著者
高橋 麻衣子 川口 英夫 牧 敦 嶺 竜治 平林 ルミ 中邑 賢龍
出版者
日本認知科学会
雑誌
認知科学 = Cognitive studies : bulletin of the Japanese Cognitive Science Society (ISSN:13417924)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.296-312, 2009-09-01
参考文献数
52
被引用文献数
6

This study proposes a new framework for teaching programs, introducing the practice of “Reciprocal Observation of Thought”, and subsequently examines its effect on fostering children's practice of observing others' thought reciprocally, we used the “Digital Pen” system, an ICT (Information and Communication Technology) system used to share information between all children in a classroom. Using this system, we conducted a five-day program for 35 fourth-graders. In each class, lectures about how to read and write critically were provided first; then, students worked independently on the given questions, presented their ideas to the others, and observed others' work using the Digital Pen system. After the program, it was found that the students who had evaluated others' ideas effectively during the program developed their skills to write essays with more objective and effective arguments, and also to make appropriate counterarguments against others' essay including problems of logical structure. These results were interpreted in terms of the function fo the meta-cognition framework.
著者
小泉 英明 牧 敦 山本 剛 山本 由香里 川口 英夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.87, no.3, pp.207-214, 2004-03-01
参考文献数
12
被引用文献数
6

デカルトは「考える,故に我あり」といった,「考える」のは私たちの脳である.その生きた脳の解剖学的形態と,精神活動を含む高次脳機能を可視化する方法論を述べる.安全に脳機能を調べることができる無侵襲高次脳機能イメージング法の出現によって,脳神経科学の分野でもパラダイムシフトが起きている.高次脳機能を計測する方法論の原点について述べ,更に,最近になって広範な応用が注目されている近赤外光トポグラフィーを中心に紹介する.
著者
吉﨑 貴大 横山 友里 大上 安奈 川口 英夫
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.77, no.1, pp.19-28, 2019-02-01 (Released:2019-03-05)
参考文献数
48
被引用文献数
10

【目的】日常の食生活では,複数の食品の組み合わせで食事が構成されている。しかし,多様な食品の摂取とフレイルとの関連は十分に検討されていない。そこで,本研究は地域在住高齢者を対象に食品摂取の多様性とフレイルとの関連を検討することを目的とした。【方法】対象は群馬県邑楽郡で実施された官学連携の健康教室で,ベースライン調査に参加した218名(65~95歳)とした。研究デザインは横断研究とし,自記式質問票を用いた調査を実施した。参加者には基本属性,食品摂取の多様性,フレイルに関する質問を含んだ自記式質問票への回答を依頼した。食品摂取の多様性は,10項目の食品や食品群について1週間当たりの摂取頻度から評価した(以下,多様性得点(0~10点))。フレイルの判定には介護予防チェックリストを用いた。全15項目の各質問につきネガティブな回答に1点を付与し,4点以上の者をフレイルと判定した。解析にはフレイルの有無を従属変数,多様性得点を独立変数とした多変量ロジスティック回帰分析を用いた。【結果】解析対象者の平均年齢,BMIおよび多様性得点はそれぞれ75.5歳, 22.9 kg/m2,3.6点であった。フレイルの者の割合は15.6%であった。多変量ロジスティック回帰分析において,多様性得点とフレイルとの間に有意な関連が得られ,多様性得点が低値群に対する中間群,高値群のオッズ比はそれぞれ0.70(0.21~2.27),0.10(0.02~0.54)であった。【結論】多様性得点が高い者ほどフレイルのリスクが低かった。