著者
田中 崇裕 長原 正人 高橋 春雄 橋本 成弘 山田 隆 宮脇 律郎 門馬 綱一 重岡 昌子 徳本 明子 松原 聰
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2015年年会
巻号頁・発行日
pp.40, 2015 (Released:2020-01-15)

鹿児島県薩摩川内市入来地区に露出するカオリンを主とする変質粘土帯に存在する熱水石英脈中に、我が国初産のスカンジウムリン酸塩鉱物であるコルベック石とプレツール石と考えられる鉱物が確認された。これらの鉱物について、化学組成、産状、成因などについて報告する。
著者
石橋 隆 宮脇 律郎 重岡 昌子 松原 聰 萩原 昭人
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本地質学会第118年学術大会・日本鉱物科学会2011年年会合同学術大会
巻号頁・発行日
pp.151, 2011 (Released:2012-03-28)

岐阜県中津川市下野に位置する福岡鉱山の,花崗岩質ペグマタイトに伴う石英脈中より,ユークレース石(Euclase)の産出を確認した.本邦からの産出報告は初である.福岡鉱山産の本鉱物は,脈状ペグマタイトまたはそれに伴う石英脈中の白色粘土に充填された5cm~10cm程度の晶洞より,ごく少量産した.晶洞内壁の石英の結晶面上に,0.3mm以下のa軸方向に伸長した微細な短柱状自形結晶が,多数晶出している.ガンドルフィーカメラを用いたX線粉末回折実験で得られた回折値から単斜晶系(空間群P21/c)の格子定数を求めると, a = 4.7758(15), b = 14.328(4), c = 4.6324(13) Å, β = 100.31(2)°, V = 311.87(16) Å3となる.主なX線粉末回折値[d in Å (I) hkl]は, 7.16(100)020, 3.85(45)021, 3.23(67)–121, 2.78(68)121, 2.55(48) –141, 2.45(52)150である.EPMAでSiとAlの定量分析を行い,BeはSiと化学当量に,Hは100wt%からの差分で算出し, Be1.00Al0.99(Si1.00O4)(OH)0.93の実験式が得られた.
著者
門馬 綱一 長瀬 敏郎 ジェンキンズ ロバート 谷 健一郎 井尻 暁 宮脇 律郎
出版者
独立行政法人国立科学博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2016-04-01

シリカクラスレート鉱物とは、結晶構造中にメタンなどの天然ガス分子を含む鉱物である。これまで,産出の極めて稀な鉱物と考えられてきたが,メタン湧水環境において普遍的に産出する可能性が高い。堆積物中の有機物は,地中深くまで運ばれると地熱により分解されてガスとなり,断層や泥火山などの地質構造を通して冷湧水とともに地表(海底)に湧出する。海水中に湧出したガスは微生物に酸化され,最終的には二酸化炭素として再び大気中に放散される。このような地球規模での炭素循環過程を解明する手掛かりとして,シリカクラスレート鉱物は新たな物証を与える。本研究はシリカクラスレート鉱物から古代のメタン湧水環境に関するより詳細な情報を得ることを目的とし,極東ロシア サハリンをモデル地域として研究を行うものである。2年目となる平成29年度は、前年に引き続き、サハリン南西の町ネヴェリスクおよびクリリオンスキー半島の南西海岸の調査を行なった。ネヴェリスクでは、前年度に確認したシリカクラスレート鉱物の一種、メラノフロジャイトと、化石の産状調査を重点的に行なった。また、クリリオンスキー半島においては、前年度調査ではメラノフロジャイトの痕跡(仮晶=結晶の形だけを残し、中身が玉髄に変質したもの)しか発見できなかったが、未調査の場所を重点的に調べた結果、未変質のメラノフロジャイトを見出した。産状は火山岩中に貫入した熱水鉱脈であり、ネヴェリスクのものとは趣が異なる。調査の結果については日本鉱物科学会2017年度年会にて発表を行った。また、採取した試料について、詳細な分析を進めているところである。
著者
西久保 勝己 松原 聰 宮脇 律郎 横山 一己
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2007年度年会
巻号頁・発行日
pp.205, 2007 (Released:2008-09-02)

