著者
平藤 雅之 世一 秀雄 三木 悠吾 木浦 卓治 深津 時広 田中 慶 松本 恵子 星 典宏 根角 博久 澁谷 幸憲 伊藤 淳士 二宮 正士 Adinarayana J. Sudharsan D. 斉藤 保典 小林 一樹 鈴木 剛伸
出版者
Japanese Society of Agricultural Informatics
雑誌
農業情報研究 (ISSN:09169482)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.60-70, 2013
被引用文献数
3

フィールドサーバは,野外における情報収集,灌水等の制御,センサ等新デバイスの実験を行うためのセンサネットワーク用プラットフォームである.そのためには多機能かつ十分な拡張性を備えると同時に,機械作業や栽培ステージに応じて手軽に移設でき作業者等の安全性にも配慮したオールインワン化及びワンユニット化が必要とされる.また,半導体技術の進歩やCPU等LSIの世代交代にあわせてハードウェア及びファームウェアの更新と機能向上を迅速に行う必要がある.ところが,大量生産ができない段階では低コスト化と高機能化を両立させることは困難であり,しかもそのような初期段階においては低コストで高機能な試用機がないとアプリケーション開発ができず市場が拡大しないというジレンマがある.これらの問題を解決するための制作手法としてオープンソース・ハードウェアを用いる方法を考案し,オープンソースのフィールドサーバ(Open-FS)を開発した.さらに,Open-FSを用いて測定したデータを低コストに収集・閲覧・共有するための方法として,既存のクラウドサービス(Twitter等)とHTML5で記述した閲覧用ソフトウェアからなる"センサクラウド・システム"を提案し,試作及びインドと日本における長期現地実験によってその有効性を評価した.<br>
著者
斉藤 保典 キンブイ チャン デニス キリンジャー
出版者
一般社団法人 レーザー学会
雑誌
レーザー研究
巻号頁・発行日
vol.22, no.3, pp.197-202, 1994

A 2.1 &mu;m &ldquo;eye-safe wavelength&rdquo;, 25mJ/pulse (A/O Q-switching), 90ns/pulse Ho lidar systemhas been developed to measure atmospheric extinction coefficients, &alpha;, and backscatter coefficients, &beta;. Range esolved values of &alpha; and &beta; were obtained at ranges covering up to 1.5km forsevera 124 hour periods. The average values of &alpha; were on the order of 10<SUP>-3</SUP> to 10<SUP>-4</SUP>m<SUP>-1</SUP> and &beta; values were estimated on the order of 10<SUP>-5</SUP> to 10<SUP>-6</SUP> m<SUP>-1</SUP> sr<SUP>-1</SUP>. The variation of &beta; as a function ofrange was small during the period from night to early morning, but increased significantly duringthe later daytime hours. The values of &beta; were somewhat higher from midnight to earlymorning than just after sunrise and then gradually decreased. &beta; values exhibited good correlation with the atmospheric humidity. From these observations it was confirmed that thelidar system developed is a powerful apparatus for remote sensing of the atmosphere.
著者
斉藤 保典 小林 一樹 鈴木 剛伸 平藤 雅之 木浦 卓治 深津 時広
出版者
Japanese Society of Agricultural Informatics
雑誌
農業情報研究 (ISSN:09169482)
巻号頁・発行日
vol.22, no.1, pp.1-11, 2013
被引用文献数
2

圃場現場の環境情報や作物生育状況を実時間で計測し,公開と情報共有を行う圃場センシングネットワーク「アグリサーバ」を構築した.アグリサーバのセンシングノードには,気温・湿度および日射量センサ,カメラ,通信デバイス,制御回路等が含まれ,ノード管理および計測データの転送等は,全てインターネットを通じて行われた.センシングノード自体は,長野県上高井郡小布施町のブドウ,クリ,リンゴ,野菜の各圃場に設置され,平成18年度から試験運用を開始し平成20年度より本格運用を継続している.データの公開と利活用を進めるため,アグリサーバ専用のホームページ「農ライブ」を制作した.農ライブにおける農業情報の利活用法として1)IT/精密農業,2)トレーサビリティ,3)農ビジネス,4)教育,5)コミュニケーション,6)アグリツーリズム,への応用を提案し,具体的事例を示すことでその有効性を議論した.その結果アグリサーバは,小布施町の活性化にとって非常に重要な農業情報を提供することが示された.<br>
著者
野村 彰夫 森川 公夫 川原 琢也 斉藤 保典
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1996

