著者
中村 茂夫
出版者
合成樹脂工業協会
雑誌
熱硬化性樹脂 (ISSN:03884384)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.26-38, 1985-03-10 (Released:2012-08-20)
参考文献数
22
被引用文献数
1

ねじり振子における繊維, フィルム, 棒状試験片のかわりに, ガラス繊維の組紐 (Braid) と試料の複合体を用いて自由減衰振動の測定を行うTorsional Braid Analysis (TBA) の原理, 装置および熱硬化性樹脂への応用, とくに熱硬化過程の追跡, 熱硬化速度の決定, 硬化樹脂の力学的性質について解説する。熱硬化性樹脂の硬化反応の際に, その状態は液体状態からゴム状態を通ってガラス状態まで広い粘弾性領域にわたって変化するので, その全過程を1つの装置で連続的に測定することができるTBAは熱硬化性樹脂の研究に最も適すると言える。また, 熱硬化系の等温硬化過程における状態の変化を図示し, 硬化条件の設定および異なった反応系相互の比較を可能にするTTT図 (Time-temperature-transformation cure diagram) およびCHT図 (Continuous heating transformation cure diagram) についても説明し, その有用性を明らかにした。
著者
澤井 恭兵 菅野 のぞみ 田口 裕大 柳内 充 櫻井 圭祐 深澤 雄一郎 中村 茂夫 高橋 俊司
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.158-162, 2017-03-25 (Released:2017-03-29)
参考文献数
4

培養継続中であった血液培養にグラム染色を行い,菌の染色性と形態から早期に侵襲性肺炎球菌感染症(invasive pneumococcal disease; IPD)を診断することができた症例を経験した。症例は60歳代男性。全身に紫斑が出現し,急激に全身状態が悪化した。培養継続中であった血液培養にグラム染色を行ったところグラム陽性双球菌が認められ,尿中肺炎球菌抗原検査と併せてIPDが早期に診断できた。しかし,全身状態が改善することなく永眠された。本症例から培養継続中である血液培養にグラム染色を行うことで,血液培養自動分析装置で陽性を示すよりも早期に原因菌を推測できることが示唆された。実施には課題もあるが,検討に値する方法であり,この方法を臨床に周知・啓蒙したい。

1 0 0 0 OA 親屬容隱考

著者
中村 茂夫
出版者
東洋史研究會
雑誌
東洋史研究 (ISSN:03869059)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.676-696, 1989-03-31

In the history of Chinese law the origins of the law concerning the concealment of crimes by family members, according to which, those who conceal the crimes of their relatives are either exempted from criminal prosecution, or charged with minor offenses, are very ancient. For example, they are detectable in the Analects. Also in the legal codes of the Tang dynasty this law is set forth in detail. Later dynasties, including the Qing, also recognized this law. While many previous studies of this topic have been made, they have not systematically ordered the various provisions of these laws. This paper will attempt to fill that gap in the research surrounding this topic. While leaving discussions of these laws to other studies, this paper particularly will focus on an examination of various provisions of the Qing dynasty laws, taking up a few decisions from collections of judicial precedents. The paper will try to introduce systematically the legal status of laws pertaining to the concealing of crimes by family members. Since this traditional law also influenced the Japanese legal system, this paper will also briefly discuss the particulars of that influence.
著者
中村茂夫著
出版者
中山文華堂
巻号頁・発行日
1965
著者
森 定雄 高山 森 後藤 幸孝 永田 公俊 絹川 明男 宝崎 達也 矢部 政実 高田 かな子 杉本 剛 清水 優 長島 功 長谷川 昭 仙波 俊裕 大島 伸光 前川 敏彦 杉谷 初雄 大関 博 中橋 計治 日比 清勝 大谷 肇 中村 茂夫 杉浦 健児 田中 鍛 荻原 誠司 勝野 保夫 大久保 哲雄
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.95-101, 1996-01-05
被引用文献数
10 6

