著者
金井 利之 岩橋 健定 斎藤 誠 高橋 裕 島村 健 金井 利之 國島 正彦
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2004

公共事業コントロール法の重要論点については,(1)公益確定手続に関して、政策評価,公共事業再評価,パブリック・インボルヴメントについて,国内の現地鯛査を踏まえた研究を進めた。(2)環境配慮に関して,環境影響評価,戦略的環境アセスメント,景観アセスメント,米国の湿地保誕法制に関する調査を行い,その公共事業策定手続への統合の可能性を検討した。(3)公共工事施行過程に関して,受注者選定手続・契約形態・支払方法の多様化,独占禁止法による談合抑止,企業内によるコンプライアンス体制の構築策について検討を進めた。土地利用規制をめぐっては、都市計画争訟手続,都市計画と時間の経過,建築確認制度,景観法の検討の他,米国,ペルーなどの現地調査を踏まえた比較法的研究も行った。特に,都市計画争訟手続については,具体的な立法的提案を可能とする成果が得られた。さらに,都市計画への環境配慮の統合,国立公園などの形での政府による財産権取得を通じた土地利用規制についても検討した。公共事業と土地利用規制が交錯する場面としては,計画間調控,地方自治体の制度改革,破綻処理についての研究を進めた。さらに,空間設計という視点から,公共事業手続と土地利用規制とを自治体のレベルで集約する可能性について検討した。以上の研究は,諸外国の研究成果や事例を踏まえて目本の事例を比較検討するとともに,法学,工学,政治学,経済学の各手法を取り入れる学際的手法によって行った。
著者
窪田 充見 磯村 保 中川 丈久 島村 健 島並 良 八田 卓也 青木 哲 池田 千鶴 嶋矢 貴之 興津 征雄 前田 健 田中 洋
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本科研では、社会においては、個人の利益に解消されないが、集団的な利益や集合的な利益があるのではないか、そして、そうした集団的利益・集合的利益を保護するためには、どのような法制度を設計することが考えられるのかといった問題に取り組み、消費者法、環境法、知的財産法などの分野における具体的な問題について成果を公表してきた。これらを踏まえると、私法と公法という枠組みを超えて、法の実現に関わる私人の役割を考える必要があることが明らかとなった。
著者
島村 健
出版者
科学技術社会論学会
雑誌
科学技術社会論研究 (ISSN:13475843)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.135-140, 2009-10-20 (Released:2021-08-01)
参考文献数
16

This paper presents a review of the literatures on “science in a court” focusing on the following points: 1) How should the judicial decision be made, once the scientific knowledge, which is the basis of an act reviewed in the court, has changed? 2) If the scientific knowledge is lacking in the judges, they may seek a written statement of the scientists or the expert witnesses. They, however, might not be able to understand what is written or testified in turn: the dilemma of the scientific trial. How can they overcome that? 3) Firstly, administrative law scholars argue that the judges should not try to review whether the administrative judgment on safety of a nuclear reactor is right or not. However, they ought to concentrate only on a review of the rationality of the administrative process. 4) Secondly, in any case, it would be necessary to improve scientific literacy of the judges. 5) Thirdly, when scientific opinions are divided, judges should not rush to conclude on the basis of one-sided opinion. In many cases the judgments can be given on legal issues before deciding the right scientific opinion. 6) Finally, it is often appropriate to discuss the treatment of new technologies and those potential risks not at the court but at the social schemes such as ADR or Consensus Conference.
著者
渡辺 達徳 宇野 重規 嵩 さやか 飯島 淳子 岡部 恭宜 北島 周作 宇野 瑛人 姥浦 道生 伏見 岳人 犬塚 元 水野 紀子 坂田 宏 島村 健 巻 美矢紀 稲葉 馨
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2016-04-01

「人口減少社会」に関する基礎的・横断的研究の遂行という本研究の目的に沿って、平成29年度は、前年度に個別研究班が行った分析をもとに、海外研究者を含む学外の研究者を招いた研究会を開催することを通じて、全メンバーによる意見交換、研究進捗状況の確認と今後の課題を共有することに努めた。研究会において特に注目したテーマは、東日本大震災における社会資本の役割、私人間における障害を理由とする差別の禁止、個人の自立を支援する行政の法的統制などである。その上で、それぞれの個別研究班において、上記の研究会において得られた知見をも組み入れつつ、平成29年度に予定された研究が以下のとおり進められた。すなわち、基礎理論班においては、前年度までの検討を展開させ、人口の概念の再定位を検討した上で、人口減少社会を論ずるための理論的枠組みを提示するための検討を行った。また、制度班においては、人口減少社会への対処としての食い止め策と課題対応策との関係を整序し、体系的な制度設計の方向づけを試みた。さらに、政策班においては、前年度に行われた研究をもとに、人口減少社会の問題の所在と構造を把握した上で、問題の進行状況や問題の所在を異にする諸都市の特性をも十分に考慮に入れながら、条件不利地域・地方都市・三大都市圏という類型化を意識しつつ、フィールドワークも含めた研究を進めた。各研究者による研究成果は、後掲「研究発表」のとおりである。
著者
新澤 秀則 大島 堅一 高村 ゆかり 橋本 征二 島村 健 羅 星仁 久保 はるか 松本 泰子 亀山 康子 亀山 康子
出版者
兵庫県立大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

気候変動枠組条約や京都議定書の締約国会議や補助機関会合にオブザーバー参加することによって, 交渉の進捗をつぶさに, かつ総合的に把握し, 合意の評価と, 今後の課題とその選択肢の比較評価をリアルタイムに提示することに一定の貢献をした。京都議定書の運用, 欧州連合, ドイツ, アメリカの政策動向を調査分析し, 国際枠組みに対する意味合いを考察した。政府以外のアクターとして, 欧州連合, 自治体, NGOを取り上げ, 条約交渉や合意したことの実施に関して果たす役割を, 具体的な事例にもとづいて明らかにすることができた。
著者
児矢野 マリ 高村 ゆかり 久保 はるか 増沢 陽子 島村 健 鶴田 順 堀口 健夫 北村 喜宣 遠井 朗子 山下 竜一 佐古田 彰 藤谷 武史 坂田 雅夫 亘理 格 城山 英明 加藤 信行 郭 舜 小林 友彦 藤谷 武史 坂田 雅夫 及川 敬貴 梅村 悠 村上 裕一 伊藤 一頼
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

地球温暖化、海洋汚染、生物多様性の減少等、グローバル化した現代社会の環境問題に対処するためには、環境条約と各国の国内法・政策との連結と相互浸透が不可欠だが、その適正な確保は必ずしも容易ではない。本研究はこの問題に対処するため、国際法学、行政法学、行政学、環境法政策論を含む学際的研究として、地球温暖化、オゾン層の破壊、廃棄物・化学物質の規制、海洋汚染、生物多様性・自然保護、原子力安全規制を含む主要問題領域について、日本における多国間環境条約の国内実施及び環境条約の定立と発展に対する国内法・政策の作用の動態を実証分析し、その結果を統合して日本の特徴を解明するとともに、その課題と将来展望を探った。