東京都奥多摩町の白丸鉱山より、新たにベニト石Benitoiteを見出した。ベニト石は、曹長石、マースチュー石、ガノフィル石-多摩石系鉱物、方解石などと密な集合をなす。紫外線短波で明るい青白色の蛍光を発する。
著者
松原 聰 宮脇 律郎 横山 一己 清水 正明 今井 裕之
出版者
Japan Association of Mineralogical Sciences
雑誌
日本鉱物学会年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.124, 2003 (Released:2004-07-26)

東京都奥多摩町にあった白丸鉱山跡は,マンガン鉱物を含む露頭の一部が残存している.この露頭からは,過去にもいろいろな種類の鉱物,特にバリウムやストロンチウムを主成分とするケイ酸塩,炭酸塩鉱物が産出した.また,ガノフィル石のカルシウム置換体,多摩石(Matsubara et al., 2000)は前回の放流の際(1998年)に発見された.露頭は,黒色のブラウン鉱が縞状ないしパッチ状に入った全体的には赤褐色の壁で,周囲は砂岩である.通常このようなマンガン鉱体は石英に富む母岩(チャート)に伴われるが,現在見られる部分には,石英は存在しない.ケイ質放散虫もすべて曹長石化している.今回は,ブラウン鉱がパッチ状に入った部分を重点的に調査した.このような部分にも白色~淡黄褐色脈が無数に貫いている.白色脈は主に,ハイアロフェン,曹長石,方解石からできている.その他には,重晶石もふつうに見られる.やや少ないが,重土長石の場合もあり,稀にはストロンチアン石やキュムリ石の微細結晶集合も含まれる.淡黄褐色脈は,マースチュー石,多摩石,ネオトス石などからできている.やや濃い赤色の細脈や小さなパッチ状の部分はストロンチウム紅簾石である.ブラウン鉱は,ひじょうに細かい結晶の集合体で,結晶粒間には,ハイアロフェン,曹長石,マースチュー石,多摩石,ネオトス石などの極めて微細な鉱物が埋めている.薄片で観察すると,ブラウン鉱密集部の小さな空間を,屈折率が高く,多色性の明瞭な濃赤褐色の粒が満たしていることがわかる.これは,似たような色のストロンチウム紅簾石や赤鉄鉱とは明らかに異なる.薄片から一部を切り出し,ガンドルフィーカメラによってX線粉末回折値をとったところ,既知のガマガラ石(gamagarite)によく類似したパターンであることがわかった.そこで,EDSおよびWDSで化学分析をおこない,その結果からガマガラ石のFeをMnで置換したものに相当することが明らかになった.ガマガラ石は,南アフリカのGamagara Ridgeから1943年に記載されたひじょうに稀な鉱物で,理想化学組成式はBa2 (Fe3+,Mn3+)(VO4)2 (OH),単斜晶系の鉱物である.1987年にイタリアのMolinello mineから二番目の産地が発見されている.いずれもマンガン鉱床から発見されているのだが,MnよりFeの方が卓越している.白丸鉱山産のものは,実験式が(Ba1.92Na0.02Sr0.01Ca0.01)Σ1.96(Mn3+0.81Fe3+0.17Al0.01)Σ0.99[(V1.99Si0.01)O7.92](OH) 1.00(6ヶ所の平均値,水分は計算,V + Si = 2)で,明らかにMnが卓越している.格子定数は,a = 9.10(4) Å, b = 6.13(2) Å, c = 7.89(5) Å, β = 112.2(5)℃である.なお,今のところ見つかっている結晶粒は最大でも15μmであるので,単結晶解析は行っていない.このような組成のものは未知である.
著者
川崎 雅之 加藤 睦実 廣井 美邦 宮脇 律郎 横山 一己 重岡 昌子 鍵 裕之 砂川 一郎
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2012年年会
巻号頁・発行日
pp.61, 2012 (Released:2014-06-10)

奈良県天川村洞川(どろがわ)にある五代松(ごよまつ)鉱山(接触交代鉱床)から黄色に着色した水晶が産出し、レモン水晶と称されて標本市場に流通している。この水晶は高過飽和条件下での樹枝状成長とそれに続く低過飽和条件下での層成長という二つの過程を経ていること、樹枝状水晶が種子となり、多面体水晶の形成を規制していることから、トラピッチェ・クオーツと呼べるものである。
著者
宮島 宏 松原 聰 宮脇 律郎
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2010年年会
巻号頁・発行日
pp.74, 2010 (Released:2011-04-06)