SEC専門部会傘下26測定機関でサイズ排除クロマトグラフィーによる高分子の分子量の共同測定を行った.試料はポリスチレン(PS)4種類, ポリメタクリル酸メチル(PMMA)2種類である.較正曲線作成用標準試料を配布し, 試料溶液の濃度, 注入量を規定するとともに, クロマトグラムベ-スラインの引き方を統一し, 又較正曲線は3次近似とした.その結果, かけ離れた数値を棄却した場合の相対標準偏差(RSD)はPSでは数平均分子量で13.7〜15.8%, 重量平均分子量で5.0〜5.8%.PMMAではそれぞれ11.9〜13.3%, 10.9〜11.3%であった.前回のラウンド口ビンテストと比較し, RSDが改善された様子は認められなかったが, 測定条件の不備による, 大きくかけ離れたデータがなくなった意義は大きい.RSDが改善されなかった理由の一つはベースラインに引き方の統一が完全でなかったことである.異なる検出器を使用した場合, 又異なるメーカーの標準試料を用いた場合, RSDが大きくなるようである.
著者
祖父江 寛 中村 茂夫 村上 謙吉 梶浦 淳資
出版者
公益社団法人 高分子学会
雑誌
高分子化學 (ISSN:00232556)
巻号頁・発行日
vol.19, no.206, pp.365-369, 1962-06-25 (Released:2010-10-14)
参考文献数
5
被引用文献数
1

分子量分布の多分散性を示すために一般に用いられているパラメーターMw/Mnの分子量依存性を一般的な分布関数f (M)について検討した。その結果分布の形が全く同一でもMw/Mnの値は分子量が大きくなると単調に1に近づき, 分子量依存性を示すことがわかった。またこのような現象を具体的に示すものとして若干の簡単な分子量分布模型についても検討を加えた。
著者
森 定雄 西村 泰彦 高山 森 後藤 幸孝 永田 公俊 絹川 明男 宝崎 達也 矢部 政実 清田 光晴 高田 かな子 森 佳代 杉本 剛 葛谷 孝史 清水 優 長島 功 長谷川 昭 仙波 俊裕 大島 伸光 前川 敏彦 中野 治夫 杉谷 初雄 太田 恵理子 大関 博 加々美 菜穂美 上山 明美 中橋 計治 日比 清勝 佐々木 圭子 大谷 肇 石田 康行 中村 茂夫 杉浦 健児 福井 明美 田中 鍛 江尻 優子 荻原 誠司
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.44, no.6, pp.497-504, 1995-06-05
被引用文献数
9 9

サイズ排除クロマトグラフィーによる分子量測定において, 異なる測定機関における分子量測定値がどれくらい異なるかを知る目的で, 傘下26測定機関で共同測定を行った.試料はポリスチレン(PS)3種, ポリメタクリル酸メチル(PMMA)2種で, 被検試料の測定条件と較正曲線作成条件は各測定機関で用いている要領で行った.その結果, 各測定機関での相対標準偏差は1〜3%と良好であったが、26測定機関による全平均値の相対標準偏差は13〜32%となった.測定データを吟味し, 望ましい測定条件からかけ離れているデータを除外した場合, PSのRSDは数平均分子量で13.6〜15.5%, 重量平均分子量で6.0〜9.4%となり.又PMMAではそれぞれ14.3〜16.0%, 7.8〜12.2%であった.
著者
森 定雄 高山 森 後藤 幸孝 永田 公俊 絹川 明男 宝崎 達也 矢部 政実 高田 かな子 清水 優 大島 伸光 杉谷 初雄 大関 博 中橋 計治 日比 清勝 中村 茂夫 杉浦 健児 田中 鍛 荻原 誠司
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.447-453, 1996-05-05
被引用文献数
7 2

較正曲線作成用標準試料の相違が平均分子量計算値にどのような影響を与えるかを比較し検討した.ここではポリスチレン(PS)試料の重量平均分子量(M_w)で, 示差屈折計で得られた値のみについて比較した.較正曲線作成に同一供給会社の標準試料を用いた場合(9測定機関)の第1回ラウンドロビンテスト(RR-1)(分子)と第2回テスト(RR-2)(分母)のM_wの比は平均値で1.03〜1.04となった.このうち最も大きい比は1.17,最も小さい比は0.95であった.高分子領域の標準試料濃度を低くし, 1溶液中の標準試料混合数は3〜4点とし, 同じけた数の分子量領域では標準試料使用数は少なくとも2点用い, 適切なカラム組み合わせのもとで測定することによりこの比は1.01〜1.03とすることができた.較正曲線作成用標準試料の供給元が異なっても, 測定点を通るスムーズな直線ないし三次式が求められる限り, 試料の分子量測定値に大きな差が認められないことが分かった.いいかえると, 同一標準試料を用いても, 測定点をスムーズに通らない較正曲線では分子量測定値に大きな差が認められた.比較検討の結果, 不適切なデータを除いたRR-1とRR-2の全平均値のRSDは約3.9%となり, このときの三つのPS試料のM_wは次のようになった.PS-1 3.98×10^5,PS-2 2.40×10^5,PS-3 1.66×10^5.これらの数値は標準試料の供給元の相違によらず, 現時点における適切な測定条件を考慮して得ることができる平均分子量値とRSDであると結論付けられる.