著者
日野 克博
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第69回(2018) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.53_1, 2018 (Released:2019-01-18)

学習指導要領改訂を契機として、教職課程の質保証や教員の資質能力の向上を意図した教職課程の見直しが図られている。教員養成系大学では、教職課程コアカリキュラムに基づく再課程認定の手続きが進められており、学習指導要領の理解や具体的な授業場面を想定した授業設計等の知識や技能を身に付けるなど、「教科の指導法」科目の充実が期待されている。そこでは、「学習指導要領」「教材研究」「指導案作成」「模擬授業」等の内容をバランスよく指導することが求められており、その指導にあたっては、学問領域として「体育科教育学」が基盤になっていること、「体育科教育学」の種々の研究成果が指導内容に反映されていることが重要になってくる。しかし、「体育科教育学」の知見や成果をどのように反映させればいいか、各授業科目での達成基準との整合性、授業時間数等の条件、具体的な授業展開の方法など実践上の課題も少なくない。そこで、本シンポジウムでは、教職課程の見直しについて概説し、愛媛大学での「保健体育科教育法」の実践事例を紹介しながら、教員養成における「体育科教育学」の役割や指導のあり方について提案する。
著者
木原 成一郎 徳永 隆治 平井 章 梅野 圭史 日野 克博 刈谷 三郎
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

本年度は最終年度にあたるため、研究の総括とそれに必要な作業を中心に行った。1、前年度に日野氏と米村氏が中心となって教員養成段階で身についた「実践的指導力」を調査する方法として、学生に視聴させる体育授業のビデオ教材を開発した。本年度は、学生にこのビデオ教材を視聴後自由に質問紙に感想を記述させ、その記述をKJ法を用いて分類し、「実践的指導力」の下位項目と考えられるカテゴリーを取り出した。2、さらに、研究分担者の所属する大学で行う模擬授業や教育実習の反省会の前後に、この開発したビデオ教材を視聴させて学生に自由な感想を記述させ、この「実践的指導力」の下位項目と考えられるカテゴリーを基準として、「実践的指導力」の到達状況を把握した。その到達状況の結果をもとに、対象とした学部、コースの体育科教育関連科目(教育実習を含む)の改善点を明らかにした。3、これまで得られた知見に基づき「技術的実践」と「反省的実践」の双方からなる「実践的指導力」を向上させるための、模擬授業や教育実習での教える体験とその体験を省察する理論的学習の双方を結合させる体育教師教育プログラムを開発するための原則を提案した。4、以上の研究成果について第59回日本体育学会(早稲田大学)及び第28回スポーツ教育学会(奈良教育大学)で発表し研究成果に対する研究者のご批評とご意見をいただいた。それらのご批評とご意見をふまえて、最終報告書を作成した。