著者
徳田 誠 吉朝 朗 上原 誠一郎 宮脇 律郎 門馬 綱一 杉山 和正
雑誌
一般社団法人日本鉱物科学会2019年年会・総会
巻号頁・発行日
2019-08-13

フェルグソン石 (Fergusonite) はメタミクト状態で産出することで代表的な鉱物の一つである。我々はメタミクト状態のフェルグソン石は加熱されることで、本来の構造に本当に回復しているのか、疑問に感じていた。宮崎県大崩山から産した軽度のメタミクト状態であるフェルグソン石を Rigaku SuperNova X線回折装置に搭載し、回折データを測定し、その構造精密化に成功した。メタミクト化によるブロードな粉末回折図形からでは T 相であると誤解しかねない単斜晶 (M 相)であると結論した。明らかに熱処理前後で回折図形は異なることが分かり、フェルグソン石は熱処理により、メタミクト化の情報が失われることが分かる。
著者
村尾 玲子 杉山 和正
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2010年年会
巻号頁・発行日
pp.73, 2010 (Released:2011-04-06)

コンゴ産クリソコラおよび水溶液からのアルカリ沈殿により合成したCu(OH)2 微結晶の構造をX線異常散乱法を用いて解析した。Cu周囲の環境動径分布関数(RDF)におけるCu-O相関は歪8面体6配位構造のうち近い4つの酸素に相当する。クリソコラのCu-KEXAFSスペクトルはCu(OH)2 微結晶と非常に近いが、環境RDFにおいて3.3Å近傍のCu-Cu相関は異なる傾向を示す。この結果はクリソコラはSiO4およびCu(O,OH))6局所構造単位から成る独自の構造をとっていることを示唆している。
著者
志村 玲子 杉山 和正
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.140-140, 2009

ベリルは多様な色を呈するサイクロケイ酸塩鉱物である。本研究では、パキスタン産の桃色のベリルであるモルガナイトの解析を行った。このモルガナイトはCsに富んでいる。単結晶構造解析により、Csは[Si6O18]リングの2a(0,0,1/4)サイトに分布していることが確認され、また、Cs K-XAFSによりCs-Oの距離は0.35nmとなり、2aサイトへの分布が支持された。
著者
松原 聰 宮脇 律郎 重岡 昌子 杉山 和正 毛利 孝明 中原 理栄 岡井 隆
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2010年年会
巻号頁・発行日
pp.76, 2010 (Released:2011-04-06)

山口県長門市川尻付近に産するアルカリ玄武岩中からオフレ沸石が産する。この沸石は、直径0.5 mm以下の短六角柱状あるいは板状結晶をしている。9個の平均化学組成は、SiO2 51.25, Al2O3 20.74, MgO 2.90, CaO 2.28, BaO 1.02, Na2O 2.74, K2O 3.77, 計 84.71 %である。
著者
松原 聰 宮脇 律郎 重岡 昌子 杉山 和正 毛利 孝明 中原 理栄 岡井 隆
出版者
日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.2010, pp.76-76, 2010

山口県長門市川尻付近に産するアルカリ玄武岩中からオフレ沸石が産する。この沸石は、直径0.5 mm以下の短六角柱状あるいは板状結晶をしている。9個の平均化学組成は、SiO2 51.25, Al2O3 20.74, MgO 2.90, CaO 2.28, BaO 1.02, Na2O 2.74, K2O 3.77, 計 84.71 %である。
著者
田賀井 篤平 三船 温尚 清水 康二 杉山 和正 白 雲翔 韓 偉東
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

青銅鏡鏡笵の黒色皮殻に対する化学分析の結果、Cu,Sn,Pb,Znなどが確認された。黒色皮殻は、鋳込みに際の鏡笵と金属との反応生成物である。更に、SやCを確認したことから、SやCは、離型材・塗型材に由来すると考えた。分析データを基に、Cu,Sn,Pbなどの金属を調合して鋳造実験を行った。塗型材や離型材の素材を変えて鋳込み実験を行い、離型材に油脂を使用した場合に、最も漢代の鋳型に近い黒色皮殻が得られた。分析の結果、黒色皮殻部に、鋳込み金属元素やSの存在が確認できた。Cは還元状態で高温金属に触れた離型材の油脂から生じた煤であると考えられる。