著者
仲宗根 敏幸 又吉 亮 村橋 信 後藤 新平 丸山 修幸 新崎 章
出版者
社団法人 日本口腔外科学会
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.65, no.12, pp.780-785, 2019

<p>Clear cell odontogenic carcinoma (CCOC) was reclassified from a benign tumor to a malignant tumor by the WHO classification in 2005 because of its aggressive nature and potential for local recurrence and distant metastases. Only 81 well-documented cases have been reported to date to the best of our knowledge. A patient was referred to our clinic because of rapid swelling of the left side of the mandible. Computed tomography (CT) showed a bone defect in the mandible, but no cervical lymph node metastasis. We suspected a malignant tumor and performed a biopsy. We diagnosed CCOC of the left side of the mandible and performed segmental mandibulotomy. Histopathologically, the tumor consisted of clear cells containing diastase-digestive PAS-positive granules. Furthermore, immunohistochemistry showed that the tumor cells were immunoreactive for cytokeratins (CKs) 7, 17, 19, Ki-67 and vimentin, but non-reactive for CK20, smooth muscle actin (SMA), epithelial membrane antigen (EMA) and S-100 protein. The Ki-67 labeling index (LI) was 10%. We finally diagnosed CCOC. One year 5 months after surgery, the patient died of multiple organ failure caused by the multiple bone metastases. We discuss this rare case of multiple bone metastases developing from CCOC of the mandible and review the literature.</p>
著者
後藤 新弥 遠藤 大哉

"地元"柏市の「ふつうの人」のスポーツへの愛好度や,スポーツ活動の実態を等身大で探ろうと,学生らとともに柏市駅前で「町行く人」を対象に調査したまとめ報告である。複数の項目に亘ってアンケートを実施した結果,以下のような興味深い傾向が抽出された。* プロサッカーは好感度が高かった。ところが,地元柏レイソルの大看板の下で調査したにもかかわらず,レイソルの名前を言えない人が2 割以上いた。* さらに,地元柏レイソルの選手を1 人も知らない人が6 割近かった。一方日本代表なら3 人以上の名前を知っている人が9 割近かった。J リーグ側は「地元密着」を掲げているが,現状は地元未着である*大相撲を「大嫌い」と決めつける人が3 割近くいた。八百長疑惑などが背景か。*東京五輪の「招致活動」に好感を抱いたのは半数に満たなかった(7 月時点)。* 文武両道という概念を「重要である」と答えたのは,平成生まれが約44%,大人世代が38%で,若い人の方がスポーツの倫理観を重要視している傾向がうかがわれた。* 「日常的にスポーツをしている」人は全体の42%を占めたが,「したいけどしていない」人が27%に達し,スポーツ行政への大きな課題が見えてきた。* 「町を行くふつうの人」のスポーツ活動へのさらなる支援が必要だと痛感した。東京五輪開催への最優先課題は,イベントとしての成功やトップ選手のメダル数ではなく,実は日本のスポーツの実数値であり,またその土台である,「ふつうの人のスポーツ活動」の支援促進ではないだろうか。
著者
安岡 由佳 後藤 新 芹生 卓
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.137, no.2, pp.87-94, 2011 (Released:2011-02-10)
参考文献数
28
被引用文献数
2 3

アバタセプトはCTLA-4細胞外領域とIgGのFc領域からなり,抗原提示細胞とT細胞間の共刺激経路を阻害することでT細胞活性化を調節する新規の薬理作用を持つ関節リウマチ治療薬である.関節リウマチの病態形成にはT細胞の活性化が重要な役割を果たしており,T細胞の活性化の調節には抗原提示細胞からの共刺激経路が必須であることが報告されている.関節リウマチを適応としている既存の生物学的製剤がTNFやIL-6等の炎症性サイトカインを標的としているのに対して,アバタセプトは炎症発生の上流で作用し,抗原提示細胞上のCD80/86と結合することによりT細胞への共刺激経路を阻害し,T細胞の活性化を抑制する.その結果,下流における炎症性サイトカインやメディエーターの産生が抑制される.アバタセプトは非臨床試験では,in vitro試験においてCD4陽性T細胞の増殖およびIL-2,TNF-α等のサイトカインの産生を抑制した.さらに,ラットの関節炎モデルにおいて,足浮腫,炎症性サイトカイン産生および関節破壊を抑制した.また,臨床試験においてもアバタセプトは,海外試験では,関節リウマチの標準的治療薬であるメトトレキサートの効果不十分例やTNF阻害薬の効果不十分例,さらには発症早期の関節リウマチに対しても疾患活動性の改善ならびに関節破壊抑制効果を示した.本邦においては,海外臨床成績を日本人に外挿して用いるブリッジング戦略に基づいて開発がすすめられ,2010年9月に関節リウマチに対する治療薬として上市された.新規作用機序をもつアバタセプトは,関節リウマチ治療において新たな治療オプションをもたらすものと考えられる.
著者
河合 恒祐 立川 昌子 後藤 新平
出版者
岐阜県畜産研究所
雑誌
岐阜県畜産研究所研究報告 (ISSN:13469711)
巻号頁・発行日
no.6, pp.49-54, 2006-07

