著者
清水 優史 龍前 三郎
出版者
一般社団法人 日本生体医工学会
雑誌
医用電子と生体工学 (ISSN:00213292)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.53-60, 1993 (Released:2011-10-14)
参考文献数
18
被引用文献数
1

To simulate blood pressure measurement done by medical doctors, a new type stethoscope, which is a commercialy available stethoscope equipped with an eddy-current displacement sensor and a microphone, is developed. Using this stethoscope and impedance plethysmograph, pulse wave-forms and sounds distal to the cuff and volume change of the artery under the cuff were measured in various experiments. In some experiments, common blood pressure measuring process is adopted and, in other experiments, cuff-pressure is kept constant. From the experimental results, the following facts are known. 1) Blood flow rate coming from upstream in the collapsed artery under the cuff is not affected by arterial pressure distal to the cuff. 2) Always the same sounds are produced when experimental conditions are kept constant. 3) When sounds are heard there exist always steep wave fronts. From these facts, the true mechanism of Korotkoff sound generation is known to be hydrolic-jump formation at the wave front during pressure wave propagation through collapsed artery segment under the cuff.
著者
清水 優子 牛島 廣治 北島 正章 片山 浩之 遠矢 幸伸
出版者
一般社団法人 日本環境感染学会
雑誌
日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.6, pp.388-394, 2009 (Released:2010-02-10)
参考文献数
17
被引用文献数
3 3

ヒトノロウイルス(HuNoV)は,未だ細胞培養系が確立されていないため,各種消毒薬のHuNoVに対する有効性について十分な知見が得られていない.そこで,HuNoVに形態学的にも遺伝学的にも類似し細胞培養可能なマウスノロウイルス(MNV)を用い,塩素系およびエタノール系消毒薬の不活化効果をTissue Culture Infectious Dose 50% (TCID50)法を指標に評価した.次亜塩素酸ナトリウムおよびジクロルイソシアヌル酸ナトリウム(塩素系消毒薬)は,200 ppm, 30秒間の接触でMNVは99.998% (4.8 log10)以上不活化して検出限界以下となり,125 ppmの場合でも30秒間で99.99% (4 log10)以上の不活化が認められた.70 v/v%エタノール,0.18 w/v%クロルヘキシジングルコン酸塩含有72 v/v%エタノールおよび0.18 w/v%ベンザルコニウム塩化物含有75 v/v%エタノールは,30秒間の接触で検出限界以下までウイルス感染価を低下させた.   本研究で対象とした2種類の塩素系消毒薬は,いずれも終濃度125 ppmで高いMNV不活化効果を示した.また,3種類のエタノール系消毒薬については,エタノール濃度70 v/v%以上で使用すれば,いずれも短時間でMNVの不活化が達成できることが分かった.以上の結果から,これらの市販の消毒薬はHuNoVに対しても高い不活化効果を有することが期待され,ノロウイルス感染症の発生制御および拡大防止の感染対策を目的とした環境用消毒薬として有用であると考えられる.
著者
清水 優史 谷田 好通
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.48, no.434, pp.1936-1944, 1982-10-25 (Released:2008-03-28)
参考文献数
9

血圧測定のよりどころであるコロトコフ音の発生機構のうち最低血圧でのそれを, 実験及び理論計算により明らかにした. コロトコフ音は外圧によりいくぶん圧平された管部を圧力波が出播する際, 波の先頭部に形成される圧力不連続面(衝撃波面)が管を急激に膨張させることにより生ずる. この衝撃波面は管法則の非線形性に起因する波の追いつき現象により作られ, その強さは管の圧平の度合と圧平部長さにより決定される.
著者
清水 優史
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.50, no.460, pp.3107-3115, 1984-12-25 (Released:2008-03-28)
参考文献数
9