新潟県糸魚川産のヒスイ輝石岩の研究の過程で,上記とは異なる産状のストロンチアン石が発見されたので報告する. ストロチアン石を含む岩石は青海川で転石として発見された.肉眼的には白色緻密半透明で,当初は細粒のヒスイ輝石岩と思われたが,ほとんどソーダ珪灰石からなる岩石であった.偏光顕微鏡と走査型電子顕微鏡では,ストロチアン石は最大長0.5mmの半自形~自形の長柱状~針状結晶の集合体で,集合体の形は不規則であり,母岩中に偏在している.結晶の伸長方向も一定ではなく,母岩の塊状のソーダ珪灰石に見られる脈の方向とも一致しない.また, ストロンチアン石は晶洞中や脈として産することが多いが,糸魚川産ストロンチアン石はそのいずれでもない. 試料が微細であるためガンドルフィカメラを用いてX線粉末回折データを得たところ,ストロンチアン石によく一致した. EDSによる化学分析の結果を,カチオン数が1となるように計算して得られた実験式は(Sr86.3 Ca13.4 Ba0.3)CO3となり,皆川(1995)の報告したものに近い組成を持つ.なお,母岩の大半を構成するソーダ珪灰石からはストロンチウムは検出されなかった. 糸魚川地方では,ヒスイ輝石岩,曹長岩,ロディン岩,コランダム岩などから多種多様なストロンチウム鉱物が発見されているが,ストロンチアン石のように一般に低圧で生成すると考えられているストロンチウム鉱物が発見されたのは初めてである.
著者
宮脇 律郎
出版者
日本結晶学会
雑誌
日本結晶学会誌 (ISSN:03694585)
巻号頁・発行日
vol.53, no.1, pp.58-63, 2011-02-28 (Released:2011-04-01)
参考文献数
14

A mineral substance is defined as a naturally occurring solid that has been formed by geological processes, either on earth or in extraterrestrial bodies by the Commission on New Minerals, Nomenclature and Classification of the International Mineralogical Association (CNMMC-IMA). A mineral species is defined with the chemical composition and crystallographic properties. So far approximate 4,300 mineral species have been endorsed and approved by the CNMMC-IMA. The crystal structure is the fundamental key of the crystallography in the description of mineral. Owing to the recent developments in the hardware and software for crystal structure analysis, many of new mineral species have been described with data of crystal structures. Minor differences in atomic arrangement such as chemical orderings provide the information on the genesis of mineral.
著者
宮島 宏 松原 聰 宮脇 律郎
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2007年度年会
巻号頁・発行日
pp.201, 2007 (Released:2008-09-02)

新潟県糸魚川地方の海岸や姫川・小滝川河床から、粗粒なcorundumが転石として発見される(宮島ら, 1999 二鉱学会演旨)。今回、小滝川と青海海岸産のcorundumを含む試料から稀産雲母とSrを含む特異な組成を持つ雲母が発見されたので報告する。 ◆プライスワーク雲母 (Preiswerkite) PreiswerkiteはKeusen and Peters (1980)によりスイスの超苦鉄質複合岩体のrodingiteから発見され、 NaMg2Al[Al2Si2O10](OH)2という組成を持つ。産出例は比較的少なく、本邦では本報告が初産となる。本報告のpreiswerkiteは、糸魚川市小滝川で織田宗男氏が採集した礫に含まれていた。礫には径5~15mmの丸みを帯びた灰紫色ガラス光沢のcorundum, diasporeの集合体が多数存在し、preiswerkiteはその粒間を充填する淡黄色真珠光沢を呈する直径3mmの半自形結晶の集合体をなす。EDSによる分析値(wt. %)は、SiO2 30.75, TiO2 0.34, Al2O3 29.62, FeO 3.64, MgO 18.22, Na2O 4.74, K2O 0.95, Total 88.26となり、実験式は(Na20.7, K0.1) Σ0.8 (Mg2.0, Fe0.3) Σ2.3Al0.8 [Al1.8Si2.2O10](OH) 2となる。 ◆Srに富む雲母 (Sr-rich mica) Sr-rich micaは、糸魚川市青海海岸で小林浩之氏が採集した白地に青色部分が不規則な脈として存在する礫に含まれていた。白色部分は緻密なcelsianと劈開明瞭なmargarite, paragonite, Sr-rich micaからなり、少量のslawsonite, calciteを含む。青色部分は緻密なcorundum, diasporeからなる。margariteとparagoniteからは5 wt.%程度のSrOが検出され、Srに富む部分ではSrO = 15 wt.%を超え、0.75 pfuに達する。実験式は、(Sr0.75, Na0.15, Ca0.05) Σ0.95Al1.98[Al1.98Si2.05O10](OH) 2となり、margariteのSr置換体に相当する。CaとBaを主成分とする雲母は知られているが、Srを主成分とする雲母は知られておらず、公表された分析値でSrを含む例はない。糸魚川地方の蛇紋岩メランジュ中の構造岩塊からは多種のSr鉱物が発見されているが、このような特異な組成の雲母もその一例である。
著者
徳田 誠 吉朝 朗 上原 誠一郎 宮脇 律郎 門馬 綱一 杉山 和正
雑誌
一般社団法人日本鉱物科学会2019年年会・総会
巻号頁・発行日
2019-08-13

