著者
三輪 和久 寺井 仁 松室 美紀 前東 晃礼
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.62, no.2, pp.156-167, 2012 (Released:2015-03-27)
参考文献数
60
被引用文献数
1 1

近年の知的学習支援システムは, 高度なインタラクティブ性を有し, その支援は多岐にわたる。そのような学習支援において, 学習効果を最大化するために, どこまで支援を提供し, どこから支援を保留にすればよいのかという, 支援バランスに関わるジレンマ(Assistance Dilemma)が生まれることが指摘されている。このジレンマの発生は, 学習志向活動と解決志向活動という学習時に生じる認知活動の二重性に起因する。学習者は, 限られた作業記憶の容量を, 問題解決を遂行しつつ(解決志向活動), 同時にスキーマ生成のための資源に割り当てなければならない(学習志向活動)という困難な課題に直面し, そこに支援ジレンマの問題の核心が存在する。本論文では, この問題を, 主に教育心理学において長年議論されてきた達成目標理論と, 認知科学や学習科学において展開されてきた認知負荷理論という2つの理論に基づき再解釈すると同時に, ジレンマ解消という観点から, この2つの理論の概要をレビューする。
著者
松室 美紀 三輪 和久 寺井 仁 山田 賢人
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.87, no.3, pp.229-239, 2016 (Released:2016-08-25)
参考文献数
27
被引用文献数
2

According to dual process theory, there are two systems in the mind: an intuitive and automatic System 1 and a logical and effortful System 2. While many previous studies about number estimation have focused on simple heuristics and automatic processes, the deliberative System 2 process has not been sufficiently studied. This study focused on the System 2 process for large number estimation. First, we described an estimation process based on participants’ verbal reports. The task, corresponding to the problem-solving process, consisted of creating subgoals, retrieving values, and applying operations. Second, we investigated the influence of such deliberative process by System 2 on intuitive estimation by System 1, using anchoring effects. The results of the experiment showed that the System 2 process could mitigate anchoring effects.