The genesis of Korotkoff sound at high cuff pressure has been made clear by the model expreimental study using the thin walled silicon rubber tube being modified to have zero internal cross sectional area as an artery ehen compressed by the relatively higher external pressure than the internal one. The sound is generated by the steep pressure wave front formed in the course of pressure wave propagation through the completely collapsed tube segment under the cuff. The amplitude of the pressure wave penetrating into the collapsed tube segment and that of the steep wave front reaching to the distal end of the segment, measured from the artery also weakens correspondingly and, at some Peb, the sound becomes unaudible. The pressure wave form depends strongly on the transmural pressure at the distal end of the collapsed segment.
著者
久保 真人 饗場 郁子 下畑 享良 服部 信孝 吉田 一人 海野 佳子 横山 和正 小川 崇 加世田 ゆみ子 小池 亮子 清水 優子 坪井 義夫 道勇 学 三澤 園子 宮地 隆史 戸田 達史 武田 篤 日本神経学会キャリア形成促進委員会
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.219-227, 2021 (Released:2021-04-21)
参考文献数
15
被引用文献数
1

医師のバーンアウトの現状と対策を検討するため日本神経学会の全学会員8,402名に対しアンケート調査を行い,15.0%にあたる1,261名から回答を得た.本論文では男性医師と女性医師の比較結果について報告する.勤務・生活状況では既婚者のみに有意な差が認められた.労働時間など勤務状況では男性のほうが厳しい条件で勤務していること,家事分担では女性の負担が重いことが確かめられた.日本版バーンアウト尺度による分析では,全体の得点では性差は認められなかったが,バーンアウトと関連する要因については,男女に共通した要因にくわえて,男性あるいは女性特有の要因が明らかとなった.
著者
下畑 享良 久保 真人 饗場 郁子 服部 信孝 吉田 一人 海野 佳子 横山 和正 小川 崇 加世田 ゆみ子 小池 亮子 清水 優子 坪井 義夫 道勇 学 三澤 園子 宮地 隆史 戸田 達史 武田 篤 日本神経学会キャリア形成促進委員会
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.89-102, 2021 (Released:2021-02-23)
参考文献数
24
被引用文献数
2 1

医師のバーンアウトに関連する要因を明らかにし,今後の対策に活かすため,2019年10月,日本神経学会はバーンアウトに関するアンケートを脳神経内科医に対して行った.学会員8,402名の15.0%にあたる1,261名から回答を得た.日本版バーンアウト尺度の下位尺度の平均は,情緒的消耗感2.86/5点,脱人格化2.21/5点,個人的達成感の低下3.17/5点であった.また本邦の脳神経内科医のバーンアウトは,労働時間や患者数といった労働負荷ではなく,自身の仕事を有意義と感じられないことやケアと直接関係のない作業などと強く関連していた.これらを改善する対策を,個人,病院,学会,国家レベルで行う必要がある.
著者
下畑 享良 久保 真人 饗場 郁子 服部 信孝 吉田 一人 海野 佳子 横山 和正 小川 崇 加世田 ゆみ子 小池 亮子 清水 優子 坪井 義夫 道勇 学 三澤 園子 宮地 隆史 戸田 達史 武田 篤 日本神経学会キャリア形成促進委員会
出版者
日本神経学会
雑誌
臨床神経学 (ISSN:0009918X)
巻号頁・発行日
pp.cn-001533, (Released:2021-01-26)
参考文献数
24
被引用文献数
1

医師のバーンアウトに関連する要因を明らかにし,今後の対策に活かすため,2019年10月,日本神経学会はバーンアウトに関するアンケートを脳神経内科医に対して行った.学会員8,402名の15.0%にあたる1,261名から回答を得た.日本版バーンアウト尺度の下位尺度の平均は,情緒的消耗感2.86/5点,脱人格化2.21/5点,個人的達成感の低下3.17/5点であった.また本邦の脳神経内科医のバーンアウトは,労働時間や患者数といった労働負荷ではなく,自身の仕事を有意義と感じられないことやケアと直接関係のない作業などと強く関連していた.これらを改善する対策を,個人,病院,学会,国家レベルで行う必要がある.
著者
武笠 知幸 河上 洋樹 安川 宏輝 丹澤 朋世 佐藤 可士和 中村 勇吾 山 健太郎 鈴木 朗裕 沢木 和樹 石合 美紀 水田 賢二 清水 優花 高橋 祐規 原田 英聡 谷口 充大 石田 多朗 益子 宗
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.1_34-1_39, 2022-03-31 (Released:2022-03-19)
参考文献数
12