フェルグソン石 (Fergusonite) はメタミクト状態で産出することで代表的な鉱物の一つである。我々はメタミクト状態のフェルグソン石は加熱されることで、本来の構造に本当に回復しているのか、疑問に感じていた。宮崎県大崩山から産した軽度のメタミクト状態であるフェルグソン石を Rigaku SuperNova X線回折装置に搭載し、回折データを測定し、その構造精密化に成功した。メタミクト化によるブロードな粉末回折図形からでは T 相であると誤解しかねない単斜晶 (M 相)であると結論した。明らかに熱処理前後で回折図形は異なることが分かり、フェルグソン石は熱処理により、メタミクト化の情報が失われることが分かる。

1 0 0 0 OA 鉱物と化学

著者
宮脇 律郎
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.70, no.1, pp.4-7, 2022-01-20 (Released:2023-01-01)
参考文献数
1

鉱物は地質作用で生じた単体や化合物の固体物質である。鉱物の研究は,元素の発見など,化学と密接に関係してきた。鉱物種は,化学組成と原子配列で分類され,現在では5,700種余りが知られるに至った。近年,新種の発見は年間120種を超えるが,これはまだまだ宇宙や地球に未知の世界が広がっていることも示している。
著者
Bacik Peter 宮脇 律郎 Atencio Daniel Camara Fernando Fridrichova Jana
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2017年年会
巻号頁・発行日
pp.45, 2017 (Released:2020-01-16)

ガドリン石超族の命名分類体系が定義、承認された。ガドリン石超族は、単斜晶系で、空間群P21/c (#14)の同形構造を持つ一般式 A2MQ2T2O8 のケイ酸塩、リン酸塩、ヒ酸塩鉱物で構成されている。ガドリン石超族はケイ酸塩のガドリン石族とリン酸塩・ヒ酸塩のヘルデル石族に分類される。さらに、ガドリン石族はガドリン石亜族とダトー石亜族に、ヘルデル石族はヘルデル石亜族とドラッグマン石亜族に細分される。“ベイカー石”[Ca4B5(SiO4)3(O3(OH)5)]は最卓越則に照合すると鉱物種としての独立性が無いため、鉱物種としては抹消されることになった。
著者
宮脇 律郎
出版者
一般社団法人 日本鉱物科学会
雑誌
岩石鉱物科学 (ISSN:1345630X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.1, pp.11-18, 2014 (Released:2014-03-11)
参考文献数
35
被引用文献数
1

A rare earth mineral is defined as a mineral containing rare earth elements (REE: Sc, Y and lanthanoids) as essential constituents. So far, more than 280 species of RE minerals, as independent species, have been described after the official IMA-CNMNC approval. The chemical bonds between REE and anions possess largely ionic character and the coordination polyhedra of REE are not regular, but rather distorted, in almost all cases. The REE3+ ions exhibit 7 kinds of coordination number between 6 and 12, among which 8 is the most frequently observed. The coordination numbers of the larger Ce-group REE3+ are similar to those of Ca2+ and Th4+, and are generally higher than those of the smaller Y-group REE3+, which is similar to that of U4+. Isomorphous substitutions are commonly observed between cations having similar ionic radii and coordination numbers. The difference in the cation size between the Y- and Ce-group REE results in different crystal structures, when these structures consist of isolated anionic groups, such as CO32− and PO43−. The crystal structures having infinite frameworks, e.g., chains, sheets and 3-dimensional frameworks of silicate, niobates and others, sometimes accept both of the Y- and Ce-group REE in the spaces between/among the frameworks. The isomorphous substitutions between REE3+ and the other heterovalent cations found in the crystal structures of RE minerals are coupled substitutions with charge compensation mechanisms.
著者
草地 功 小林 祥一 武智 泰史 中牟田 義博 長瀬 敏郎 横山 一己 宮脇 律郎 重岡 昌子 松原 聰
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本地質学会第118年学術大会・日本鉱物科学会2011年年会合同学術大会
巻号頁・発行日
pp.142, 2011 (Released:2012-03-28)