近年、赤玉卵の需要が増加傾向にある。当所でロードアイランドレッド種(48系)雄とコロンビアンロック種(47系)雌との組合せから作出した高品質赤玉鶏(48×47鶏)と、市販外国銘柄2鶏種、さらに(独)家畜改良センター岡崎牧場および県内民間育種研究所の交配鶏について、産卵性と内部および外部卵質を重点に経済性調査を実施した。1.140日齢までの育成率は、いずれの区も95%以上の育成率であった。141日齢から448日齢までの生存率は、市販外国銘柄鶏(D)区が最も高く、次いでYA×LA区が高かった。2.50%産卵日齢は、市販外国銘柄鶏(D)区が最も早く、市販外国銘柄鶏(C)区が最も遅かった。3.ヘンディ産卵率、及びヘンハウス産卵個数で、市販外国銘柄鶏(D)区が最も優れ、次いで48×47区が優れていた。4.平均卵重は48×47区が、日産卵量は市販外国銘柄鶏(D)区が優れていた。5.飼料要求率は市販外国銘柄鶏(D)区が最も優れ、YA×LA区、48×47区が次いで優れていた。6.卵殻強度はA×B区及び市販外国銘柄鶏(C)区が、卵殻厚は市販外国銘柄鶏(C)区が優れていた。市販外国銘柄鶏(D)区では卵殻強度が他区より劣っていた。7.ハウユニット(HU)は市販外国銘柄鶏(D)区が最も高く、肉斑出現率はYA×LA区が最も少なかった。8.卵殻卵重比は市販外国銘柄鶏(C)区が、卵黄卵重比は48×47区が最も高かった。9.卵殻色については、48×47区が最も濃い傾向を示した。10.鶏卵1kg当たりの平均価格は、何れの区も213.0-214.6円/kgの間にあり、市販外国銘柄鶏(D)区が最も高く、48×47区が最も安くなった。11.成鶏開始時1羽当たりの粗利益は、市販外国銘柄鶏(D)区が2184円と最も多く、次いで48×47区が2067円で、A×B区では1865円で最も少なかった。48×47鶏は市販外国銘柄鶏と比較して、ヘンディ産卵率及び平均卵重で優れており、卵質においては卵黄卵重比で優れた成績を示した。このことから高品質国産赤玉鶏として有望である。
著者
岡本 五郎 後藤 新太郎
出版者
岡山大學農學部
雑誌
岡山大学農学部学術報告 (ISSN:04740254)
巻号頁・発行日
vol.94, pp.9-13, 2005-02

岡山県新庄村で栽培されているサルナシ果実の健康食品としての評価を行うために、同地区のサルナシ園で生産された3品種(光香、峰香、在来種)の果実、及び近隣の山地で収穫された野生サルナシ果実の成分分析を行った。参考として、岡山市内のマーケットで購入された輸入のキウイフルーツ(ヘイワード)、レモン(品種不明)、及び国産のリンゴ(ふじ)の成分も調査した。サルナシ栽培品種では、収穫適期でも硬熟状態のものと軟熟状態のものが混在し、さらに普通の果実の半分程度の小果実(すべて軟熟)も混在した。果汁のビタミンC含量は、峰香の硬熟果と光香の小果で220-260mg/100mLと非常に高い値を示した。市販のキウイフルーツのビタミンC含量は約100mg、レモンで50mg、リンゴは4mg/100mL程度であった。サルナシ果汁の全ポリフェノール含量とラジカル消去能はキウイフルーツと大差がなかったが、リンゴに比べれば有意に高かった。サルナシはキナ酸含量が最も高く、無機成分のN、Ca、Mg、Mn含量が高かったが、糖含量は低かった。本分析結果から、サルナシ果実はビタミンとポリフェノールが豊富で、現代人の食事で不足しがちなミネラルも多いことから、健康食品として評価されうる。
著者
後藤 新平
出版者
コロムビア(戦前)
巻号頁・発行日
1924-06