- 著者
-
辻村 卓
日笠 志津
- 出版者
- 日本ビタミン学会
- 雑誌
- ビタミン (ISSN:0006386X)
- 巻号頁・発行日
- vol.81, no.10, pp.489-496, 2007-10-25
- 参考文献数
- 20
- 被引用文献数
-
3
3日間の低C食を摂取させた健康な女子10名を被験者として,AsAまたはDAsAの結晶1mmol(AsA176mg,DAsA174mg)を経口負荷させた場合の尿中総C量および全血中総C濃度を測定した.被験者は両C型(AsAとDAsA)の負荷試験を実施するため,約1ヶ月の期間をあけて同じ代謝試験を2回行い,次のような結果を得た.1)通常期および欠乏期の24時間尿中総C量は,AsA群,DAsA群の間に有意な差は認められなかった.C負荷後24時間尿中総C量では,AsA群のC排泄量がDAsA群を有意に上回った(p<0.05).2)C負荷後の経時的尿中C排泄量は,負荷後3〜6時間尿,6〜9時間尿および9〜12時間尿において,AsA群の総C排泄量がDAsA群を有意に上回った(p<0.05).3)C負荷後の経時的尿中C排泄量には個人差が大きいことを認めた.4)C負荷直前,C負荷後1,2,3時間全血中総C濃度を解析した結果,両群間に有意な差は認められなかったが,増加量で比較すると,C負荷1時間後でDAsA群がAsA群を有意に上回った(p<0.05).5)C負荷後0〜3時間尿中総C量と負荷後1,2時間の全血中総C増加量の間に強い正の相関が認められた(p<0.01).また,C負荷後0〜24時間尿(=負荷後尿)と負荷3時間後の全血中増加量の間にも同様に強い相関が認められた(p<0.01).