岡山県備中町布賀鉱山のゲーレン石・スパー石スカルンに近接した結晶質石灰岩を貫く,武田石など種々のカルシウムホウ酸塩鉱物からなる不規則な脈中の含水カルシウムホウ酸塩鉱物(草地ら,2004)について,新たな分析を行い,このたび国際鉱物学連合,新鉱物命名分類委員会より,新種「島崎石」として承認された。命名は、スカルンの鉱物学、鉱床学に多大な貢献をした島崎英彦東京大学名誉教授に因む。
著者
宮脇 律郎 志村 俊昭 門馬 綱一 松原 聰 加藤 昭
雑誌
一般社団法人日本鉱物科学会2019年年会・総会
巻号頁・発行日
2019-08-13

河辺石の再定義に向けて、原記載産地の標本を用いた化学組成と加熱処理再結晶化による結晶データの測定を行った。示差熱分析は、4段階の脱水反応による重量減量を示した。メタミクト化した非晶質の未処理試料は650°Cまで加熱すると再結晶化が始まり、立方晶系のパイロクロア石型構造となる。775°Cでジルコノ石の三方晶系ポリタイプ型に相転移する。河辺石の外形は三方晶系に調和的であることから、河辺石の原構造は、三方晶ジルコノ石型と結論される。従って河辺石は、ジルコノ石の希土類置換体と再定義されるべきである。
著者
宮島 宏 百瀬 孝仁 大塚 勉 那須野 雅好 遠藤 公洋 赤羽 久忠 松原 聰 宮脇 律郎
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2010年年会
巻号頁・発行日
pp.88, 2010 (Released:2011-04-06)

中房温泉のこれまで『明礬』とされていた噴気生成物の大部分は,タマルガル石Tamarugite NaAl (SO4)2・H2Oであることがわかったので報告する.本鉱物はチリのTamarugalパンパスから発見されたもので,国内産出例として大分県別府明礬温泉(皆川, 1994),埼玉県吉見丘陵の吉見百穴洞窟内壁面(堀口ら, 2000)がある. 中房川の右岸の噴気帯から白色と黄褐色の2種類の噴気生成物が認められた.量的には前者が卓越する.EDXによる化学分析とXRDによるX線粉末回折データから黄褐色昇華物はソーダ鉄明礬石と鉄を含む明礬石であったが,白色昇華物は明礬石ではなくタマルガル石であった.また,かつて林間学校の宿泊用に使われていた木造の建物内の床面に,タマルガル石と少量のアルノーゲン,明礬石からなる厚さ5cmに達する噴気生成物が発見された.タマルガル石は薄い板状結晶(最大長30μm,厚さ2~3μm)である.Fe-poor でNa, Kが存在しているときにはタマルガル石と明礬石が生成し,Fe-richであるとタマルガル石とソーダ鉄明礬石が生成し,共にソーダ明礬石は生成しない.
著者
松原 聰 宮脇 律郎 横山 一己 重岡 昌子 原田 明 山田 隆 川島 和子 清水 孝一 宮島 浩
出版者
一般社団法人日本鉱物科学会
雑誌
日本鉱物科学会年会講演要旨集 日本鉱物科学会 2010年年会
巻号頁・発行日
pp.77, 2010 (Released:2011-04-06)

長野県茅野市向谷鉱山の熱水脈からヘドレイ鉱、ピルゼン鉱、都茂鉱、Bi3Te2のようなBi - Te系鉱物が産する。鉱脈は三波川変成岩に属する石英ー白雲母ー滑石片岩中に見られる。Bi - Te系鉱物はゲルスドルフ鉱、硫砒鉄鉱、磁硫鉄鉱、黄銅鉱を伴う。ヘドレイ鉱、ピルゼン鉱、都茂鉱は、直径2 mm以下の六角板状結晶として見られる。