著者
柴田 望洋 松山 久義
出版者
公益社団法人 化学工学会
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.395-402, 1989
被引用文献数
3 7

符号付有向グラフを用いた異常診断法の精度を, 最大候補集合によって評価する方法を提案した.さらにこの方法を酢酸製造プロセスへ適用し, その有効性を明らかにし, 包絡候補集合を利用した評価法と比較した.測定点の最適配置問題, 異常時における対応措置決定システム等への応用が考えられる.
著者
松山 久義
出版者
安全工学会
雑誌
安全工学 (ISSN:05704480)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.220-226, 2000-08-15
参考文献数
4

<p><tt><b>1986年度に発足した認定保安検査実施者の制度が,直接的に設備管理を利益に結びつけたために,化学・石油精製プラントの設備管理の質は近年飛躍的に向上している.しかし,一方では,競争の劇化に伴い,保全費の削減,オペレータ数の削減,保全部門の分社化などの逆風が吹き荒れている.したがって,従来のように,設計,製作,施工の不具合を設備管理に背負わせ,設備の不具合をオペレータに背負わせてプラントの安全を確保するという方法はとれなくなってきた。このような状況に適応するた</b></tt><tt><b>めに,設備管理と異常時対応システムを見直すことが本稿の目的である. </b></tt></p>
著者
松山 久義 大野 弘 鈴木 和彦 柘植 義文 山下 善之 橋本 芳宏
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

次のような成果を得た。各項目の番号は,研究報告書の章の番号に対応する。(1)2種類のCUSUM法(Crosier法とHealy法)が多数の外乱に晒されているプロセスの状態監視に有効であることを確かめることができた。(2)故障が致命的な事故を引き起こす恐れがある設備の管理において,次回の保全時期と作業内容を合理的に決定する組合せ論的アルゴリズムを開発した。(3)クラスタリング,ICA技術を利用して,汚れ,腐食の進展を検出するための新たな手法を開発し,故障した設備を取り除く作業手順の合成法を示した。(4)回分式プロセスの安全設計を支援するためのリスク評価システムを開発した。このシステムは,事象の深刻度と発生頻度から定量的にリスクを評価するだけでなく,回分式プロセスにおいて発生する可能性のあるあらゆる事故のシナリオを明確に与えることができる。(5)複合した原因によって発生した異常状態において原因を探索するアルゴリズムを開発した。このアルゴリズムは,化学プロセスの状態変数間の因果関係の遅れをデータとして利用することにより高い精度で異常の原因を診断することが可能である。このアルゴリズムの有効性を流動接触分解装置の動的シミュレータを用いて確かめた。(6)異常になったプロセスを正常復帰させる対応措置の自動剛性を行うアルゴリズムを開発した。このアルゴリズムは異常診断システムと連携し,原因の候補集合に共通の対応措置が見いだされた場合には,それ以上候補を絞り込むことを中止する。また,異常診断のために高次統計量を利用する方法をも開発した。(7)統合的設備管理支援システムを構成する,ストレス排除,予防保全,冗長化,運転支援システムなどの合理的な役割分担を決定する方法を開発した。
著者
松山 久義
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. R, 信頼性
巻号頁・発行日
vol.95, no.290, pp.31-36, 1995-10-13

測定変数間の線形な関係式とx^2検定を利用して測定器の故障を診断するシステムの設計仕様として,診断対象とすべき測定器の集合,誤報の確率の上限値,検出すべき故障の大きさの下限値と測定器の精度(標準偏差)との比,欠報の確率の上限値が与えられたとき,これらの仕様を満足し,かつ,設置費用最小の測定器の配置を決定する問題を組合せ論的最適化問題として定式化する。また,診断対象システムの自由度に対応する限界検出力の概念を導入することにより,この問題を効率よく解く方法を提案する。