著者
松尾 真一郎
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.200-202, 2020-01-15

ビットコインは,暗号研究者の夢である「信頼できる第三者の存在がなくてもネットワークを介して支払いを行う」の実現を試みた画期的なプロトコルの提案である.ビットコインを成り立たせるために,暗号,分散コンピューティング,ゲーム理論などさまざまな異なる研究領域が有機的かつ絶妙に組み合わされている.本稿ではこの絶妙な組合せを5分でわかった気にさせるという無茶な要求に対し,その無茶の度合いを説明しつつも,しっかり参考文献を時間を掛けて読めば,その組合せの絶妙さと,ビットコインがいかに暗号プロトコル研究者にとってコロンブスの卵的に素晴らしい提案であるかを理解できる道しるべを得る解説を提供する.
著者
松尾 真一郎
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.159-164, 2020-01-15

2008年のSatoshi NakamotoのBitcoin論文によって導入されたブロックチェーン技術は,そのセキュリティの仕組みから,暗号通貨のみならず幅広い応用が模索さている.一方で,そのセキュリティ目標について,曖昧な議論がされており,学術的な整理も始まったばかりでである.本稿では,この視点に基づきブロックチェーン技術がもたらす安全性の範囲(セキュリティ目標),ブロックチェーンのセキュリティに関する理論的な議論の現状,現在指摘されている脅威と脆弱性,そしてセキュリティ向上に向けた研究開発の方向性について述べる.
著者
松尾 真一郎
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.56, no.11, pp.1082-1087, 2015-10-15

暗号技術は情報を守るだけでなく,新たなサービスを実現するためにも利用される.その代表例としてお金を暗号技術を使って表現する電子マネー技術がある.本稿では,1980年代以降の初期の電子マネー技術の検討から,ここ数年話題になっているBitcoinを代表するディジタル通貨について概要を述べると同時に,ディジタル通貨が今後ネットワーク時代の経済を支える新たなインフラストラクチャーになるために,暗号技術をはじめとする諸技術がどのように整備され,発展される必要があるかを述べる.
著者
松尾 真一郎
出版者
情報処理学会 ; 1960-
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.56, no.11, pp.1082-1087, 2015-10-15

暗号技術は情報を守るだけでなく,新たなサービスを実現するためにも利用される.その代表例としてお金を暗号技術を使って表現する電子マネー技術がある.本稿では,1980年代以降の初期の電子マネー技術の検討から,ここ数年話題になっているBitcoinを代表するディジタル通貨について概要を述べると同時に,ディジタル通貨が今後ネットワーク時代の経済を支える新たなインフラストラクチャーになるために,暗号技術をはじめとする諸技術がどのように整備され,発展される必要があるかを述べる.
著者
松尾 真一郎 森山 大輔 﨑山 一男
出版者
独立行政法人情報通信研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

RFIDタグやセンサーなど計算能力やメモリが制限されていて、パソコンやサーバ向けに設計された暗号化や認証のための技術が利用できないデバイスにおいても、安全な通信や認証を行うために、安全性が証明されるとともに実際のデバイスにも実装可能な軽量な暗号プロトコルを設計し実装するための研究を行った。その成果として、PUFと呼ばれる、デバイスの製造時の物理的差異を用いた暗号プロトコルを設計し、その安全性を証明するとともに、実際のデバイスにおける安全性を統計学的に示した。また、RFID用の認証プロトコルを実装する際のハードウエア実装の性能評価を行い、実用に向けた技術的な目安を示した。
著者
松尾 真一郎 秋山 浩一郎 尾花 賢 岡本 健 面 和成 鈴木 幸太郎
出版者
一般社団法人日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.19, no.5, pp.74-77, 2002-09-25

2002年3月11日から3月14日まで,バミューダにてFinancial Cryptography 2002(FC2002)が開催された。本稿では,FC2002の概要について報告する.
著者
松尾 真一郎 尾形 わかは
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ISEC, 情報セキュリティ (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.102, no.511, pp.1-6, 2002-12-09
被引用文献数
1

電子投票は暗号プロトコルの研究における有望な応用形態の1つと考えられており,これまでにも数多くの研究がなされている.既存の方式のほとんどは,一般的な選挙を主な用途として,投票者1人が1票を投じる形態の電子投票を実現したものであった.一方,現実の世界では,株主総会の投票や,持ち点を複数の選択肢に分配するアンケートのように,各投票者が個別の複数の票を持ち,場合によっては複数の選択肢に分配して投票を行うケースが存在する.既存の投票方式は,これらの場合に対して現実的ではない.本稿では,各投票者がそれぞれ異なる複数の票を持ち,複数の候補に分配して投票を行うことができる,新たな電子投票方式を提案する.本稿では,提案投票方式に対する要求条件を示し,次にプロトコルの提案を行い,提案プロトコルがこの要求条件を満たすことを示す.このプロトコルでは,各投票者の投票内容のプライバシは守られ,また,各投票者は不正な投票を行うことができない.提案プロトコルはゼロ知識証明が含まないため,他の投票方式に比べて実用的である.