著者
稲垣 翔太 持山 志宇 引原 隆士
出版者
The Royal Society
雑誌
Royal Society Open Science
巻号頁・発行日
vol.8, no.7, 2021-07

電力パケットのパワープロセッシング --デジタル化・量子化された電力の論理処理と誤り訂正を可能に--. 京都大学プレスリリース. 2021-07-26.
著者
山口 佳彦 薄 良彦 引原 隆士
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム
巻号頁・発行日
vol.113, no.224, pp.13-18, 2013-09-19

本報告では,複数家庭で構成される電力システムの出力平滑化への蓄電池制御の適用について検討する.出力平滑化とは,住宅などの小規模電力システムの商用系統への出力電力を参照値に追従させるための制御技術であり,出力が不確定な小容量分散型電源と従来の商用電源との調和を図る観点やHEMS等の電力マネジメント技術の積極的導入の観点から重要である.本報告では,出力平滑化のための蓄電池充放電指令値の制御アルゴリズムを提案し,その有効性を実際の住宅内の電力システムを用いた実験により検討する.さらに,システムの有効電力応答を記述する数理モデルを導出し,出力有効電力の平均及び分散と制御アルゴリズムのフィードバックゲインとの関係を数値的ならびに理論的に検討する.また,ナイキスト軌跡を用いて閉ループ系の安定余裕について議論することで,出力平滑化を達成するためのフィードバックゲインの設定指針を与える.
著者
宅野 嗣大 小山 めぐみ 引原 隆士
出版者
一般社団法人 システム制御情報学会
雑誌
システム制御情報学会 研究発表講演会講演論文集 第54回システム制御情報学会研究発表講演会
巻号頁・発行日
pp.204, 2010 (Released:2010-08-19)

近年,分散電源の普及により,家庭で用いる電力が複数の電源から供給される状況になりつつある.しかし,現在,電力は供給電源によらずに全て均質として扱われ,負荷に分配されている.本研究では,家庭内における電力の管理,電源分別を目的とし,パケット通信の考え方を電力分野に導入した電力パケットを用いた配電を検討する.特に,電力パケットルーティングにおける電力量調整方法について述べる.
著者
引原 隆士
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.51, no.8, pp.943-950, 2010-08-15
被引用文献数
5

スマートグリッドに関連した用語が新聞の紙面で飛び交い,昨今基盤技術として先進の技術からは顧みられることが少なくなっていた電力・エネルギー分野が,情報技術の適用にとって新しいフロンティアとして着目され,新しいエネルギー技術,持続可能社会実現への入り口として脚光を浴びている.動力を電気エネルギーに変換する発電機の発明は19 世紀に遡る.現在の交流電力の大規模ネットワークは,この発電機間を電力を融通する線路でつなぐと同一周波数に収斂する性質に依存している.この性質を維持しつつ必要な電力を供給する大規模システムの運用において,ICT 技術がブレークスルーを与える技術となり得るであろうか? スマートグリッドなどの技術がエネルギーシステムに革新を与えるか否かは,この点を抜きに議論することはできない.本解説は,人の生活環境,すなわち建物内からボトムアップに電力分野を通信・情報分野と融合させる手法として,電力パケットを導入する方法とそのルーティングの可能性を,周辺技術の現状に基づき述べる.
著者
美馬 圭介 引原 隆士
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. EE, 電子通信エネルギー技術 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.309, pp.1-6, 2010-11-19

本報告では,リチウムイオン電池と電気二重層キャパシタの併用効果の検討に向け,各素子の数式モデルを導出する.このモデルは,素子内部における電流密度,電位のほか,電気伝導に関与するイオン濃度の分布に着目し,充放電における各々の現象の支配方程式に基づく動的挙動の表現可能な偏微分方程式系となる.実験結果およびモデルを用いた数値計算結果に基づき,両蓄電デバイスの電気的特性の検討を行なう.