著者
松宮 孝明
出版者
立命館大学法学会
雑誌
立命館法學 (ISSN:04831330)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.1, pp.481-504, 2008
著者
松宮 孝明
出版者
法と心理学会
雑誌
法と心理 (ISSN:13468669)
巻号頁・発行日
vol.1, no.1, pp.22-27, 2001-10

本稿は、「交通事故における刑事過失責任の意味と機能」を論ずるものである。「原因」という概念は、それが使用される文脈によって多様である。刑事責任追及は、出来事をある個人ないしその誤りのせいにするシステムである。そのためには個人の過失、つまり不注意が必要である。ところが、注意は社会的脈絡によって決まる。情況が悪いときは過大な期待がなされることもあるし、状況がよければたいした期待はされないこともある。しかし、人間の能力には限界があり、かつ人間のエラーは不可避である。ときには、刑事責任追及および処罰が、交通事故の予防にとって逆機能的に働く場合もある。本稿は、合衆国やヨーロッパにあるような交通事故調査とそのための独立の調査委員会の必要性をも含めて、刑事処罰の合理的な役割と限界について指摘し、法学と心理学の課題を明らかにするものである。
著者
市川 正人 大久保 史郎 倉田 原志 倉田 玲 北村 和生 渡辺 千原 和田 真一 吉村 良一 松宮 孝明 山田 希 毛利 透 木下 智史 渡辺 康行 田村 陽子 須藤 陽子 斎藤 浩 森下 弘 佐上 善和 渕野 貴生 村田 敏一 多田 一路 水野 武夫
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

最近の最高裁判決を分析した結果、法分野ごとに最高裁の役割が異なり、また、最高裁の人的構成の影響が異なることが、明らかになった。最高裁裁判官の選任のありようについて、下級裁判所裁判官人事(「司法官僚」の形成)と関連させながら検討する必要性が明らかになったため、最高裁裁判官データベースの作成を進めた。アメリカ、カナダ、ドイツ、韓国、フランス、オーストラリア、イギリスに対する実地調査を行った結果、日本の最高裁・司法制度の特質と、他方、現代国家の司法・裁判所の共通点が明らかになった。以上を踏まえ、最高裁について人的、制度的な改革案をまとめた。
著者
岡上 雅美 浅田 和茂 葛原 力三 小池 信太郎 小島 透 中島 洋樹 松宮 孝明 山名 京子
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-11-18

本研究は、裁判員制度の下における量刑とはどのようにあるべきかを、実定法、手続法および犯罪学その他の刑事学的観点から検討することを目的としていた。そこで、2,3か月に1度、研究会を開催し、実務家等による講演会を行い、会員による研究発表を重ねてきた。また、本研究の特徴は、ドイツ量刑法を紹介し、我が国との量刑実務と比較し、ドイツ法から学ぶべき点を抽出する点にあり、これもおおむね実現した。しかしながら、ドイツの量刑法は、法律上の規定があって発展してきた側面が多く、それに基づいて緻密な量刑手続がとられていることも明らかとなった。我が国におけるいくつかの提言は多岐に渡るものであり書物として公刊される。