著者
中西 秀彦 多賀 敏 山本 剛 服部 直
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第14回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.107-112, 2017 (Released:2017-11-01)
参考文献数
5

現在、学術誌の XML オンラインジャーナル化は急速に進展している。その展開は Scientific, Technical, and Medical、いわゆる STM が中心であり、和文人文系学術誌のオンラインジャーナル公開に際しては紙の誌面をそのまま画像もしくは PDF で公開するという方法が主流であった。しかし長く日本のオンラインジャーナルの一翼であった NII-ELS が事業を終了したことにより、多くの NII-ELS 掲載誌が J-STAGE へ移行した。J-STAGE は PDF 掲載も可能とは言え、書誌事項については HTML 公開されており XML 作成が重要である。 本発表では「印度學佛教學研究」という純粋な人文系の学術誌を J-STAGE に掲載した経緯及び技術的諸課題とその克服について報告する。現段階では全文 HTML 公開ではなく、PDF および、書誌 XML のみであるが、注と縦書きにおいて従来のその STM ジャーナルと異なる技術的課題があった。今後の人文系誌の全文 XML に向けてさらに記述規則などを整備する必要がある。
著者
赤塚 和寛 服部 直樹 伊藤 瑞規 冨田 稔 小野 玉美 森 悠
出版者
一般社団法人 日本脳卒中学会
雑誌
脳卒中 (ISSN:09120726)
巻号頁・発行日
pp.10586, (Released:2018-01-17)
参考文献数
22
被引用文献数
1 6

【目的】Trousseau 症候群40 例の臨床的特徴を検討することを目的とした.【方法】2009 年4月~2016 年3 月の間,当院に入院した2273 例の脳梗塞(一過性脳虚血発作は除く)患者のうちTrousseau症候群40 例を対象に悪性腫瘍の種類,組織型,病期などについて検討した.悪性腫瘍に関連する血液凝固能異常を誘因として複数の動脈灌流領域に急性期脳梗塞所見を呈する多発脳梗塞をTrousseau 症候群と定義した.【結果】Trousseau 症候群は脳梗塞全体の約1.8%を占め,脳梗塞先行群はTrousseau 症候群の27.5%を占めた.悪性腫瘍の種類,組織型,病期では,肺癌(11 例),腺癌(23 例),IV 期(31 例)が各々最も多かった.【結論】Trousseau 症候群の27.5%は脳梗塞先行群であり,血液凝固能亢進を伴った多発脳梗塞では,悪性腫瘍を念頭に精査をすすめることが重要である.
著者
植木 有理子 押方 智也子 浅井 芳人 金子 猛 服部 直樹 釣木澤 尚実
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.68, no.7, pp.857-868, 2019 (Released:2019-08-09)
参考文献数
18

【背景・目的】好酸球性多発血管炎性肉芽腫症(EGPA)における末梢神経障害の神経症状の変化を的確に評価するのは難しい.そこで運動・感覚障害に関する質問票を作成し,末梢神経障害の管理に対する有効性を検証した.【方法】平塚市民病院通院中のEGPA40症例を,ガンマグロブリン大量療法(IVIG;intravenous immunoglobulin)を行った30症例(IVIG投与群)と従来療法で臨床的寛解を得た10症例(IVIG非投与群)に分類し,感覚・運動障害の評価票(ANCA関連血管炎.com)を用いて評価した.IVIG投与群は4時期,非投与群は2時期で評価し,患者背景因子と比較した.【結果】IVIG投与群は非投与群と比較して発症時の運動障害点数が有意に低く(p<0.01),感覚障害点数は有意差を認めなかった.罹病期間とIVIG後の運動障害点数改善度には相関はないが,感覚障害点数改善度とは負の相関を認めた(p<0.05,r=-0.47).運動障害点数改善度とMMTの改善度は正の相関を認めた(p<0.01,r=0.70).IVIG投与群ではIVIG後の1カ月後に運動障害点数は有意に増加(p<0.01),感覚障害点数は有意に低下した(p<0.01).【結語】この質問票の使用によりIVIG後の運動・感覚障害の効果が評価でき,質問票はEGPAの末梢神経障害の管理に有用であることが示唆された.
著者
服部 直子 犀川 由紀子 山本 洋子 小平 京子
出版者
関西看護医療大学
雑誌
関西看護医療大学紀要 (ISSN:18835686)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.30-38, 2014-03

