貫き第3腰椎横突起に鍼先が達した。体表より第3腰椎横突起まで41mmを計測した。気海兪穴を基準とした横断面では, 鍼を体表より刺入すると皮膚を4mmで貫き, 皮下組織を5mmで貫いて, 固有背筋群を30mmで貫き第4腰椎横突起に鍼先が達した。体表より第4腰椎横突起まで39mmを計測した。以上の結果を鍼灸医学臨床における深さの立場から考察した。
著者
椎野 瑞穂 沢井 勝三 木村 明彦 五味 敏昭 岸 清
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.125-134, 1993-09-01 (Released:2011-05-30)
参考文献数
24

刺鍼の深度とその周囲の臓器および組織の関係を調べるため, 足の太陽膀胱経を基準とした人体横断解剖標本を作成して, 体表から何mmでどの臓器, 組織に鍼先が到達するかを検索した。前回の大椎穴 (督脈) から蕨陰兪穴 (足の太陽膀胱経) までの5横断面にひき続いて, 今回は心兪穴 (足の太陽膀胱経) から胆兪穴 (足の太陽膀胱経) までの5横断面について検索した。心兪穴を基準とした横断面では, 体表より鍼を刺入させると皮膚を5mmで貫き, 皮下組織を2mmで貫き, 僧帽筋を3mmで貫き, 固有背筋群を17mmで貫いて第6肋骨に鍼先が達する。体表より第6肋骨まで27mmを計測した。督兪穴を基準とした横断面では, 皮膚を5mmで貫き, 皮下組織を3mmで貫き, 僧帽筋を3mmで貫き, さらに固有背筋群を17mmで貫いて第7肋骨に鍼先が達する。体表より第7肋骨まで28mmを計測した。隔兪穴を基準とした横断面では, 皮膚を4mmで貫き, 皮下組織を2mmで貫き, 僧帽筋を3mmで貫き, 広背筋を1mmで貫き, さらに固有背筋群を20mmで貫いて第8肋骨に鍼先が達する。体表より第8肋骨まで30mmを計測した。肝兪穴を基準とした横断面では, 皮膚を5mmで貫き, 皮下組織を6mmで貫き, 固有背筋群を32mmで貫いて第10肋骨に鍼先が達する。体表より第10肋骨まで43mmを計測した。胆兪穴を基準とした横断面では, 皮膚を4mmで貫き, 皮下組織を7mmで貫き, 固有背筋群を32mmで貫いて第11肋骨に鍼先が達する。体表より第11肋骨まで43mmを計測した。以上の結果を鍼灸医学臨床における深さの立場から考察した。
著者
沢井 勝三 椎野 瑞穂 木村 明彦 五味 敏昭 橋本 長 岸 清
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.271-280, 1991-09-01 (Released:2011-05-30)
参考文献数
24
被引用文献数
1 1

刺鍼の深さとその周囲の臓器の位置関係を調べるために, 足の太陽膀胱経を基準にした人体横断標本を作成して, 体表から何mmでどの組織, 器官に鍼先が達するかを検索した。今回は, 大椎穴 (督脈) から厥陰兪穴 (足の太陽膀胱経) までの5横断面について検索した。大椎穴を基準とした横断面では, 体表より鍼を刺入させると皮膚を7.5mmで貫き, 皮下組織を28.5mmで貫いて第7頸椎棘突起に鍼先が達する。体表より第7頸椎棘突起まで36mmを計測できた。大杼穴では, 皮膚を6mmで貫き, 皮下組織を8mmで貫き, 僧帽筋を5.5mmで貫き, 菱形筋を10mmで貫き, さらに固有背筋群を14mmで貫いて第2肋骨に鍼先が達する。体表より第2肋骨まで43.5mmを計測できた。風門穴では, 皮膚を7mmで貫き, 皮下組織を5mmで貫き, 僧帽筋を3.5mmで貫き, 菱形筋を4mmで貫き, さらに固有背筋群を18.5mmで貫いて第3肋骨に鍼先が達する。体表より第3肋骨まで38mmを計測できた。肺兪穴では, 皮膚を6mmで貫き, 皮下組織を4mmで貫き, 僧帽筋を3mmで貫き, さらに固有背筋群を22mmで貫いて第4肋骨に鍼先が達する。体表より第4肋骨まで35mmを計測できた。厥陰兪穴では, 皮膚を5mmで貫き, 皮下組織を3mmで貫き, 僧帽筋を4mm貫き, さらに固有背筋群を21mmで貫いて第5肋骨に鍼先が達する。体表より第5肋骨まで33mmを計測できた。以上の結果を鍼灸医学臨床における深さの立場から考察した。
著者
沢井 勝三 椎野 瑞穂 木村 明彦 五味 敏明 岸 清
出版者
社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.165-174, 1993
被引用文献数
1