局地気象情報取得のための昼夜連続観測可能な可搬型バイスタティックイメージングライダーの開発を行った.システムの基本構成として,送信系はNd:YAGレーザを用いた車載型とした.送信レーザ波長は532nm,繰り返し10Hz,最大出力200mJである.受信系は冷却型高感度CCDカメラに高速ゲート.イメージング・インテンシファイヤーを組み合わせ,高速シャッターを可能とした.高速ゲートとレーザ射出タイミングを同期させることにより,受信散乱光強度を減少することなしに背景光強度を1/5000にまで減少させることができ,昼間観測においても良好なSNRでレーザ光の散乱飛跡を画像として捉えることを可能とした.本システムを用いて4回のフィールド観測を行い,実用化に向けてのシステムの問題点と有用性について検討を行った.3日〜10日間の昼夜連続フィールド観測を実施し,その間,地上から高度3kmまでのエアロゾル,霧および雲底高度の鉛直プロファイルを時間分解能1〜2分でカラーコード化した時間変化をディスプレイ上に表示した.特に最終目標である長野冬季オリンピックのアルペン競技が行われた八方尾根会場におけるフィールド観測では,モノスタティックライダーとの共同観測を10日間実施した.連日の悪天候の中での気象予報が困難を極めていたが,昼夜連続観測を行っていたライダー観測データは,早朝に競技の実施を判断する気象担当官から多いに役立ったと高い評価を受けた.以上から,本研究は当初の計画を完全に実施することができ研究成果をあげることができた.フィールド観測から局地気象情報を得るための有用な観測手段になりうることも実証できた.
著者
野村 彰夫 斉藤 保典
出版者
信州大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2004

最終目標を"生活空間圏におけるバイオおよび有機微粒子動態の解明と制御"に置き、(1)太陽背景光の地上到達成分の精密計測(平成16年度に終了)と、(2)バイオ微粒子のレーザー発光スペクトル情報の取得(平成17年度課題)、について検討してきた。主な成果は次の通りである。1)花粉蛍光スペクトルのデータベース作成:バイオ微粒子代表として花粉を選び、蛍光スペクトルのデータベースを作成した。花粉症の主物質であるスギ、ヒノキ、ブタクサの他に、果樹や鑑賞植物等の花粉を含め20品目のデータが入力された。2)発光スペクトル計測システムの製作:励起には波長355nmのパルスYAGレーザを使用した。微弱な蛍光発光を効率良く集光するために、直径25cmの天体望遠鏡を利用した。蛍光発光は分光器でスペクトルに分解された後に、イメージインテンシファイアー付きのCCD検出器で検出された。3)発光スペクトル観測実験:3-1スギ花粉:システムから25m離れた位置にスギ花粉塊を置き、その発光スペクトルを観測した。480nmにピークを持つなだらかなスペクトルが得られた。3-2ヒノキ花粉:440nmにピークを持ち420nmに肩を有するスペクトルが得られた。スペクトル形状の比較により、スギとヒノキの花粉を区別できることが示された。3-3植物葉:40m離れた自生ポプラの葉の蛍光スペクトルを観測した。クロロフィル有機分子に由来する685nmと740nm、光合成の代謝二次産物に由来する460nmと530nmの特徴的なスペクトルが観測された。3-4ごみ焼却排煙:約3km離れた大型ゴミ焼却炉からの排煙の散乱検出実験を行った。廃出源から少なくとも1.6km以上に渡る拡散状況の三次元分布を得た。