著者
竹田 駆 東山 寛
出版者
北海道大学大学院農学研究院
雑誌
北海道大学農經論叢 (ISSN:03855961)
巻号頁・発行日
vol.75, pp.21-30, 2022-03-31

Non-family-type farm succession has been attracting attention in recent years as an effective way to compensate for the shortage of bearers for agriculture and to maintain local resources, such as farmland, by transferring the resourses to unrelated persons, even if there is no successor in the family. Non-family-type farm succession has two aspects-new entrants and management succession-and many problems remain to be solved in the implementation. This paper focuses on the case of Daichi Ltd, a subsidiary of JA in Tsubetsu, Hokkaido, in order to clarify the role of related organizations in facilitating non-family-type farm succession. It is clear that Daichi has contributed to the establishment of a support system for non-family type farm succession in the region and has become the core of the system, playing a role in building and maintaining trust between transferors and successors, and thereby addressing issues and contributing to the facilitation of management succession.
著者
曽野 裕夫 東山 寛 嶋 拓哉 児矢野 マリ 山下 竜一 中谷 朋昭 小林 国之 村上 裕一 清水池 義治 中山 一郎 伊藤 一頼
出版者
北海道大学
雑誌
挑戦的研究(開拓)
巻号頁・発行日
2020-04-01

農業を中心とする食資源産業においては、とりわけ「メガFTA元年」とされる2019年以降、急速なグローバル化の進展が見込まれる。こうした食資源産業のグローバル化は、従前は国家の保護政策の下で、小規模経営を維持してきた農業経営に危機をもたらす反面で、新たな食資源供給体制の構築をはじめとして、新たな展開の端緒となる可能性を有している。かかる現状認識を踏まえた本研究は、法学・行政学・農業経済学の研究者が、多角的フィールド調査(利害が対立する関係者から広くヒアリングを行うことによる立体的な実態把握)による実証研究に挑戦し、食資源確保のための実践的な法戦略の構築をめざす異分野融合型研究である。
著者
東山 寛
出版者
日本農業市場学会
雑誌
農業市場研究 (ISSN:1341934X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.4, pp.3-8, 2013

日本のTPP交渉「参加」をめぐる動向は、APEC首脳会合に先立つ2011年11月11日におこなわれた野田首相会見で大きな節目を迎えた。このなかで「TPP交渉参加に向けた関係国との協議に入る」ことが述べられた。わかりにくい表現であるが、「参加協議入り」と称される。米国はこれを承けて12月7日に国内ステークホルダー向けのパブリック・コメントを実施したが(連邦官報公示)、そのタイトルは「Japan's expression of interest in the proposed TPP trade agreement」であり、「関心表明」と受け止められている。「参加協議入り」は正式な「参加表明」ではない。このことをまず最初に銘記しておきたい。これに伴い、TPP交渉参加国(当時9ヶ国)との「事前協議」が開始されることとなった。首相会見で述べられたことは、次の3点である。事前協議を通じて、(1)「各国が我が国に求めるものについて更なる情報収集に努め」ること、(2)「十分な国民的議論を経」ること、その上で、(3)「国益の視点に立って、TPPについての結論を得ていく」とした。以下では、この事前協議をめぐる問題に焦点を絞って検討する。後述するが、日本と同時に「関心表明」をおこなったカナダとメキシコは、2012年6月に正式参加が認められた。その参加プロセスを通じて明らかになった事実関係にも触発されて、本報告はTPPを「米国の対日要求」という視点から考えることとしたい。
著者
柳村 俊介 紺屋 直樹 吉野 宣彦 泉谷 眞実 東山 寛 相原 晴伴 吉野 宣彦 相原 晴伴 泉谷 眞実 小山 良太
出版者
宮城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

農業経営の収益性低下と高齢化による農業投資環境の悪化、急激な経営規模拡大、一般企業の農業参入といった傾向がみられるなかで、本研究では、新たな投資主体の形成という視点から地域農業の担い手のあり方を検討した。家族経営に代わる集落営農、農業法人経営等の経営体による農業投資が期待されるとともに、現状では萌芽的な動きにとどまるものの、経営体と分離した投資主体の形成を展望すべきことを明らかにした。