刺鍼の深さを考察するにあたり, 局所における臓器および組織の位置関係を充分把握しておくことは大切である。そのために足の太陽膀胱経を基準とした人体横断解剖標本を作成して, 体表から何mmでどの臓器, 組織に鍼先が到達するかを検索した。前回までは大椎穴 (督脈) より胆兪穴 (足の太陽膀胱経) まで調査した結果を報告した。<br>今回は, 脾兪穴 (足の太陽膀胱経) より気海兪穴 (足の太陽膀胱経) までの5横断面について検索したのでこれを報告する。<br>脾兪穴を基準とした横断面では, 鍼を体表より刺入すると皮膚を5mmで貫き, 皮下組織を4mmで貫いて, 固有背筋群を30mmで貫き第12胸椎横突起に鍼先が達した。体表より第12胸椎横突起まで39mmを計測した。<br>胃兪穴を基準とした横断面では, 鍼を体表より刺入すると皮膚を5mmで貫き, 皮下組織を3mmで貫いて, 固有背筋群を28mmで貫き第1腰椎横突起に鍼先が達した。体表より第1腰椎横突起まで36mmを計測した。<br>三焦愈穴を基準とした横断面では,鍼を体表より刺入すると皮膚を5mmで貫き,皮下組織を5mmで貫いて, 固有背筋群を26mmで貫き第2腰椎横突起に鍼先が達した。体表より第2腰椎横突起まで36mmを計測した。<br>腎兪穴を基準とした横断面では, 鍼を体表より刺入すると皮膚を4mmで貫き, 皮下組織を5mmで貫いて, 固有背筋群を32mmで貫き第3腰椎横突起に鍼先が達した。体表より第3腰椎横突起まで41mmを計測した。<br>気海兪穴を基準とした横断面では, 鍼を体表より刺入すると皮膚を4mmで貫き, 皮下組織を5mmで貫いて, 固有背筋群を30mmで貫き第4腰椎横突起に鍼先が達した。体表より第4腰椎横突起まで39mmを計測した。<br>以上の結果を鍼灸医学臨床における深さの立場から考察した。
著者
林 貴史 澤田 隆 清水 哲 河村 良寛 岸 清志
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.60, no.5, pp.1366-1369, 1999-05-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
12

症例は60歳男性.糖尿病を指摘されていたが未治療であった.発熱,嘔気を主訴に入院,抗生剤の全身投与を行うも効果なく,敗血症からDIC状態となる. CTscanで肝外側区域に限局するガス産生化膿性肝膿瘍と診断されたため経皮的膿瘍ドレナージを試みるも少量の排液しか認めず,その排液からはKlebsiella pneumoniaeが検出された.膿瘍を含めた肝外側区域切除と胆嚢摘除術を行った.膿瘍は10×9×5cmで多数の隔壁を有する出血壊死巣であった.術後は治療に比較的よく反応し敗血症, DICは徐々に改善し,血糖はモノタード・インスリンでコントロール良好となった.膿瘍の経皮的ドレナージが困難なガス産生化膿性肝膿瘍症例に対する治療法の1つとして,膀膿瘍を含めた肝切除術は有効な方法と考えられた.
著者
岸 清
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:02897806)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.522, pp.45-49, 1995-09-20 (Released:2010-08-24)
参考文献数
2
被引用文献数
1
著者
岩本 明美 岸 清志 竹本 大樹 西江 浩 前田 迪郎
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.71, no.11, pp.2791-2794, 2010 (Released:2011-05-25)
参考文献数
11
被引用文献数
1

症例は75歳,男性.StageIIIa直腸癌と診断され,低位前方切除術を施行した.24病日に術後補助化学療法としてUFT/ユーゼルの内服を開始した.口内炎(Grade3)のため7日目に内服を中止.骨髄抑制が増悪し11日目に入院となった.汎血球減少が急速に増悪し,連日G-CSFと血小板輸血,抗生剤投与をおこなった.22日目より増加に転じ,36日目に退院となった.DPD活性は13mol/min/mg proteinと著しい低値でありDPD低活性と診断した.
著者
岸 清 西村 隆司
出版者
日経BP社
雑誌
日経コンストラクション (ISSN:09153470)
巻号頁・発行日
no.307, pp.30-33, 2002-07-12

5月31日,第90代土木学会会長に就任して打ち出したのが,「公共事業に対する不信感の払しょく」。特にマスコミの報道によって誤ったイメージが先行しているとし,「批判するのならもっと冷静に建設的な視点で」と訴える。東京電力で原子力発電所の建設に長年携わってきた経験も踏まえ,広報がいかに重要かを強調。一般社会に向けた「土木の広報」を,学会活動の主要な柱として挙げる。
著者
岸 清香
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2002

1980年代後半以降の現代美術の芸術生産において、活動領域の世界的拡大と価値規範の多様化が観察されるが、本研究はこの現象について、(1)「アジア現代美術」の芸術生産の様態、(2)フランスにおける公共政策、(3)日本における公共政策、の三つの研究軸から考察することを目指している。本年度はそのとりまとめとして、共著の刊行、学会報告、論説・翻訳文の発表を行った。まず上記(1)について、本研究で行ってきた福岡アジア美術館でのフィールドワークに基づき「美術館がアジアと出会うとき」(戦後日本国際文化交流研究会の論集『戦後日本の国際文化交流』所収)を上梓し、「アジア現代美術」を社会学的に考察するための視座を得た。特にこの「アジア現代美術」という美的カテゴリーが欧米で展開する多文化主義の議論を踏まえた言説空間のもとに出現した点に着目し、その論理的構成を整理した内容を日本社会学会年次大会で発表した。また(2)に関して、フランスで行ってきた調査研究を踏まえ、「1990年代の現代美術論争」を上梓したが、さらにこれを戦後フランスにおける美術と国家という枠組に位置づける論考を日本国際文化学会全国大会で報告した。社会文化史の重鎮P・オリー氏の来日講演に際しては、通訳と講演原稿の訳出に関わり、日本では十分に知られていないフランスの文化政策研究の紹介にも携わった。また「『文化』は戦略化する」では、フランスとヨーロッパにおける近年の対外文化政策の動向を論説した。(3)については、前述の戦後日本国際文化交流研究会論集に、「『日本的グローバリズム』のアジア的契機」のほか、史的概説と関連年表を共同研究の成果をまとめた。以上を通して、芸術生産が社会経済生活に関わる価値や規範の問題として国家と国家間政治の次元において争点化し、国際社会における集合的同一性の問題として出現している様相を具体的に解明することができた。