【目的】臥床患者に対する看護技術「陰部洗浄」に関して,臨床で実践している内容と看護基礎教育で教授している内容を明らかにし,陰部洗浄の方法とその教育方法を検討する。【方法】質問紙調査【対象】近畿圏200床以上の病院で陰部洗浄を実施している看護職,および西日本の私立看護系大学において陰部洗浄を教授している教員【結果】有効回答数は看護師222名,看護教員38名であった。臨床では99%が陰部洗浄で紙オムツを使用していた。実施上の困難として「股関節の可動域制限があり開脚できない患者への対処」,「自分で臀部を拳上できない患者への対処」等,患者の身体的状況に関連する内容と,使用物品に関する内容があげられた。看護系大学では,3分の2が紙オムツ,約半数が便器を使用する方法で陰部洗浄を教授し,教授上の困難として,「モデル教材を使用する限界」,「学生の性差を踏まえた教育方法」,「教育内容の迷い」等があげられた。【考察】陰部洗浄の方法については,安全で安楽な用具開発の必要性が示唆された。看護基礎教育においては,臨床の現状を踏まえた上で複数の方法で教授すること,方法のエビデンスの確立やモデル教材の改善が必要である。
著者
服部 直子 パグワ ボヤンジャルガル 奥津 文子
出版者
関西看護医療大学
雑誌
関西看護医療大学紀要 (ISSN:18835686)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.62-69, 2016-03

関西看護医療大学とモンゴル国立医科科学大学看護学部は,2011 年9 月に学術交流協定を結び,以来様々な交流事業を行ってきた。本報告ではまず,モンゴルの保健医療事情や看護教育の制度について概観した上で,モンゴル国立医科科学大学看護学部の概要と看護学科のカリキュラムについてまとめた。さらにモンゴル国立医科科学大学看護学部において実施した両大学教員の協働による基礎看護技術「手指衛生」の演習の試みを振り返った。演習実施にあたっては,計画立案の段階から日本とモンゴルの施設設備や実施されている方法の違いから,教授内容と方法について議論を重ねる必要があった。演習当日は看護学部看護学科2 年生および他学科の学生,計70 名の参加が得られ,学生は蛍光ローションを両手に擦り込み,手洗い後に手洗いチェッカーで洗い残しの癖を見る等,手指衛生技術の習得に取り組んだ。手洗いの結果を視覚的に確認できたことで,より確実な技術の習得に繋がったと考えられた。両大学のよりよい教育実践に向けて,今後さらなる連携をめざしたい。
著者
森田 智子 江川 隆子 笠岡 和子 神谷 千鶴 西村 めぐみ 原田 美穂子 服部 直子 東 美鈴 出原弥和
出版者
関西看護医療大学
雑誌
関西看護医療大学紀要 (ISSN:18835686)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.14-22, 2012-03

【目的】2010年健康ひょうご21活動(県民運動実践活動)の助成を受け、世代間交流のプログラム創設の基礎資料を得るために、老人力の発掘調査を行い現在の健康状態や地域活動参加状況などの実態を明らかにすることを目的とした。【方法】A町内会の同意が得られた65歳以上の高齢者327人に自記式質問調査を行った。【結果】有効回答者133人のうち女性60.9%、平均年齢76.1歳±7.8歳。伝承遊びのほとんどの項目は6割以上行っており、郷土料理は「いかなごの釘煮」(68.4%)、お菓子類は餅類(75.2%)、保存食は「梅干し」(88.7%)、薬草は「どくだみ」(42.9%)が多かった。生活満足度、主観的健康観は70%以上が肯定回答であり、老研式活動能力は全項目7割以上が「はい」と回答した。老人力を若い世代へ継承していきたい人は43.4%であり、地域活動で参加している人は43.0%、ボランティア活動をしてみたい人は12.3%だった。【考察】:対象者は概ね健康状態が良く、健康に気をつけている人が多かったが、若い世代への継承、地域活動への参加も4割弱だった。今後は高齢者個々のニーズを把握した世代間交流プログラムを検討していくことが課題である。