- 著者
-
村野 正昭
- 出版者
- Japanese Society for Aquaculture Science
- 雑誌
- 水産増殖 (ISSN:03714217)
- 巻号頁・発行日
- vol.12, no.1, pp.19-30, 1964-06-30 (Released:2010-03-09)
- 参考文献数
- 11
- 被引用文献数
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1) イサザアミ, Neomysis intermedia CZERNIAWSKYの生活史のうち主に生殖に関し報告した。2) 雌雄の判別は成熟した個体においては雌では哺育嚢, 雄ではペニス, 第1触角基節の葉状片および伸長した第4腹肢外肢をそれぞれ保有することにより可能である。3) 雄に比し雌は大きい。4) 雌雄比はおおむね1: 1であるが, 時に一方に偏することがある。5) 主な産卵期は3月中旬より10月までであるが, 夏季7, 8月は産卵に好適な季節とは認め難い。6) 産卵群は越年型と当年型とに分けられ, 前者は前年の秋に生まれたもので3~6月に, 後者は越年型より生まれたもので4~10月に産卵を行なう。7) 産卵数は1~46粒が観察されたが, 春秋季に多く夏季に少ない。8) 哺育日数は30℃で6日, 25℃で7日, 21℃で8~9日であるが低温期には最高20日が記録された。9) 生存期間および産卵回数は越年型で5~7ケ月生存して3~6回, 当年型では2~2.5ケ月生存して2~4回が推定される。10) 1年に7~9回の世代の交替があるものと推定される。