著者
中尾 哲也 辻田 純三 山下 陽一郎 増田 研一 金井 成行 平川 和文
出版者
日本生理人類学会
雑誌
日本生理人類学会誌 (ISSN:13423215)
巻号頁・発行日
vol.20, no.3, pp.135-145, 2015-08-25 (Released:2017-07-28)

The purpose of this study was to investigate the relationship between lower trunk muscular contraction and variety of joint movement on 10 healthy males (20.9 ± 1.6 ages). As a result, with abdominal cave-in compared to abdominal bracing, we found active range of motion and isometric muscular strength in shoulder flexion, shoulder external rotation, hip flexion, hip extension, trunk rotation and trunk extension were increased. Also, the activation of transversus abdominis / obliquus internus on external rotation of shoulder, and the activation of gluteus maximus on trunk extension were increased significantly. The lumbar lordorsis angle and the abdomen length were decreased significantly with abdominal cave-in compared to abdominal bracing.
著者
森本 武利 三木 健寿 能勢 博 山田 誠二 平川 和文 松原 周信
出版者
日本生気象学会
雑誌
日本生気象学会雑誌 (ISSN:03891313)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.31-39, 1981-04-15 (Released:2010-10-13)
参考文献数
8
被引用文献数
6

1.スポーツ飲料 (グルコース電解質混合溶液―G-E溶液) 摂取による, 発汗時体液量および体液組成変化を検討するとともに, 発汗時の自発的脱水の発生機序に検討を加える目的で発汗負荷実験を行った。実験には8名の被験者を用いて, それぞれ水分を全く与えない条件, 水を自由に摂取させる場合, およびG-E溶液を自由に与える場合の3条件下で, 高温環境 (36℃, 70%R.H.) 下にて運動負荷を加え, 水分バランスおよび血液性状の測定を行った。2.いずれの条件下にいても, 2時間の発汗負荷により約1.6kgの体重減少を来したが, 発汗直後における血液性状に関しては, ほとんど有意の差は認められなかった。自発的脱水の程度に関しても, 発汗中では水およびG-E溶液摂取による差は認められなかった。しかし3時間の回復期間をも含めて比較すると, 水負債は脱水実験で体重の3.4%, 水摂取実験で2.0%, G-E摂取実験で1.3%となり, 脱水実験に比して他の2条件下に有意差が認められた。3.水分喪失の体内分布は, 発汗直後ではいずれの条件下でもほぼ血漿25%, 間質液45%, 細胞内液30%である。その後の3時間において, 血漿量はいずれの条件下でも回復する。間質液量は脱水群ではさらに減少するが, 他の条件下ではほぼ同じである。しかし細胞内液量は脱水群ではさらに減少し, 水およびG-E溶液を摂取すると回復を示し, 特に後者では回復が著しい。4.これらの結果に基いて, 自発的脱水の機序について検討を加えた。
著者
木村 みさか 平川 和文 奥野 直 小田 慶喜 森本 武利 木谷 輝夫 藤田 大祐 永田 久紀
出版者
日本体力医学会
雑誌
体力科學 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.175-185, 1989-10-01
被引用文献数
35 16

60歳以上の高齢者の運動能力の検討やトレーニング効果の判定のための基礎資料を得るために, 体力診断バッテリーテストを約900名の高齢者に実施し, その結果について, 男女別, 年齢階級別に検討して, 以下の結果を得た.<BR>A.体力テストの測定値の分布については, 男女とも, ステッピング, 垂直とび, 握力はほぼ左右対象であるのに対し, 息こらえは正の歪み, 体前屈は負の歪みを示し, 片足立ちは5秒以下に6割以上が分布していた.片足立ち, 忌こらえ, 体前屈はステッピング, 垂直とび, 握力より分布幅が大きかった.<BR>B.垂直とび, 握力, 息こらえの平均値では男子が, 体前屈では女子が有意に高い値を示したが, ステッピングおよび片足立ち, 息こらえには男女差が認められなかった.<BR>C.体力テストの成績は, 息こらえを除いて男女ともすべての項目で, 年齢に伴って低下していたが, その低下の割合は体力要素によって異なっていた.加齢による低下は, 体重を移動させたり, 複雑な神経支配を必要とする項目で特に大きかった.<BR>D.体力テストの成績は, 男女とも各項目間で有意の相関が認められた.<BR>本調査の経験から, この体力診断バッテリーテストは, 高齢者にとって比較的身体的負担が少なく, メディカルチェックとして安静時の血圧測定と膝・腰などの運動器の障害を問診する程度で安全に実施できることが判明した.また本方法による高齢者の体力の標準的な数値を得ることができた.この基準値は高齢者の必要体力や高齢者に適した運動について検討を加えるのに有用と考えられる.