著者
島宗 理
出版者
法政大学文学部
雑誌
法政大学文学部紀要 = Bulletin of the Faculty of Letters, Hosei University (ISSN:04412486)
巻号頁・発行日
vol.84, pp.119-148, 2022-03-10

This study investigated the effects of extinction on response variabilities in transition states among university students playing MIDI drums. Each of the 4 × 4 tiles on a screen were turned by hitting a drum pad on a variable interval reinforcement schedule (VI 3s). None of the hits caused the tiles to turn when after 17-32 reinforcement (Extinction). Subsequently, changes in response frequency, inter-response time, response strength in terms of velocity, response location, and variabilities in these response dimensions were simultaneously measured and monitored for the next experimental phase. For each participant, the response dimension with the highest increase in variability due to extinction was chosen for differential reinforcement. Reinforcement criteria for each participant were determined by visual inspection of ongoing data and reversed to examine the effects of reinforcement contingencies. The results of eight participants who completed the experiment were then reported. Temporal increases in response strength and/or its variability were observed in four participants, and those in response location and/or its variability were observed in two participants. None of the participants showed clear temporal increases in response frequency, which is often described as “extinction burst.” In the differential reinforcement phase, the responses of six participants changed according to the reinforcement conditions without the participants’ awareness. Conceptual issues about the temporal effects of extinction were discussed and future research is proposed.
著者
島宗 理 中島 定彦 井上 雅彦 遠藤 清香 井澤 信三 奥田 健次 北川 公路 佐藤 隆弘 清水 裕文 霜田 浩信 高畑 庄蔵 田島 裕之 土屋 立 野呂 文行 服巻 繁 武藤 崇 山岸 直基 米山 直樹
出版者
一般社団法人 日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.174-208, 2003-09-05 (Released:2017-06-28)

行動分析士認定協会(Behavior Analyst Certification Board : BACB)は、国際行動分析学会(Association for Behavior Analysis : International)が公認し、支援している、行動分析学に基づいた臨床活動に携わる実践家を認定する非営利団体である。本資料ではBACBの資格認定システムを紹介し、実践家の職能を分析、定義したタスクリストの全訳を掲載する。タスクリストを検討することで行動分析家の専門性を明確にして、我が国における今後の人材育成やサービスの提供システムについて、検討を始めるきっかけをつくることが本資料の目的である。
著者
竹内 めぐみ 島宗 理 橋本 俊顕
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.40, no.4, pp.411-418, 2002
被引用文献数
2

本研究では、自閉症児の母親に対し、子どもの行動を家庭で簡単に記録できるチェックリストを提供し、記録に基づいた支援をすることによる子どもの行動変容と母親のかかわり行動の変化を検討した。初めに、子どもの自発的な着替えを標的行動として、課題分析によるチェックリストを作成し、母親のかかわり方について、週1回程度の面談指導を約2か月間継続した。その結果、着替えの自発性は向上した。同時に、母親の子どもへのかかわり方にも変化がみられ、主体的に次の標的行動の指導に取り組むようになった。これらの結果をふまえ、チェックリストを用いた支援の効果について、親の主体的な取り組みを引き出すといった観点から考察した。
著者
島宗 理
出版者
日本行動分析学会
雑誌
行動分析学研究 (ISSN:09138013)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.46-57, 1996-08-05

どんなテクノロジーでもそれが活用されるためには、まず採用されなければならない。スキナーは行動分析学の基本的枠組みと、それを社会問題の解決に役立てるための指針を示した。これを21世紀に活かすためには、テクノロジー普及に関する研究と実践が欠かせない。本論文では普及に成功した行動的プログラムの例と失敗した例を分析し、普及に関する実験的・理論的研究と、さらなる実践についての提言を行う。
著者
竹内 めぐみ 島宗 理 橋本 俊顕
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.41-50, 2005
被引用文献数
1 2

本研究では、自閉性障害のある小学校2年生の男子が家庭で自立課題に取り組めるように、大学の訓練室でワークシステムを用いた指導を行った。対象児の家庭環境と既存レパートリーのアセスメントから、6種類の課題と課題終了時の強化子を選択した。課題遂行行動を引き出すために有効で、かつ家庭に導入可能と考えられるワークシステムを訓練室に設定して訓練した後、家庭場面での課題学習を開始した。自立した課題遂行は家庭でも維持され、ワークシステムという単位で環境を設定することが、般化の促進につながることが示唆された。