UNLIMITED SPACEは2次元のタイポグラフィと3次元でキャプチャされた人体動作、そして大規模オンラインデータを統合したインタラクティブインスタレーション作品である。展示空間に足を踏み入れると、人気の検索ワードから抽出された単語が人体形状に沿って動的に配置され、その様が壁面に投影される。インターネットサービスは我々消費者のニーズを満たすために膨大な量のデータを処理し続けているが、我々が日々の暮らしの中でその存在を意識することは稀である。普段我々が商品やサービスを検索する際、それらの検索クエリがいかにダイナミックにシステムの内部で処理されているかを想像することは難しい。本作品の目的は実世界の消費者と手に取る事の出来ないデータの世界を繋ぐ事である。UNLIMITED SPACEでは、鑑賞者の鏡像をデータで再構成することにより日々の生活がデータに還元されていることを示唆し、消費者とデータの世界が成す無限の広がりを表現した。来場者は自由に展示空間を動き回り、自身の動作と我々のオリジナルフォントで表現されたデータの世界が相互作用する様を体験することが出来る。
著者
清水 優史
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.132-137, 2012 (Released:2016-04-15)
参考文献数
4

長い首が呼吸の妨げになっていると言われるキリンの呼吸に関するパラメータを測定する目的で,腹部表面の呼吸に伴う変位をステレオカメラシステムを使用して測定することが試みられた.その中で縞模様が有効なターゲットになることが知られた.ステレオカメラシステムによるターゲットの変異計測から,呼吸量を推定する方法の精度が,人の実験によって調べられた.その結果,カメラを腹部の半分を見られる適当な位置に設置すれば,ある程度の精度で測定が可能と考えられる結果が得られた.
著者
清水 優菜 山本 光
出版者
一般社団法人 日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.43, no.Suppl., pp.57-60, 2020-02-20 (Released:2020-03-23)
参考文献数
9
被引用文献数
1

本研究は,教員養成課程の大学生を対象に,小学校での教育実習前後における教授・学習観の変容,および教育実習のエンゲージメントが教授・学習観に与える影響を検討した.はじめに,実習前後での教授・学習観の変化について,実習後に構成主義的教授・学習観は高まるが,直接伝達主義的教授・学習観は低くなることが明らかとなった.次に,教育実習のエンゲージメントと教授・学習観の関連について,実習前の教授・学習観が実習後の教授・学習観に,実習エンゲージメントが実習後の構成主義的教授・学習観に正の影響を与えることが示された.また,実習前の構成主義的教授・学習観は,実習エンゲージメントに正の影響を与えることが示された.
著者
服部 雅史 舘石 和雄 判治 剛 清水 優
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.1, pp.22-00231, 2023 (Released:2023-01-23)
参考文献数
48

本論文は,鋼床版のUリブとデッキプレートの溶接ルートからデッキプレートまたは溶接ビードに進展する疲労き裂に対して,交通規制が不要であり,かつ死荷重が増加しない対策方法を検討したものである.具体的には,Uリブの下フランジを切断・撤去し,Uリブ・デッキプレート溶接部をUリブ内側からも溶接する対策を提案した.まず,構造改変を伴う本対策の実現性の確認として,耐荷性能,溶接の施工性や出来形,アスファルト舗装への影響を検証した.次に,対策前後での着目溶接部周辺の局部応力やき裂先端の応力性状の変化,および他の部位への影響を有限要素解析により確認した.最後に,本対策の疲労耐久性を定点疲労試験により明らかにした.
著者
清水 優菜
出版者
一般社団法人 日本科学教育学会
雑誌
科学教育研究 (ISSN:03864553)
巻号頁・発行日
vol.45, no.3, pp.298-307, 2021 (Released:2021-10-05)
参考文献数
42

The purpose of the present study was to examine the effects of environmental and affective factors on mathematical literacy by analyzing the PISA 2012 Japanese dataset. The data were analyzed by multilevel structural equation modeling at both school and student levels. It was found that: (a) At both levels, student-teacher relations were positively related to mathematical literacy, mediated by affective factors; (b) mathematical teacher support was positively related to mathematical literacy, mediated by self-efficacy only at the student level; (c) self-concept was positively related to mathematical literacy, mediated by self-efficacy and math anxiety only at the student level; (d) math anxiety was shown to have a negative effect on mathematical literacy at the student level; (e) self-efficacy was shown to have a large positive effect on mathematical literacy at both levels. These results suggest that improving student-teacher relations indirectly promotes better mathematical literacy via self-efficacy.