著者
窪田 充見 磯村 保 中川 丈久 島村 健 島並 良 八田 卓也 青木 哲 池田 千鶴 嶋矢 貴之 興津 征雄 前田 健 田中 洋
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本科研では、社会においては、個人の利益に解消されないが、集団的な利益や集合的な利益があるのではないか、そして、そうした集団的利益・集合的利益を保護するためには、どのような法制度を設計することが考えられるのかといった問題に取り組み、消費者法、環境法、知的財産法などの分野における具体的な問題について成果を公表してきた。これらを踏まえると、私法と公法という枠組みを超えて、法の実現に関わる私人の役割を考える必要があることが明らかとなった。
著者
嶋矢 貴之
出版者
日本刑法学会
雑誌
刑法雑誌 (ISSN:00220191)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.319-332, 2016-02-29 (Released:2020-11-05)
著者
嶋矢 貴之
出版者
日本刑法学会
雑誌
刑法雑誌 (ISSN:00220191)
巻号頁・発行日
vol.45, no.2, pp.167-181, 2006-01-30 (Released:2020-11-05)
著者
大塚 裕史 小田 直樹 上嶌 一高 宇藤 崇 嶋矢 貴之 池田 公博
出版者
成蹊大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

本研究は、企業内や企業間など、組織内あるいは組織をまたがる形で過失責任がとわれるタイプの犯罪について、研究を行うものである。本研究では、判例分析や文献研究を通じて、その刑事責任の限界や責任追及のための手続きについて論文14件、学会発表2件、書籍1件の成果を挙げている。その内容は、「予見可能性」要件の意義と内実の更なる明確化、実体法と手続法にまたがる新課題への対応方法、単に過失犯が競合した場合と共同していると評価できる場合の区別の3点を主たるものとしている。
著者
嶋矢 貴之
出版者
神戸大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2011

本研究は、近時の日本における刑事立法について、解釈論的観点から調査・研究を行うものである。日本では、この10年の間、刑事立法が非常に活発化しており、それを実定法解釈論研究者の立場から、研究することの意義は非常に大きい。本研究では、それら刑事立法のプロセス、そこで行われた議論、もたらされた帰結・状況を研究し、一般化可能な立法に関する命題を探求した。具体的成果としては、後述のとおり、違法ダウンロードに関する研究報告、不正指令電磁的記録等作成罪の注釈書執筆等において明らかにしている。
著者
嶋矢 貴之
出版者
神戸大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2005

マネーロンダリングへの刑事法的対応、非刑事法的対応、専門家の責任につき、下記のような成果を得た。【刑事的対応】わが国はマネーロンダリングにつき、組織犯罪等処罰法などにおいて、原則故意犯の処罰を定めているが、ドイツにおいては犯罪行為等に由来する財産であることを注意に認識せずマネーロンダリングを行った者も2年以下の自由刑若しくは罰金(故意の場合は3月以上5年以下の自由刑)を定め、これは故意犯(財産の由来の点以外の構成要件メルクマール)と過失犯の混合形態の犯罪であると理解されている。もっとも政策的必要性は理解可能だが、罪刑均衡やわが国の刑罰体系からすれば、慎重な対応が必要であると考える。【非刑事的対応と専門家の責任】平成18年度、わが国では犯罪収益流通防止法案が検討され、法律会計の専門家のマネーロンダリングに関する責任、届出義務が問題となった。ここでは弁護士が受ける対価が不法収益に当たるかという問題と、守秘義務との関係で届出を義務付けるべきかという問題がある。弁護士顧問料などは不法収益の規律に従うと考えることが可能と思われるが、具体的な刑事事件での弁護士費用の場合にはどのように考えるべきかは、ドイツなどでも問題となっている。差し当たり、被告人の弁護人依頼権、その政策的な保護という側面が否定方向に働き、不法収益は自由な処分は一切出来ない財産であるという理論的側面、不法収益を利用して高額な弁護士費用を正当化することになる帰結が肯定の方向に働くとの分析を行った。いずれにせよ、それらの調整を図った明確なルールが存在することが望ましいものを思われる。同じく専門家の責任については、イギリスでも一定の場合には、疑わしい取引の届出義務につき、弁護士に免責を与える判例があるが、それがどの段階から始まるかについては争いがあり、さらに検討を要する。